宝飾店のオリジナルケース付き アンティークピン
鮮やかな赤と青のレザーケースに、その中身のジュエリーへの期待が膨らみます。
この形のケースは、ボート旗(ボートフラグ)です。
中を開けると「Beaudoin Massin」という宝飾店の製作であることが分かります。
Beaudoin Massinは1900年頃に隆盛を迎えていたフランスの高級宝飾店で、パリ万博(1900年)でその名が知られます。
歴史的に名前を残したジュエラーのこのようなオリジナルケース付きジュエリーは滅多にであることがなく、一度オークションにかかると価格が暴騰してしまいます。
今回懇意にしているディーラーさんから譲って頂けて、幸運でした。
Beaudoin Massinはパリだけでなくフランスのノルマンディ地方の Deauville(ドーヴィル)に居を構えていました。
ドーヴィルは19世紀からリゾート地として整備が始まり、1860年代には皇帝ナポレオン3世が訪問、貴族らがこぞって保養に訪れる豊かな街でした。
ローズカットダイヤモンドと天然パールの上品なベルエポック時代のピン
全体がイエローゴールドで、フェイス部分のみがホワイトゴールドになっています。
星をモチーフにした透かしを多用したデザインで、繊細なミルグレインが、台座の縁にぎっしりと施されています。
星の中心にセットされているのはいずれもダイヤモンドでローズカットにされています。
透明感のあるダイヤモンドでぴったりと星型の台座に丁寧にセットされているところにも、この時代らしい緻密な技術です。
真珠は艶のあるとても美しい天然パールで、貴族的な洗練の極みです。
大きなジュエリーではないですがすべての要素が完璧な、フランスベルエポック時代のジュエリーの見本のようなピン。
1910年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
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アンティークジュエリーでは良質なものが豊富に見つかるのに、現代ジュエリーで良いものが作られなくなってしまったものの一つがピン類です。
昔の肖像画を見たことがある人なら思い出すでしょう、主に男性の王侯貴族の胸元には非常に数多くのピンが挿されています。
アンティークジュエリーで見つかるピンには実に色々な素材の、贅を凝らしたピンを見つけることが出来ます。
ゴールドでできたアンティークピン、ダイヤモンドやガーネットなどの宝石がモチーフ部分に入れ込まれたもの等々。
下記は当店で販売済みのスティックピン。
サファイヤやシトリンなどの色石が用いられているケースもよくあります。
下記は下記はやはり当店で販売済みのアンティークピンで、珍しいノルマンディー地方のピンです。
下記は何とメレリオディメレー(MELLERIO dits MELLER)のアンティークピンです。
ケースまで残ったシェルシュミディとしても記念に残るピンです。
アンティークピンはなぜか今でも比較的オリジナルケースが残ったものがまだ見つかりやすいのも嬉しいところです。
以前お客様から「18世紀のストマッカーやブローチ(正確には洋服に縫い付けたものだと思いますが)は見たことがありますが、ピンブローチは見たことがありません。
18世紀からあったものですか?」といったご質問を頂きました。
答えはYESです、ただしアンティークピンは男性が胸元に着けることがほとんどでした。
女性の肖像画では見られないですから、これはとても良いご質問ですね。
アンティークピンは装飾の凝ったものが多いですから、現代ではむしろ女性のジュエリーとしてお薦めです。
ピンは突き刺さりそうで怖いと言った方には、発送時にシリコンのストッパーを同封させていただきます。(これは現代ものです)
アンティークピンの先端につけていただくことで、ピンがずれて胸元に刺さる心配がなくなりますし、紛失の心配もなくなりますので一石二鳥です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。