フランスの海外領土が生み出したピアス
1860年頃のフランス製。
「クレオール」と呼ばれるピアスで、フランスの海外領土(クレオール文化)が発祥のピアスです。
もともとマルティニークやレユニオン諸島などの女性がこうしたデザインのピアスを身に着けていて、それが19世紀にフランス本土にもたらされ、パリの女性に人気を博しました。
自然豊かな海外領土固有の文化が、パリでより洗練されて美しいジュエリーに昇華しました。
ちょっと「耳輪」を想わせる、土着の温もりを感じさせる、愛らしいデザインのピアスです。
細かな細工がシンプルなデザインを活かしています
一見シンプルに見えますが、ハンドメイドならではの金細工が見事です。
特にピアスの両面には、ゴールドで細かなファセットが付けられていて、そのお陰でシンプルなデザインなのにとても立体感が出ています。
また下に行くほどピアスに厚みがでていて、上に行くほどピアスが細くなっています。
そのなだらかな優しいカーブが、ほのぼのとしたクレオールの文化に私たちを誘います。
針を耳たぶの前から刺しても、後ろから刺しても両方使えるところも便利です。
地金は18Kゴールドで、柔らかく明るい美しいアンティークゴールドです。
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クレオールとは元来、アンティル、ギニア、レユニオン諸島など、本国ではなく中南米やカリブ海の植民地生まれの植民地生まれのヨーロッパ人のことを指します。
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
クレオールはやがてもっと広く、その習慣や言語も指すようになります。
そこから転じて、「混じり合って劣化した、濁った、不純な、どっちつかずの、固有性を欠いたもの」とした意味合いとともに用いられることもあり、クレオール性とは「文化的諸要素の混在」のことを言うこともあります。
80年代に、マルティニク島出身のグリッサン、コンフィアン、シャモワゾーらの運動により、文化的な意味でクレオールが注目を集めるようになりました。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純に下記のようなデザインのピアスを指します。
下記はもう少しフープの大きなクレオールピアス。
こちらも当店にて販売済み。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスです。
これらのクレオールピアスは、自然の恵み豊かな大らかな印象を与えるようで、フランスでは特に夏の避暑地、バカンスのときにつけるジュエリーとして今も変わらぬ人気を誇っています。
元々こうしたフランス海外圏で伝統的に作られたちょっと耳輪のようなデザインのピアスが、フランス本国にもたらされ、このような垢抜けたデザインのクレオールピアスが作られました。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。