マーガレットのネックレス(デイジー、バロック真珠、アールヌーボー)

自然の移ろいを表現したアールヌーボーのジュエリー 1890年頃のフランス製。
典型的なアールヌーボー期のゴールドネックレスです。
モチーフは西洋菊であるヒナギク(デイジー)。
「アールヌーボーのジュエリー」というと時々「もっとごってとくねくねした曲線」をご想像される方がいますが、本来のアールヌーボーらしさというのは生命感、躍動感、そこに伴う儚さにあります。
本物の優れたアールヌーボーは、案外すっきりとしたラインで、自然を表現しています。
そこから移ろいとかはかなさを表現できるかが、そのジュエリーを作った職人の力量なのです。
重なり合うヒナギク(デイジー)をゴールドだけで表現 ブーケのようにネックレスの中心部から花びらがのびています。
ゴールドの線でできた細い茎に、アールヌーボー特有の儚さの美意識が感じられます。
ヒナギク(デイジー)の花びらは幾つも重ね合わせており、この重なり合った花びらが印象的です。
花びらはどれも金細工だけで写実的に作り上げ、それを立体的に重ね合わせて、花びらが重なった様子を表しているのです。
数箇所に入れられた天然真珠も、自然界の儚い美しさを巧みに表現しています。
特に中心の垂れるバロック真珠は、絵画で言うところの最後の一筆。
この真珠があることで、ネックレス全体が完璧に調和が取れたものになる、そんな仕上げの一粒です。
地金はすべて18Kゴールド。
長さは44.5センチ(短くすることは有料で可)。

  • 幅:445mm 
    重量:7.6g
  • 販売価格:216,000円(税込み)

マーガレットのネックレス(デイジー、バロック真珠、アールヌーボー)

世界にひとつだけの一点もの

  • 「左右に西洋菊、下部に真珠」潔い構図の取り方に当時の作家性を感じます
  • 首元で、他のネックレスにはない、独特のラインを描きます
  • 花びらの金細工が非常に細かく造形的。重なっているところも素晴らしいです
  • 最後にこのバロック真珠を垂らしているところが、日本の美意識につながる粋です
  • 裏面の凹凸から、花びらは立体的に工夫されて置かれてることが分かります
  • マーガレットのネックレス(デイジー、バロック真珠、アールヌーボー)
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マーガレットのネックレス(デイジー、バロック真珠、アールヌーボー)

[通販価格:税込] 216,000円 (送料について)

アンティークエピソード[Antique episode]

アールヌーボー(アールヌーヴォー)のアンティークジュエリー

しなやかな曲線と自然への感性。
日本でも人気の高いアールヌーヴォー様式ですが、その「本質」は意外に知られていません。
アールヌーヴォーは19世紀末(1900年前後)、あらゆる芸術領域を席捲した装飾様式です。
ジュエリーの世界でアールヌーボーは、「貴石をシンメトリーにセッティングした従来のジュエリー作り」から「宝石的価値ではなく色によって選別した石を、美しく彫金されたゴールドにニュアンスカラーのエナメルと共にセットしたジュエリー」への脱皮をもたしました。

アールヌーボーと言うと柔らかな曲線から「ロマンチックな自然主義」と言うイメージが強いことでしょう。
しかしその根底には世紀末ならではの「デカダンス」があります。
溢れんばかりに花をつけた枝や、豊かに広がりうねる長い髪といったアールヌーボーの典型的な図柄の裏には、自然の残酷さや死が念頭にありました。

ジュエリー界でもっとも早く「アールヌーボー」の言葉を使い出したのは、ルネ・ラリック(Rene Lalique)。
下記は1902年にイギリスで発行された「Magazine of Art」に掲載されたルネラリックのジュエリーデッサンです。
女性の顔と睡蓮が描かれたペンダントのデッサンですが、この頃はまだルネラリックはロンドンでは広くは知られていませんでした。

アールヌーボールネラリック

ルネラリックは蝶やパンジー、スイートピーと言った一般的なジュエリーモチーフのみならず、イチジク、キリギリス、蛇、スズメバチといったこれまでにないモチーフも好んで描きました。

下記は1895年にルネラリックが娘のために製作したエナメルの蝶のブローチ。
横幅9センチととても大きな作品です。
この作品は2014年9月に開催されたアンティークビエンナーレ(2年に一度パリで開催)に出展されています。

アールヌーボールネラリック

1900年のパリ万博では、ルネラリック、メゾン・ヴェヴェール(Maison Vever/ヴェヴェール工房)、ルシアン・ガリヤール(Lucien Gaillard)の3人がジュエリー部門でグランプリを獲得します。
下記は1900年頃に製作された、ルシアンガリヤールの青い鳥の髪飾り。
鼈甲とプリカジュールエナメル、目の部分にダイヤモンドが入れられています。
アールヌーボーは東洋の美意識、特に日本の芸術に強い影響を受けましたが、この作品は私たち日本人が見ても、日本的な美を感じる作品ですね。

ルシアンガリヤール

この万博では、ジョルジュ・フーケ(Georges Fouquet)とウジェーヌ・フィアートル(Eugene Feuillatre)が金賞を受賞しました。
ジョルジュ・フーケは1898年にランの花をモチーフにしたジュエリーでアールヌーボーの作品を初めて手がけます。
そしてポスターアーティストのアルフォンス・ミュシャと一緒に、いくつものプレートをチェーンでつなげたジュエリーを発表します。
下記は1900年にアルフォンスミュシャがジョルジュフーケの宝飾店の内装です。
ステンドグラスやモザイクタイルの装飾等、ミュシャがポスターの中で描いたアールヌーボーのテーマや曲線が再現されています。
今日、このインテリアショップの内装は、パリのカーナヴァル美術館で見ることが出来ます。

アールヌーボー、ミュシャ

また同年代のジュエラーの中でルネラリックと並び賞賛を浴びていたのが、ベルギーのジュエラーであるフィリップ・ウォルファー(Philippe Wolfers)です。

アールヌーボーは高価な宝石より、色によって宝石を選別したことは先にも述べましたが、それ以外の素材として愛されたのがエナメル。
特にプリカジュールエナメルでニュアンスカラーを出します。
そして忘れてならないのは、鼈甲やホーン(羊やヤギなどの動物の角を彫刻 して使いました)などの自然素材です。
例えば下記は当店で販売済みの、ホーン製のペンダントです。

ホーン製マーガレットペンダント(アールヌーボー、マーガレット)

花や昆虫などを、その生命を、ホーンを削り、染色し、彫刻を施すことで描いたアールヌーボーのジュエラーたち。
こうした自然素材は宝石のような素材そのものの希少性というより、当時のジュエラーのみなぎるような創造の力、そして技術を感じられるところに価値があります。

ところでアールヌーボーは19世紀末に栄えた芸術活動ということで、1890-1900年頃がその最盛期であったというのが定説ですが、近年ではジュエリーの世界では1860年頃からアールヌーボーの兆しがあったと解く専門家が出てきています。
もちろん1860年頃に作られたジュエリーが全てアールヌーボー様式かと言えばまったくそんなことはありません。
日本よりはもちろん充実しているものの、フランスでもジュエリー史の文献はそれほど十分ではありません。
最終的にはそのあたりは文学を初め、その他の分野の文献等で初めて明らかになっていくことが多いようです。
ということは更にいろいろなことが分かってくる可能性も秘めており、これからますます多くのことが分かっていくと楽しいですね。

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