希少なロッククリスタルを使ったアンティーク指輪
透明で大粒の、素晴らしい透明感と輝きのロッククリスタル。
これだけのロッククリスタルは、アンティークジュエリーにおいてもありそうでなかなか出て来ない希少なものです。
9.5ミリととても大粒で綺麗なカボションカットにされています。
表面に傷などもない良い状態で、隅から隅まで澄みきった素晴らしいロッククリスタルが印象深いです。
球体全部を丸ごと使った大胆なデザイン
アールデコが隆盛していた30年代らしいデザインも魅力的です。
ロッククリスタルを丸ごとセッティングした大胆なデザイン。
3分の2程が台座の上に、残りの3分の1程度が台座の裏にきていますが、横から見ると爪と爪の間からほぼ全体が見ることができます。
ロッククリスタルは8つのホワイトゴールドの爪でしっかりと留められていて安定感があります。
また台座がお椀のようなラインを描いていて、丸々としたロッククリスタルのラインのカーブにしっくり合います。
白いクリスタルを包むのは、やはり白いメタルの18Kホワイトゴールド。
1930年頃のフランス製。
1930年代にはこのようなホワイトジュエリーが流行していましたので、デザインのみならず色彩にもとても30年代らしさが出ています。
指輪サイズは10号(有料でサイズ直し可)。
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ロッククリスタルとは、無色透明な水晶のことです。
ギリシア語で「 krystallos 」は「氷」を意味し、ロッククリスタルの名前の起源になっています。
水晶の内、不透明なものをクォーツ(石英)、透明なものを水晶と呼びます。
透明で無色なロッククリスタルは、古代「氷が化石化」したものと信じられていました。
ロッククリスタルは古代より彫り物をするにも好まれ、古代エジプト、イラク、イランなどそのようなジュエリーが見つかっています。
ヨーロッパでは1650年ぐらいからジョージアン王朝時代に至るまで、宝飾家は表面がフラットになったクリスタルの上に彫りを施して、側面にファセットを入れました。
このようなロッククリスタルをジュエリーは「Stuart Crystals」と呼ばれています。
下記はロッククリスタルに彫りの入ったペンダント。
シャルル1世が描かれています。
(c) Trustees of the British Museum
この時代、ロッククリスタルは指輪のベゼルやピアス、クラスプ部分やカフスに用いられました。
ヴィクトリア時代になると、ロッククリスタルに彫りを施してシール(印章)やカメオ、インタリオにするのが流行しました。
そしてロッククリスタルを語る上で欠かせないのが、アールデコ期です。
幾何学的な形に切りとられたロッククリスタルが指輪やブローチ、ペンダント、ブレスレットのプレートとして重用されます。
ロッククリスタルのプレートの中心にダイヤモンドなどの宝石がセットされることもしばしばでした。
下記は当店扱いのオーストリアのアールデコのピアス。
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