鮮やかなロイヤルブルーのアンティークエナメル
アンティークジュエリーの醍醐味であるエナメルのジュエリー。
特にブルーエナメルはとても人気があり、このリングのロイヤルブルーエナメルは目の覚める美しさです。
透明感のある実に美しいブルー、その中央に描かれているのは薔薇の花と葉。
花の部分は赤色からオレンジ、ゴールドと繊細なグラデーションカラーになっています。
葉の色は緑を基調に部分的にイエローがよりくっきりと出た、植物ならではの移ろいゆく生命の色合いを繊細なグラデーションで表現しています。
エナメルは色の数が増えるほど、七宝を焼く回数が増えます。
そのためこのような数種るの色のエナメルは一層手がかかり、高い技術が必要となります。
2つのお花の周りは、ゴールドでぐるりと外周を囲う模様が描かれています。
この部分の曲線のきれいなラインもとても魅力的です。
周囲を囲う圧巻の天然パール
周りを囲うのは天然真珠。
艶のある美しいきれいな粒の天然パールがこれだけ揃って残っていることにも、これだけ多色のエナメルがきれいに残っているのと同じく素晴らしいです。
台座には高さがあり、エナメル部分が胸に当たったときに直接肌に触れないところも良いです(汗などで剥げる心配がなくなります)。
また子の台座下の透かしも魅力的です。
19世紀後期(第二帝政期)のフランス製。
750というおそらくスイスの刻印が裏面に、そしてペンダント通し部分にフランスの刻印が入っています。
エナメルはスイスが強かったため、おそらくエナメル部分がスイスでその後のジュエリー製作がフランスです。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
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アンティークジュエリーで時々登場するエナメル。
その柔らかな質感は、どんな高価な宝石を使用したジュエリーにもかえがたい魅力があります。
エナメル(七宝焼き)とはさて一体どのようにして作るのでしょう?
エナメルはゴールドや銀などの金属製の下地の上に釉薬(ガラス質、鉱物質の微粉末を水と糊でペースト状にしたもの)を乗せ、摂氏800度前後の高温で焼くことによって作られます。
融けた釉薬によるガラス質の美しい彩色を施す技術です。
クロワゾネエナメルとは
アンティークジュエリーで見られるエナメル(エマイユ)技法のひとつで、エナメルの中でも高度な技術を要するエナメルにクロワゾネエナメルがあります。
クロワゾネエナメルとはいわゆる有線七宝のことです。
土台となる金属の上に1mmにも満たない金線を貼り付けて輪郭線を描き、できた枠内をエナメルで埋める装飾技術です。
フランスのアンティークジュエリーにおいて、クロワゾネエナメルによく用いられた色は赤や青、黒、白、緑などです。
「クロワゾネ(cloisonne )」はフランス語で「仕切られた」という意味からきています。
クロワゾネエナメルは基本的に金属の上に施されますが、下記では何とクリスタルの上にクロワゾネエナメルが施されています。
宝飾史に名を刻む19世紀後半に活躍したジュリアーノ一族が得意としたのも、クロワゾエエナメルです。
ジュリアーノは、19世紀後半にルネッサンス様式に着想を得たエナメルの重ね塗りで、一世を風靡。
白・黒、ブルー・白の点描などが有名です。
カルロジュリアーノの二人の息子、カルロとアーサーが父の跡を継ぎ、ジュリアーノ一族のエナメルワークは更なる発展を見せます。
アールヌーボー時代には、透明なエナメルも好んで用いられました。
アールヌーヴォーの時代に日本の有線七宝の影響を受けて、それがフランスで進化し、鮮やかな発色のエナメルがアンティークジュエリーが生まれました。
スイスジュネーブのスイスエナメル、フランスリモージュ地方のリモージュエナメルも人気です。
リモージュエナメルもクロワゾネエナメルの作品を主としています。
下記は当店扱いのリモージュエナメルのペンダント。
多色使いが見事です。
エナメルは指輪のショルダーなど、ジュエリーに部分的に用いられることも多くありました。
下記のケースでは、ショルダーのところに黒いエナメルが入っています。
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