銀製のアンティークロケットペンダント
面白い銀製のペンダントです。
大きめのペンダントは開くことができます。
いわゆるロケットペンダントなのですが、フランスのロケットはゴールド製のコンパクトなタイプのものが多いので、大きめのサイズが珍しいです。
ロケットに深さもあるので、写真のように大きめのリングも軽々と入ってしまいます。
内側は艶やかなゴールド色です。
「ヴェルメイユ」といって銀の上に金を上塗りしているのですが、年月を経ているにもかかわらず鮮やかなゴールドの色を保っています。
内側の明るいゴールドの色と、外側の経年を経た銀の渋い色合いの対比が魅力的です。
リボンと宿り木(ヤドリギ)
モチーフが素晴らしく、上部にリボン、中央部分には宿り木(ヤドリギ)が銀彫りで描かれています。
宿り木はヨーロッパで「幸運を呼ぶ木」として愛されてきました。
特にアールヌーボーの頃に好んでジュエリーの題材にされました。
左右に対をなしてヤドリギが描かれています。
ペンダントの内側は、複数の楕円の模様がレイヤーのように描かれていて、額縁のように見えます。
このペンダントはもしかすると以前はピルケースか何かだったのかもしれません。
と言いますのも図柄的には横にするのが正しく、ペンダントとして付けるときは縦になっているからです。
どこかの段階でペンダント通しとチェーンをつけたのだと思います。
チェーン(こちらも銀製です)も一緒に入手しましたのでお付けいたします。
チェーンも年代物で、大きなペンダントにも合わせて頂ける堅牢な編みです。
取り外しもできるので、他のアンティークペンダントとも合わせて頂けます。
ペンダントを開けると複数の刻印が見えます。
フランスの工房印と「ゾウムシ」というちょっと珍しい刻印が押されているのも魅力的です。
ゾウムシは金にも銀にも押される刻印ですが(打たれ方によってはゴールドと特定できることもありますが複雑な話になりますので割愛します)、古い時代のものであることが分かる興味深い刻印です。
フランスの銀製品にここまで刻印を押していることは珍しいです。
1890年頃のフランス製。
動画も撮影しています。
アールヌーボー 銀のアンティークロケット(宿り木)
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アンティークロケットペンダントは最も人気の高いアンティークジュエリーの一つです。
その歴史は中世のヨーロッパまで遡ります。
この頃は宗教的意味合いが強く、聖像などを収めたりするものでした。
下記は当店扱いの何と18世紀の非常に古い時代のロケットペンダント、何と「鉄」でできています。
ジュエリーとして美しいロケットが出始めるのは、主に19世紀。
19世紀初頭に、イギリスやフランスを中心に大切な人の髪や形見の品などを入れる物としてロケットペンダントが普及します。
宝石をちりばめたものや細工の凝ったものなど、美しいロケットが作られます。
下記はエメラルドと真珠がセットされ、かつエナメルも施された宝飾品としての完成度が高いロケットです。
下記は1900年頃のフランス製のロケットペンダント。
ブルーエナメルと真珠とダイヤモンド、そして葉をモチーフにしたアールヌーボーらしい構図の美しいロケットです。
イギリス・ヴィクトリア時代(19世紀中ごろ)のロケットには積極的に愛のメッセージが込められているのが特徴です。
下記はヴィクトリア&アルバート美術館所蔵の1840年頃、イギリスヴィクトリア時代中期のロケットペンダントです。
ハートの形に南京錠、その鍵が描かれています。
その心は「私の心(ハート)の鍵はあなたが握っている」です。
使われている宝石にも愛のメッセージが込められています。
ルビー、エメラルド、ガーネット、アメジスト、ルビー、ダイヤモンドでその頭文字をとって「Regard」。
(c) Victoria & Albert Museum, London
下記もやはりハートをモチーフにした、こちらはフランスべルエポック時代に作られたロケットペンダント。
前述のヴィクトリアンのハートペンダントほどの重たさはなく、都会的で洗練されたロケットです。
ロケットのモチーフには時に、珍しい題材も選ばれました。
下記は当店で販売済みの、お酒のボトルをモチーフにしたロケットペンダントです。
下記は本に見立てたロケットで、何枚もめくっていける驚きの作りです。
写真を3枚入れることができます。
アンティークロケットでは金細工に優れたロケットが多いですが、金細工やエナメル細工が施されたロケットもアンティークジュエリーならではの醍醐味です。
下記はアールヌーボーの金細工が美しいロケットペンダント。
ギロシェエナメルのロケットペンダント。
ロケットジュエリーの大半はイエローゴールドで作られていますが中には例外もあります。
下記は銀製のロケットペンダント。
またアンティークロケットペンダントも非常に人気があり、常に品薄状態なのですが、それ以上に見つけにくいのが、ロケットリングです。
ペンダントに比べても細工を施す面積が少ない指輪で、このような細工を施すのは非常に大変なことで、作られた数も極めて少ないのです。
下記は当店で販売済みのバラをモチーフにしたロケットリング。
このロケットリングのように無色のガラスの場合、何も入れない状態で着けても美しいですし、押し花のように小さな葉などを入れてもよいと思います。
下記も当店にて販売済みのロケットリングで、ベルトの中を開くとロケットが出てくるという実に精巧な作りです。
とても小さなロケットで、この手の小さなロケットリングは、故人の髪を入れるためのものでした。
また下記は珍しくロケットチャームのついたバングルです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。