ものすごく美しい天然真珠です
1820年頃のフランス製。
真珠は同じ19世紀でもやはり前半のほうが上質のものが多いのですが、その例に漏れず大変美しい天然真珠が使われています。
内側から拡散していくような艶は、真珠層が幾重にも重なって出来ている良質な天然真珠ならでは。
この深く、一様ではないイリデッセンスが天然真珠ならではです。
直径4ミリ程。
ピアス自体が小ぶりな割りに大粒です。
真珠はほぼ真円(しかしよく見ると完全な真円でないところも天然の魅力です)で、仄かにクリームを帯びたオフホワイトのとても美しい色です。
爪がなく、真珠だけを味わえる贅沢
アンティークの真珠ピアスは、爪で真珠が留められたものが多いのですが、このピアスは台座から針を通して留められているようで、いわゆる「爪」がありません。
そのため真珠がまるで宙を浮いているように、真珠丸ごと味わうことができます。
これだけの美しい真珠なので、工夫を凝らして真珠だけを味わえるようにしたのでしょう。
余計な遮りが一切なく、真珠だけを味わうことが出来る贅沢な作りです。
真珠の上には小さなダイヤモンドがポイントでセットされています。
ダイヤモンドはローズカットされて、この部分だけ台座がホワイトゴールドになっています。
地金は18Kゴールドで、ややローズ帯びた明るいイエローゴールドです。
このピアスは「ドルムーズ」と言って、耳たぶの後ろから針を通して前で留める仕組みになっています。
慣れるまで難しいとおっしゃられる方もいますが、留め具のところが硬くないのでドルムーズとしてはとても留めやすいと思います。
有料にはなりますが、現代のピアスのように前から通すタイプへと変更することも可能です。
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真珠の良さを本当に理解できるようになるには、やはり良質な真珠を出来るだけたくさん見ることです。
その良いサンプルとなるのは、アンティークジュエリーの中でピアスやネックレス等、複数の真珠が使われているジュエリーです。
その真珠の照り、色、巻き。
また天然真珠は一見真円に見えても、よく見るとわずかに歪んでいることが多いです。
そしてその歪みは1粒ずつ異なることが多いのです。
左右で1対を成すピアスの場合、よく見るとその形が微妙に異なることが多く、天然真珠の特徴を掴みやすいです。
下記は当店で販売済みの天然真珠のピアス。
この手の、真珠の周りに台座や爪などの遮りのないタイプのピアスが一番、見やすいサンプルです。
真珠はダイヤモンド等と一緒に用いられることも多く、その場合このような比較的小ぶりの天然真珠が用いられていることも多いです。
天然真珠は、一粒ずつ微妙に色の拡散の仕方が異なることが多いです。
同じ系統の色合いで揃っていても天然のものなので、内側から出る照り、色の拡散の仕方がそれぞれ異なります。
これは、天然真珠の大きな特徴です。
現代ジュエリーですとそれはむしろマイナスポイントなのかもしれませんが、天然真珠の場合、ある意味当然なのでマイナス要因ではなくむしろ味わいです。
一方、初期の頃の養殖真珠も天然パールとは別に評価が上がってきています。
下記は当店扱いの20世紀初頭の養殖真珠のピアスです。
美しい照りと巻きを持ったボリュームある真円の養殖真珠が用いられています。
小粒のことが多い天然真珠にはない魅力があります。
粒が揃っていて大きさもあるので小粒な天然真珠よりは価格としてはむしろ高くつくこともあります。
下記もアンティークならではの面白いピアスです。
一面に敷き詰められているのは何とマザーオブパールです。
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