20年代のファッションプレートから飛び出して来たようなネックレス
1920年代のフランス製。
20年代のファッションプレートから飛び出してきたような、典型的なアールデコ期のロングネックレスです。
ポールポワレが描いたウエストの無いストンとした直線的なシルエットの洋服にあわせたロングネックレス
髪をショートにしたモダンガールが、ドレスの仕上げに身に着けたのがこうしたロングネックレスだったのです。
これほどまでに20年代らしさが出たネックレスは、現在アンティーク市場でもほとんど見かけることはなく、歴史的なファッションアイテムとして大変貴重です。
真珠のような吹きガラス
無数のパールに見える粒は、全て吹きガラスです。
ガラスと言うと大したことのない印象を受けるかもしれませんが、当時ルネラリックが時代を代表する香水ビンの製作で重用した「吹きガラス技法」と同じ製法で作られた特別なガラスガラスビーズ。
真珠以上に貴重なアンティークアイテムです。
下の雫形のドロップも吹きガラスで作られています。
見事な光沢に、均一的すぎない膨らみ、これほど贅沢に当時のガラスが使われたジュエリーは珍しいです。
その上の鳥の形のモチーフは、銀でできています。
躍動感あるシルエットで、経年変化をした銀が味わい深いです。
外縁にはぎっしりと細やかなミルグレインが打たれています。
嵌められている石は全てラインストーン。
当時の鉛質を多分に含んだ重厚でクラシックなラインストーンが鈍く美しく輝きます。
一部修理の跡が見られますが、工房できちんとハンダで処理されていますので、ほどける心配はありません。
どんな絢爛豪華な宝石を使ったアンティークジュエリーより見つけにくい、貴重なアンティークアイテムです。
ネックレスの長さはおよそ98センチ(モチーフ部分を含まないガラスビーズの部分のみの長さ)。
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ガラスは最も古い「宝石」のひとつです。
古くは紀元前3000年前のメソポタミアとコーカサスの遺跡から発見されています。
いわゆる貴石の代役としての役割も、少なくとも紀元前1500年前のエジプト文明の頃には既に確立されていました。
中世、カラーガラスは主に宗教的な目的に用いられました。
例えば聖骨箱や聖書に飾られました。
非宗教的な用途としては、例外的に子供のジュエリー、そして葬儀用のジュエリーにも使われました。
吹きガラスとは、ガラス工芸の技術のひとつで、高温溶融されたガラスを、吹き竿に巻き取って、息を吹き込んで成形するガラス工芸技法のことです。
その起源は紀元前1世紀まで遡ります。
東地中海沿岸のフェニキア人が発明しました。
吹きガラス製法は古代ローマの時代からほとんど変わっていません。
イギリスやフランスでは18世紀に、ロココスタイルの仕上げとして登場した吹きガラスが登場します。
「もっとも上質なフェイクパール」として敬意をこめて「ローマの真珠」と呼ばれることがあります。
海外資料より抜粋。今回のピアスで使われている吹きガラスの光沢によく似ている「18世紀ロココ様式の吹きガラスのピアス」です。
吹きガラスの表面に、魚の鱗から取った光沢材をコーティングして、独特の光沢を出したそうです。
そしてこの吹きガラス技法が再び脚光を浴びるのが、19世紀末になってからです。
この時代、アールヌーボーの作家など数多くの宝飾家が再び「ガラス」とという素材に注目をして、ガラス素材の高級ジュエリーを生み出します。
そして20世紀初頭には、著名なガラス工芸家のルネラリックが、吹きガラス技法を駆使して、数々の香水ビンを作り伝説となります。
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