3月の誕生石アクアマリンのペンダントネックレス
皆さまからご要望の多い宝石アクアマリン。
久しぶりにネックレスを入荷しました。
アンティークアクアマリンの典型的な少し水色の薄いアクアマリンが2石。
上部に円形、メイン石はペアシェイプになっています。
両石とも状態が良く、艶のあるきれいなアクアマリンです。
その全周が筒状にセットされているため(コレットセット)、爪の遮りがなく美しい水色のアクアマリンを堪能できます。
アクアマリンは現代と昔でかなり色や質が異なる宝石の一つで、それをご存知の方も多くいつもリクエストを多く頂きますが、アンティークジュエリーでアクアマリンが用いられた年代は比較的短くそれもありいつも供給不足です。
そのためかなり高価になってしまうことも多いのですが、このネックレスは比較的華奢ということもありリーズナブルに出せています。
ネックレス自体は華奢ですがアクアマリン自体にはしっかり大きさがあるのが、魅力的です。
ヴィクトリアンからエドワーディアンへの過渡期のジュエリー
作られたのは1900年前後、ぎりぎりヴィクトリア時代の末期の頃です。
ヴィクトリア時代からエドワード王朝時代に向かう、過渡期のジュエリーの特徴が見られます。
一つはナイフエッジ技法。
ナイフエッジとはナイフに例えた細工のことで、刃の面が鋭く細く、手を当てる側が太くなっていることからこう呼ばれます。
正面からは細い線のようにしか見えて、シャープで洗練されたラインが出ています。
一方地金はレイトヴィクトリアンに特徴的な9カラットゴールド。
温かみのあるこの時代特有のイエローゴールドが、肌に馴染みます。
ペンダント部分だけが切り離されて流通しているアンティークペンダントも多いですが、オリジナルのチェーンがそのまま残っているのも良いです。
ネックレスの長さは40.5センチ。
1900年頃のイギリス製。
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3月の誕生石アクアマリン
「アクアマリン」の名前はラテン語から来ています。
アクアマリンは、アンティークジュエリーにおいても非常に価値の高い宝石の一つです。
その愛らしい透明感、耐久性からアクアマリンは古代から愛されてきました。
またアクアマリンを使用したジュエリーはアンティークジュエリーにおいても非常に数が少なく、それゆえにいつも探されています。
ベリル系宝石、アクアマリン
アクアマリンがエメラルドと同じベリルという鉱物であることはあまり知られていません。
ベリルの中で、クロム着色の緑色はエメラルド(クロム着色以外の緑色はグリーンベリル)、海水青色はアクアマリン、黄色〜緑色はヘリオドール、無色はゴシェナイトと分類されます。
「海水青色」と表現される、わずかに緑味を帯びた淡青色がアクアマリン本来の色で、その魅力です。
緑柱石のうち透明でスカイブルーの色調のものを、アクアマリンと呼んでいます。
アクアマリンの色と、現代の過熱処理
現代のアクアマリンに見慣れてしまっていると、アンティークのアクアマリンは「淡い色」が多いように感じるかもしれません。
アンティークアクアマリンは概して、現代のアクアマリンに比べてその名の通りより本来の水色に近い、淡い透き通った色をしています。
下記は当店で販売済みのフランス製のアクアマリンネックレス。
アクアマリンの水色の色相が淡いのに素晴らしい艶と輝き。
そのカッティングもありまさに「水の雫」のようで、いわゆるアンティークアクアマリンの見本のような色です。
現在のアクアマリンは緑色から黄褐色の緑柱石を熱処理したものがほとんどで
、アンティークジュエリーで使われているアクアマリンと大きくクオリティーが異なるるからです。
現代では本来淡いグリーン帯びたアクアマリンの色を、摂氏425度で加熱すると言うことが日常的に行われています。
しかし実際の天然無加工のアクアマリンは青みがかった淡いグリーンから、ダークブルーまでの美しい青色の色彩を持ちます。
天然無処理のアクアマリンならではの優しい色合いが楽しめるのも、アンティークアクアマリンならではの醍醐味です。
アクアマリンの産地
アンティークアクアマリンの主なアクアマリンの産地は、ブラジルのミナスジェライス鉱山でした。
それ以外ではパキスタンの高山がもう一つの主要な産地でした。
アクアマリンのジュエリーが作られた時代
アンティークジュエリーでアクアマリンの使われたジュエリーは19世紀末から、アールデコ期に向かった作られた作品が多いです。
イギリスですとエドワーディアンの頃、フランスですとベルエポック時代からアールデコ期にかけて好まれて作られました。
下記はかなり珍しい、革命前のロシア(1900年頃)の作品です。
下記はアールデコ期のアクアマリンのピアス(フランス製)。
下記は当店で販売済みのアクアマリンとルビーのアールデコ指輪。
販売して何年も経ているのですが、いまだにお問い合わせをよく頂く、青と赤の対称色の使い方が美しい指輪です。
こちらもやはりルビーとアクアマリンの色の対比を上手に使った、オーストリアの作品です。
清涼感あるアクアマリンは、アールデコのジュエリーには特にぴったりの宝石です。
アクアマリンをメイン石に据えたジュエリーが作られた期間が短いということも、アンティークアクアマリンジュエリーの数が圧倒的に少ない要因の一つでしょう。
アクアマリンとブルートパーズ
余談になりますがアンティークジュエリーで現代のいわゆる「アクアマリン色」を探していて見つけるのがブルートパーズになります。
トパーズというと、黄色の宝石のイメージが強いと思いますが、実際は豊富なカラーバリエーションを持っています。
特にブルーは現在、最も人気のあるトパーズのカラーバラエティになりました。
このブルートパーズという石、かつては天然の淡青色のトパーズが産出されていたにもかかわらず、以前はアクアマリンの代用品のようにしか考えられていませんでした。
しかし近年、放射線照射による濃色のブルーが登場すると(現在では天然のブルートパーズは産出されません)、たちまち人気の石となったそうですから、何とも皮肉です。
それだけにアンティークジュエリーではアクアマリンの代用品にすぎなかったアンティークの無加工のブルートパーズは、現在では高い価値を持っているといえます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。