極めて珍しい仏フランドルの地方ジュエリー
19世紀初頭のフランス、フランドル地方のジュエリー。
フランスのアンティークジュエリーで最も希少な、地方ジュエリーの一つ。
このペンダントはフランス北部フランドル地方のジュエリーです。
フランドル地方のアンティークジュエリーは他の地方ジュエリーに比べても極めて少なく、当店でも実際に仕入れることが出来たのは初めてです。
銀で編まれたハートとお花の形がとても特徴的です。
フランドルジュエリーの見本のような、極めて希少性の高いフランス地方ジュエリーです。
カボションカットにされた上質なアメジスト
銀とアメジストの色のコントラストが目を引きます。
アメジストの色が素晴らしく、ちょっと濃いめの紫色が美しいです。
アメジストにしては珍しくカボションカットにされています。
上質で厚みのあるカボションカットのアメジスト。
光が差し、紫色が石の中で美しく拡散していきます。
石の奥底のほうからは仄かに白っぽい色が差します。
そして真上から見ると、濃い紫色が見えます。
不思議な色の広がり方が、他にない神秘的な美しさです。
滑らかで艶やかで、透明感がありながら円やか、
アメジストという宝石の魅力を改めて伝えてくれる美しい石です。
アメジストは総計50粒以上使われており、渋い銀の色と綺麗なハーモニーを見せています。
地金は銀で、裏側はだいぶ薄くなってきていますが、金が塗られた跡が残っています(ヴェルメイユ)。
ネックレスの長さは45.5センチ。
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フランスは料理、言語、建築、文化等々、地方性の豊かな国。
ジュエリーは特に20世紀初頭以降は基本的にはパリを中心に発展したため、断然パリで作られたアンティークジュエリーが多いです。
しかしそれでも19世紀のジュエリーには、まだまだ地方性豊かなジュエリーを見つけることができます。
フランドル(Flandres)とは元々フランス語に由来している地域名ですが、日本語では英語由来フランダースとも呼ばれます。
現在の国境では現在のオランダ南部、ベルギー西部、フランス北部にまたがる独特の文化をもった地域圏を指します。
フランドル地域は中世の早い時期からリネンやボビンレースなど繊維産業が発達し、ヨーロッパで最も裕福な地域として繁栄しました。
しかしそれゆえに争いの絶えない場所でした。
古くからフランスの影響の強い地域でしたが、毛織物の生産と交易で栄えるとその供給地イングランドとの関係が近くなり、それが英仏百年戦争の一因にもなります。
1384年に、フランス、ヴァロワ家のブルゴーニュ公フィリップとフランドル女伯マルグリットが結婚し、フランドルはブルゴーニュ公国の一部となりました。
フランドルは富裕な貴族や商人の庇護の下、芸術も花開き、16世紀にはその繁栄の円熟期を迎えました。
現代のフランスにおいても、中央フランスとは異なる独特の文化を持ったエリアでフランスの中ではベルギーの香りが漂う、文化的であり異国的なとても不思議な魅力を持つ地方です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。