一粒の美しい天然パール
一粒の真珠が目を引くピンです。
ちょっと歪な形でそれでいて完璧に美しいこの真珠は、その形から明らかに天然パールと分かります。
色はオフホワイトで艶があり、大きさはそれほどないですが、美しい天然真珠の見本のような珠です。
よく見ますとピンにまっすぐにはセットされていないのですが、不思議なことにそれでちょうどバランスが取れています。
こうしたところに当時の職人さんの技術力だけでなく、優れた美意識が伝わってきます。
真珠は横幅が4ミリで縦幅が4.5ミリ。
ちょっと縦長の形をしています。
装飾は真珠だけ、でもその真珠が心を打つ美しさ。
さり気ない小粒のジュエリーですが、その清楚の佇まいは日本人の琴線に触れる作品だと思います。
アンティークピンはねらい目?
アンティークジュエリーで私が個人的に狙い目だと思っているのが、こうしたスティックピンです。
もともとこのようなピンは、クラバットピン(フランス語でクラバットはネクタイの意)として作られたものです。
指輪やピアスなどに比べてデザインの制約が少ないブローチやピン。
そしてピンはそのモチーフや装飾に手を掛けられたものが多いです。
一方でピンはそもそもが細身で小ぶりなところも、日本人の感性にあったものが見つかりやすいです。
良質なアンティークピンも昔と比べればそれなりに減ってきていますが、他のジュエリーに比べればまだ比較的リーズナブルに面白いものを見つけやすいです。
針部分は18カラットイエローゴールド。
19世紀後期のフランス製。
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アンティークジュエリーでは良質なものが豊富に見つかるのに、現代ジュエリーで良いものが作られなくなってしまったものの一つがピン類です。
昔の肖像画を見たことがある人なら思い出すでしょう、主に男性の王侯貴族の胸元には非常に数多くのピンが挿されています。
アンティークジュエリーで見つかるピンには実に色々な素材の、贅を凝らしたピンを見つけることが出来ます。
ゴールドでできたアンティークピン、ダイヤモンドやガーネットなどの宝石がモチーフ部分に入れ込まれたもの等々。
下記は当店で販売済みのスティックピン。
サファイヤやシトリンなどの色石が用いられているケースもよくあります。
下記は下記はやはり当店で販売済みのアンティークピンで、珍しいノルマンディー地方のピンです。
下記は何とメレリオディメレー(MELLERIO dits MELLER)のアンティークピンです。
ケースまで残ったシェルシュミディとしても記念に残るピンです。
アンティークピンはなぜか今でも比較的オリジナルケースが残ったものがまだ見つかりやすいのも嬉しいところです。
以前お客様から「18世紀のストマッカーやブローチ(正確には洋服に縫い付けたものだと思いますが)は見たことがありますが、ピンブローチは見たことがありません。
18世紀からあったものですか?」といったご質問を頂きました。
答えはYESです、ただしアンティークピンは男性が胸元に着けることがほとんどでした。
女性の肖像画では見られないですから、これはとても良いご質問ですね。
アンティークピンは装飾の凝ったものが多いですから、現代ではむしろ女性のジュエリーとしてお薦めです。
ピンは突き刺さりそうで怖いと言った方には、発送時にシリコンのストッパーを同封させていただきます。(これは現代ものです)
アンティークピンの先端につけていただくことで、ピンがずれて胸元に刺さる心配がなくなりますし、紛失の心配もなくなりますので一石二鳥です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。