2カラーゴールドのドルムーズピアス
年々見つけるのが困難になってきている、良質のドルムーズピアス。
耳たぶの後ろから針を差す、英語では「スリーパーズ」と呼ばれるタイプのピアスです。
小さめで軽量、ドルムーズピアスの王道の作品です。
ドルムーズは基本的にフランスで作られたアンティークジュエリーです。
イギリスなど他の国のアンティークジュエリーで見ないということもあり、近年ではこのような小ぶりで愛らしいピアスが、愛らしくない値段になってきてしまっています。
久しぶりに懇意にして入うディーラーさんで昔価格で譲っていただけました。
全体は少しローズを帯びた明るめのイエローゴールドで、一部ホワイトゴールドになっています。
コンパクトな表面積の中に2つのゴールドの色が入っていて、肌なじみもよく色々なお洋服に合わせて頂けると思います。
アールデコ様式の幾何学デザイン
アールデコ様式のピアスです。
全体はトライアングル。
ホワイトゴールドの部分もひと回り小さなトライアングルになっています。
更には、トライアングルの内側に、更にミルグレインでもう一回り小さなトライアングル(三角)を描いています。
限られた面積の中で何と、3重にトライアングルが展開しているのです。
針をロックする留め具は丸く、幾何学模様を組み合わせたようなシルエットが都会的です。
ホワイトゴールドのトライアングルの内側には、粒金が細かく施されています。
一見ダイヤモンドがセットされているように見えますが、粒金の細工の妙です。
このホワイトゴールドのトライアングルの内側は2重のトライアングルにぎっしりとミルグレインが施されています。
更にその内側に粒金が施されていて、凝縮したような密な細工が魅力的です。
1920年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
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アンティークピアスをその留め具の種類から分別すると、大きく5種類に分かれます。
ドルムーズ(英語では「スリーパーズ」)
針を耳たぶの後ろから前にとし、耳たぶに固着するタイプのピアスの呼称です。
「眠る=ドルミール」という意味のフランス語から派生しています。
かつて赤ちゃんを抱く必要のある乳母が着けたといいます。
慣れるまで少し装着が難しいと感じる人が多いようですが、一度着けてしまえば邪魔にならず眠ってしまっても痛くならない重宝なピアスです。
アンティークらしい愛らしい(小ぶりなことが多いです)シルエットやデザインも魅力的で、まさにアンティークピアスならではの愛らしいピアスです。
下記は当店で販売済みの「天然真珠アンティークドルムーズピアス」
装着がスムーズに行かないときは、ドルムーズは針を下に押して開閉するのですが、その部分が硬くて着けにくくなってしまっているケースが多いです。
これは長い年月使われている間に、歪みが出てしまい開けにくくなってしまっているのです。
当店では販売前に提携工房で、こうした部分の調整を行ってからお出ししています。
現代のピアスと同じよう、前に針を通して後ろで金具を留めるタイプのピアス
下記のようなアンティークピアスでも比較的よく見るタイプのピアスです。
アメリカンピアス
フープ状になった針を前から後ろへ突き刺して、そのまま突き刺しただけのピアス。
現代では「アメリカンピアス」とも呼びます。
下記のようなピアスです。
上記のドルムーズピアスなどが着けづらいといった理由で、直されて流通しているケースも多いです。
スタッドピアス
スクリュー式のピアスのことで、アンティークピアスでは留め具の左右のギザギザを、左右同時に押すことで開閉するタイプのものが多いです。
この留め具はかつて、アメリカのある会社が特許を持っていたそうです。
確かにアンティークのスタッドピアスはフランス製のものでも、いつも同じアメリカの会社の刻印が留め具部分に入っています。
クレオールピアス(フープピアス)
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純にこのようなピアスモデルを指します。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスのことを指します。
クレオールピアスについての詳しい説明はクレオールのアンティークピアス をご参照ください。
どのタイプのアンティークピアスが良いかはお好みによりますが、「ドルムーズピアス」は慣れるまで着けにくいですが、装着していて取れにくいと言う利点があります。
またいかにもアンティークと言った愛らしいデザインも魅力的です。
「フープピアス」は針が太すぎたり、ピアスのモチーフ部分の角度を調整したい時などに一番調整が楽に出来るタイプのピアスです。
例えばドルムーズタイプのピアスがどうしても着けにくいといった場合にも、フープタイプのピアスへの作り変えは比較的容易です。
ただし当店ではあらかじめお客様からの要望がない限り、あるいはおことわりなくピアスを加工して販売するといったことはないです。
業界でよく行われているのが、2つで1組のアンティークピアスを2つのペンダントに加工して、「元々ペンダントでした」と販売をしてしまうというもの。
私はアンティークピアスが大好きということもあり、こうしたことを見ると残念でなりません。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。