贅沢に使われたアンティークペリドット
1890年頃のフランス製。
一瞬「デマンドイトガーネット」を思わせるような、非常に透明度の高い明るいのに深い黄緑色のアンティークペリドット。
最下部の最も大きいペリドットは何と9ミリ1.8ミリもある、超大粒のペリドットを使っています。
深いオリーブグリーンの爽やかな色が、気分をアップしてくれます。
非常に透明度の高い、そして緑色が濃く(しかし暗くはない)美しい色のペリドットです。
それなりの内包物があっても、透明度が高く、有無を言わせない美しさがあるのは、天然本来で持つ宝石の力です。
大粒のペリドットが4つ、通常であれば1つで十分ペンダントとして通用する大きく美しいペリドット。
全て美しいファセットがついていて、見る者の目を奪います。
全部で何カラット使っているのだろうという、ペリドット好きな方には見逃すことの出来ない本当に贅沢なネックレスです。
瀟洒なアールヌーボーデザイン
全体のデザインにアールヌーボーの特徴がよく表れているのも嬉しいところです。
まず鎖骨下で3つのペリドットが優しく揺れて、その下に雫のように最下部のペリドットがストンと垂れます。
首ラインをほっそりと魅せる大人のデザイン。
襟などのあるお洋服にもシックに決まります。
地金は18Kゴールド。
ネックレスの長さは41.5センチ。
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オリーブグリーンの艶やかなペリドット。
ジュエリーの歴史の中でも、最も古い歴史を持つ石の一つです。
ペリドットとは宝石名で、鉱物名はオリビン(Olivine)。
オリビンは、「オリーブ色」から来ています。
古代エジプト人はペリドットが恐怖を取り除き、平和や喜びを授ける石と信じていたそうです。
またローマ人はその石が夜暗くなっても、まだ見ることができ、色が暗くならなかったので、「イブニングエメラルド」と呼びました。
以降、西洋のアンティークジュエリーにおいて珍重されてきたペリドットは、その後中世の十字軍の時代には「守り石」にもされてきました。
ぺリドットがもっとも隆盛したのは、19世紀後期(イギリスで言うところのヴィクトリアン時代後期)からアーツアンドクラフツ、アールヌーボー、20世紀初頭(イギリスで言うところのエドワーディアン)です。
特にぺリドットを愛したのがイギリスのエドワード7世(アルバートエドワード)。
フランスではルネラリックなども好んでこの時代に重用した宝石です。
ペリドットは鉄の成分がその石の構造上不可欠で、その鉄が明るく黄色がかった緑色を造りだします。
滑らかな黄緑色が魅力的なペリドットは、「イブニングエメラルド」の異名を持っています。
それはなぜかというとペリドットが持つ、複屈折という特徴のため、ほの暗い照明の下で、驚くほど高い輝きを発するからです。
複屈折とは簡単に言ってしまえば、宝石に入った光が一筋の光として出て行くのではなく、二重の光となって出て行く性質のことです。
そのためペリドットを見ると、反対側の稜線が明らかに2重になって見えます。
同じような複屈折の特徴を持つ宝石にルビー、サファイア、エメラルドがありますが、屈折率が高いペリドットのほうが顕著にこの複屈折の特徴が出るのです。
ぺリドットは8月の誕生石の一つであり、石言葉は「夫婦の幸福」です。
結婚16周年目に贈る宝石でもあります。
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