まるで真珠のようなガラス
1830年頃のフランス製。
ぱっと見たところ真珠に見えると思いますが、実はこれはすべて吹きガラスなんです。
19世紀のアンティークジュエリーで、時々見かけます。
ガラスと言うとそれ程高価な印象はないかもしれませんが、天然真珠よりはもちろん安いですがそれでも意外なほど高価なことが多いのです。
今回はリーズナブルに仕入れることができて幸運でした。
何と言ってもこれだけの吹きガラスは当時も高い技巧が必要でしたし、アンティークらしいポエティックな雰囲気にファンの多いアイテムです。
ひときわ古い吹きガラスのネックレス
しかもこちらのネックレスは、こうした吹きガラスの中でもとても古い部類に入るものです。
粒がしっかりしていて、まるで真珠のようなグラデーション。
真珠のようでいて、真珠にはない魅力に、すっかり魅了されてしまいます。
留め具の部分は18金のイエローゴールドで何とこちらもオリジナル。
天然真珠より気軽につけることができて、かつ真珠が求められるようなフォーマルな場にもふさわいい格があり、大変重宝なアイテムです。
ネックレスの長さは41センチ。
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ガラスは最も古い「宝石」のひとつです。
古くは紀元前3000年前のメソポタミアとコーカサスの遺跡から発見されています。
いわゆる貴石の代役としての役割も、少なくとも紀元前1500年前のエジプト文明の頃には既に確立されていました。
中世、カラーガラスは主に宗教的な目的に用いられました。
例えば聖骨箱や聖書に飾られました。
非宗教的な用途としては、例外的に子供のジュエリー、そして葬儀用のジュエリーにも使われました。
吹きガラスとは、ガラス工芸の技術のひとつで、高温溶融されたガラスを、吹き竿に巻き取って、息を吹き込んで成形するガラス工芸技法のことです。
その起源は紀元前1世紀まで遡ります。
東地中海沿岸のフェニキア人が発明しました。
吹きガラス製法は古代ローマの時代からほとんど変わっていません。
イギリスやフランスでは18世紀に、ロココスタイルの仕上げとして登場した吹きガラスが登場します。
「もっとも上質なフェイクパール」として敬意をこめて「ローマの真珠」と呼ばれることがあります。
海外資料より抜粋。今回のピアスで使われている吹きガラスの光沢によく似ている「18世紀ロココ様式の吹きガラスのピアス」です。
吹きガラスの表面に、魚の鱗から取った光沢材をコーティングして、独特の光沢を出したそうです。
そしてこの吹きガラス技法が再び脚光を浴びるのが、19世紀末になってからです。
この時代、アールヌーボーの作家など数多くの宝飾家が再び「ガラス」とという素材に注目をして、ガラス素材の高級ジュエリーを生み出します。
そして20世紀初頭には、著名なガラス工芸家のルネラリックが、吹きガラス技法を駆使して、数々の香水ビンを作り伝説となります。
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