アンティークムーンストーンネックレス(銀製)

透明感溢れる上質なムーンストーン アンティークジュエリーの中でも人気のある宝石の一つが、ムーンストーンです。
半透明で淡く幻想的な水色が魅力的なムーンストーン。
エピソードにも詳しく記しましたが、ムーンストーンも現在とアンティークジュエリーでは大きく価値の異なる宝石です。
現在ではこのような半透明でとろりしたような美しいシラーを発するムーンストーンが枯渇しているせいか、アンティークのムーンストーンを初めてご覧になられた方から「これは何の宝石ですか?」とよく聞かれます。
このネックレスに用いられているムーンストーンはいずれも状態が良く、透明度の高い美しい石が使われています。
ムーンストーンはほぼ例外なくカボションカットにされます。
角度によって美しいシラーを発するムーンストーン本来の石の美しさが引き立つからです。 胸にひだのように広がるドラップリーデザイン ジュエリーのデザインとしても美しく、胸にひだのように広がる「ドラップリー」と呼ばれるデザインのネックレスです。
ガーネット等に代表される濃い色の色石にはない、涼やかな色彩です。
合計17石。
いずれもカボションカットされていますが、楕円形のもの真円のものなどいずれも円やかな円形が柔らかく優しい印象です。
地金は銀製。
19世紀後期のイギリス製(推定)。
ネックレスの長さは43センチです。

  • 幅:430mm 
    重量:6.5g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

アンティークムーンストーンネックレス(銀製)

  • 横から見るとぷっくりとした厚みのあるムーンストーンであることが分かります
  • 角度によって変化するシラー、ムーンストーンは装着時により美しく映えます
  • シラーは角度や光の当たり方によって変化します
  • 背景を白にした状態、背景は濃い色のほうが青が強く映ります
  • 旧式の留め具、長さは43センチでそこからドラップリーが垂れます
  • アンティークムーンストーンネックレス(銀製)
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アンティークエピソード

ムーンストーン(Moon Stone)のアンティークジュエリー

ムーンストーンは古くから重用された宝石で、古代インドで月の光が封印されている「聖なる石」として崇拝されたそうです。
「女性性」を司る石でもあり、古くから女性に愛されてきた宝石です。
月(ムーンストーン)は女性性を司どり、太陽(サンストーン)は男性性を司どるとされてます。
古代インドでは、月の光が封印されている「聖なる石」として崇拝され、愛情に関係した効果が高いといわれてきました。
また中世ヨーロッパにおいては、恋人への最高の贈り物とされました。

ムーンストーンは、月のエネルギーを宿した神秘的な宝石で、女性特有の月の満ち欠けによる不安感を和らげてくれると信じられています。
また満ち欠けする月のように、変化する感情をコントロールする力があるとも言われています。
古くから女性が持つとリラックスできる、理痛や出産の痛みを和らげると信じられてきました。

透き通った下地に美しい青色のシラー効果が拡がるムーンストーンは、見る角度によって幻想的なブルーの色合いが広がる非常に美しい宝石です。

ネグリジェネックレス

ムーンストーンの最大の特徴は、シラーと呼ばれる青白い光の反射にあります。
ムーンストーンのシラーがどうやって生み出されるかと言いますと、以下の原理になります。

ムーンストーンは「カリウムを多く含む正長石の層」と「ナトリウムを多く含む曹長石の層」が交互に重なり合ってできています。
ムーンストーンに光が入ると、入った光は性質の異なるものが相互に重なる階層構造によって「干渉」を受けることになります。
この干渉によって光の散乱が起こり、ムーンストーンの表面下にふわりとした青白い光が浮かび上がります。
曹長石の層が薄いと青い光が強く、逆に層が厚いと白い色が強くなります。

ムーンストーンのジュエリーはイギリスのアンティークジュエリーにおいての方が比較的よく見つかりますが、フランスでも数は少ないですがムーンストーンのアンティークジュエリーが作られます。

下記は当店で販売済みの20世紀初頭のフランス製、ムーンストーンのドラップリーネックレス。
透き通った下地に美しい青色のシラー効果が拡がっているのを見て頂けるでしょう。

アンティークムーンストーンネックレス(ブルーサファイヤ、アールデコ、1920年頃)

アンティークムーンストーンのジュエリーは1900年頃まではムーンストーンは大変に希少な石だったこともあり、1900-1920年の頃に作られたものが多いです。
下記は1910年頃のイギリス製のムーンストーンネックレスです(販売済み)。

ムーンストーンのネックレス(1910年頃 イギリス 15金ゴールド)

ムーンストーンのアンティークジュエリーはネックレスが多いですが、指輪でもオリジナリティある作品が作られました。
下記はイギリス製、ムーンストーンに彫りが入っています。

ムーンストーンリング(イギリスヴィクトリアン、彫り物)

ルビーとムーンストーンのアンティーク指輪(花、アールデコ1930年代)

最良のムーンストーンでは、青い光が按配よく入ります。
現代ではアンティークムーンストーンのような天然で半透明の美しいシラーのムーンストーンは見られません。
そのためアンティークムーンストーンを初めてご覧になられたお客様には必ず「この美しい石は何の宝石ですか?」と聞かれることが多いです。
これはなぜかと申しますとアンティークジュエリーで用いられているムーンストーンは当時、主にスリランカやインドで採れました。
これらの国の良質なブルームーンストーンはとっくに採掘しつくされてしまったのです。
現代、「ムーンストン」として流通している宝石の大半は「ラブラドライト」あるいは「ペリステライト」です。
外観としてはムーンストーンに似ていますが、鉱物としては異なります。
同じ長石グループに属する石ですが、かつての本来のムーンストーンとは組成が異なるのです。
同じようなクオリティーや美しさが望めないのは当然です。

またペリステライトやラブラドライトですらも近年では、採掘つくされてきています。
そのままで宝石に出来るようなクオリティーのものは極めて少なくなってきているそうです。
いかに天然本来のムーンストーンが貴重なものか、アンティークのムーンストーンがどうしてこれだけ今のムーンストーン(と呼ばれているもの)と色合いが異なるのか、お分かりいただけることでしょう。

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