真珠周りがオープンになったピアスは久しぶりに入手します
天然パールを使ったピアスはアンティークジュエリーの中でも珍しく、特に真珠が主役になったものはとても少ないです。
多くの場合、もっと小粒の真珠が脇石として用いられていて、大きさのある天然パールそのものを主役にした作品は当店としてもこちらでようやく3点目です。
ぱっと見たところ真円に見えますが、正面から見てもかなり楕円形に近い形をした真珠です。
天然真珠ならではの石の内側から放たれるイリッデンスが素晴らしく、こっくりとした艶があります。
天然真珠は真珠層が何層にも重なって出来ているため絹のようなこっくりとした艶が出るのですが、実際にそれを感じることの出来る真珠は少ないです。
真珠の周りに台座や爪などの遮りがないセッティングが実に綺麗です。
ピアスであれ指輪であれ、アンティークジュエリーで本当に美しい真珠はこのようなセッティングにされることが多いです。
それが一番、真珠の美しさを引き立てるからです。
危なっかしく見えるかもしれませんが、後ろから針を刺し裏側でカップ状の台座にしっかり入っているので堅牢です。
工房印にシリアルナンバー入り
ダイヤモンドはローズカットにされています。
メイン石の上にセットされるダイヤモンドは極小のことが多いですが、このピアスではピアス自体が小ぶりなわりにずいぶんと大きさのあるダイヤモンドが用いられています。
直径3ミリ近くあり透明度も高い石が使われているので、遠くから見てもダイヤモンドのきらりとした煌きが見えます。
また非常に小さなジュエリーですがフランス18金の刻印以外に工房印と、シリアル番号3113が入っています。
シリアル番号は何かといいますと宝飾店が管理のためにつけた番号です。
例えばカルティエの作品などにも入っています。
どこのメゾンかはこのピアスの場合はっきりしませんが(当時の多くの宝飾店は一部のカルティエなどの有名店を除けばなくなってしまっているのも事実です)、きちんとした宝飾店が製作したということが分かります。
ジュエリーの製作の中心が宝飾店に移っていくのは19世紀後期以降。
1900年以前の作品でシリアル番号が入ったジュエリーはまずないです。
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真珠の良さを本当に理解できるようになるには、やはり良質な真珠を出来るだけたくさん見ることです。
その良いサンプルとなるのは、アンティークジュエリーの中でピアスやネックレス等、複数の真珠が使われているジュエリーです。
その真珠の照り、色、巻き。
また天然真珠は一見真円に見えても、よく見るとわずかに歪んでいることが多いです。
そしてその歪みは1粒ずつ異なることが多いのです。
左右で1対を成すピアスの場合、よく見るとその形が微妙に異なることが多く、天然真珠の特徴を掴みやすいです。
下記は当店で販売済みの天然真珠のピアス。
この手の、真珠の周りに台座や爪などの遮りのないタイプのピアスが一番、見やすいサンプルです。
真珠はダイヤモンド等と一緒に用いられることも多く、その場合このような比較的小ぶりの天然真珠が用いられていることも多いです。
天然真珠は、一粒ずつ微妙に色の拡散の仕方が異なることが多いです。
同じ系統の色合いで揃っていても天然のものなので、内側から出る照り、色の拡散の仕方がそれぞれ異なります。
これは、天然真珠の大きな特徴です。
現代ジュエリーですとそれはむしろマイナスポイントなのかもしれませんが、天然真珠の場合、ある意味当然なのでマイナス要因ではなくむしろ味わいです。
一方、初期の頃の養殖真珠も天然パールとは別に評価が上がってきています。
下記は当店扱いの20世紀初頭の養殖真珠のピアスです。
美しい照りと巻きを持ったボリュームある真円の養殖真珠が用いられています。
小粒のことが多い天然真珠にはない魅力があります。
粒が揃っていて大きさもあるので小粒な天然真珠よりは価格としてはむしろ高くつくこともあります。
下記もアンティークならではの面白いピアスです。
一面に敷き詰められているのは何とマザーオブパールです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。