少女のために作られた可憐なトルコ石ネックレス
1850-70年のフランス製。
もともと良家の女の子のカトリックの洗礼式用に作られたネックレスで、十字架のモチーフ。
長さも35センチ強ありますので、大人の女性にも使えます。
小さなモチーフにぎっしり詰められたターコイズと、細いチェーン、芸術品のように小さな留具。
パーツひとつひとつが、通常のジュエリーより小さめであるがために、その緻密な作業の大変さを考えると、気が遠くなってきます。
昔は大変高価だったトルコ石
トルコ石は昔は天然無垢のものしか存在せず、大変貴重なものでした(っ現在のトルコ石は、ほとんどが練り物、大量には存在しますがまったく別の石と考えたほうがいいです)。
19世紀半ばのジュエリーであっても、ターコイズをこれだけの量を使ったジュエリーはとても珍しいです。
美術館に入るようなジュエリーには見つけることはできますが、普通に市場に流通しているジュエリーではこれだけのものは極めて珍しいです。
ベースは18金。
トルコ石はすべて忘れな草の形にセッティングされています。
十字架の大きさが1.6センチx3センチ。
繊細なジュエリーで、トルコ石は水気や衝撃には弱いので、アンティークジュエリーの取り扱いに慣れている方に。
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古くからジュエリーのモチーフとなってきた十字架(クロス)。
フランス現地にいくと、十字架やロザリオなどを専門に扱う業者さんがいるほどです。
アンティーククロスはキリスト教の歴史と同じくらい長く、実に多彩なアンティーククロスが存在します。
現存するもとも古いアンティーククロスは、17世紀のものだといわれています。
17世紀のものは、表裏両面にエナメルで細工を施してあるものが有名で、クロスは主に男性の聖職者が身に付けるものでした。
18世紀に入ると、クロスは女性のキリスト教新興の象徴になり、リボンやクロスに下げるための、よりファッショナブルなクロスがでてきます。
十字架は現在では、定番のジュエリーモチーフの一つですが、お客様によっては「昔の十字架は聖職者のものだったとイメージがあり、恐れ多くて使いにくい」とおっしゃる方がいます。
それは、そのアンティーク十字架によります。
もちろん昔、聖職者用に作られた十字架もあります。
しかし1900年以降に作られたこのようなプラチナ十字架などは、聖職者用ではなく当時の良家の女性用に作られたものです。
もちろんフランスは元々カトリックの国なので、信者ではあったと思いますが、当時でもファッション性をきちんと考えて作られた洗練された十字架ペンダントです。
あくまで他のジュエリーと同じく装身具として、そしてお守りのような気持ちで身に着けられていたことでしょう。
特に信者でない方がおしゃれのアイテムとしても問題のないものです。
十字架によく使われる素材としてはダイヤモンド。
そしてダイヤモンドと同じぐらい見られるのが無色透明のロッククリスタルです。
その他、パールやガーネットも特に19世紀に使われています
また特に宝石を使わない十字架(クロス)も多く、その場合エナメルが施されていることもあります。
十字架(クロス)は西欧の多くの国で古くからジュエリーにされてきた数少ないモチーフですので、生産地によっていろいろなスタイルが見れるのも面白いです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。