ストマッカーの発祥の地、ノルマンディー地方の名作です
18世紀のフランス製。
アンティークジュエリーファンの方にもお探しの方が多い、ストマッカーと呼ばれる胸の部分に縫い付けていたジュエリーです。
しかもストマッカー発祥の地であるノルマンディーの地方ジュエリーです。(後年スペインやポルトガルでも作られるようになるのですがやはり一番プレミアが付くのがノルマンディーのもの、あるいは南仏のものです)。
銀製のものも多いのですが、このストマッカーは18Kゴールドを使用した贅沢なものです。
しかもややピンク帯びたゴールドで、程よい華やかさが出ています。
ローズカットダイヤモンドを、大切に高く持ち上げた台に留めてあるのが印象的です。
一部ダイヤモンドの台座の部分には銀を使用しており、それがまたいいアクセントになっています。
素晴らしい透かしの美
こうしたストマッカーでは、どれだけ美しい透かしがなされているかがポイントになります。
このストマッカーはフランスらしい繊細で高度なオープンワークが見事です。
スペインやポルトガルのストマッカーはもうちょっと粗造りで、これほど繊細でしかも全体にふわっとした華やかさが漂うのはさすがフランスならではです。
この時代の透かし細工は1900年以降のように糸鋸で挽くことで実現しているのではなく、無数のパーツをそれぞれ作り、そのパーツを蝋付けすることで作り上げています。
それゆえにものすごい手間がかかり、これだけ繊細でしかも曲線のラインを作るのは至難の業なのです。
裏に、当時布を通していた金具がそのまま残っていますので、ここにベルベットのリボンやチェーンを通してペンダントとしてお使いいただくのが一番素敵だと思います。
かなり大きさもありますので短めのチョーカー風にするとものすごくかっこよいです。
注:チェーン等はついていません。
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フランスは料理、言語、建築、文化等々、地方性の豊かな国。
ジュエリーは特に20世紀初頭以降は基本的にはパリを中心に発展したため、断然パリで作られたアンティークジュエリーが多いです。
しかしそれでも19世紀のジュエリーには、まだまだ地方性豊かなジュエリーを見つけることができます。
ノルマンディーはフランスの地方の中で、豊かなアンティークジュエリーを生み出してきた地域です。
ノルマンディーは、イギリス海峡に臨むフランス北西部の地方です。
ドーバー海峡をはさんでイギリスと対峙し、百年戦争(1337-1453年)以前はノルマンディー公が支配してきた歴史的背景から、古くから貿易や商業が栄え、フランスの中でも経済的に恵まれた地域でした。
恵まれた地理的・経済的条件から、古くから地元でジュエリーの需要が生まれ宝飾技術が発展します。
その証拠にノルマンディーの宝飾家のトップクラスの職人たちは、16世紀からパリの王家に呼ばれています。
彼らはそこでノルマンディーの指輪、ノルマンディー地域特有のピアス、サンエスプリ(鳥)、十字架といったノルマンディー地域の伝統的なジュエリーを取り入れながら、宮廷向けに新しいジュエリーを製作しました。
より強い「煌き」を取り入れるために彼らが取り入れた素材の一つが、「鉛分の多いガラス水晶石」です。
この多分に鉛を含んだガラス石は、この地域の名前を取って「アランソンのダイヤモンド」と呼ばれることがあります。
18世紀になり、この鉛石をより小さなダイヤモンドのようなカットする技術が生み出されます。
そしてノルマンディーのパリュールは尚一層のこと、パリの貴婦人たちの間で流行します。
ノルマンディーと言えばまたストマッカーと呼ばれるドレスの胃の部分に縫い付けて使ったジュエリーも、他地域でも作られましたがこの地方が起源になっています。
ストマッカーとは、ドレスの胃の部分に縫い付けて使ったジュエリーです。
17世紀にフランスで発祥して、17世紀から19世紀初期のヨーロッパで流行しました。
フランスのノルマンディー地方がその発祥の地ですが、後年南フランスやポルトガ、スペインなどでも作られるようになります。
当時、コルセットでウェストを締め付けたデコルテを着用していましたが、その胸元の逆三角形の部分を覆う目的がありました。
ストマッカーは2つの本体からできているものと、3つの本体からできているものがあります。
大きさももっと大型のものや2つのものですともうちょっと縦幅が短めであったり様々です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。