コレクター垂涎ミシシッピパール
一目見れば目がはなせない、独特の形のアンティーク真珠。
アンティークジュエリーで「ミシシッピ真珠(Mississippi pearl)」という名前で知られる真珠です。
アメリカ南部のミシシッピ川に生息する真珠で、二枚貝から偶然採れた天然真珠です。
その形が羽のようなのでその独特な形状が「フェザーパール」とも呼ばれます。
アンティークジュエリーでは特に19世紀後期-1900年頃にかけて、その独特の形状から多くのジュエラーを魅了し個性的な作品が作られました。
このピアスもミシシッピ真珠が左右それぞれ7粒、まるで羽のように垂れる一目見たら忘れられない個性的なデザインのピアスです。
このピアスはまずこの「細長いユニークな形の真珠」があって、その独特の形の真珠を最大に生かすべくデザインが考えられたのでしょう。
こうした細長い真珠は、様々な形状が見られるアンティーク真珠の中でもミシシッピ真珠ぐらいです。
耳元から段違いに縦ラインが伸びて、かっこいいです。
お揃いのペンダントが二点あります
このピアス、何とセットのペンダントが2つあります。
同じ形状のミシシッピ真珠で、セットで作られたジュエリーであることが一目瞭然です。
もちろんバラバラに販売することも可能ですが、ぜひペンダントもあわせてご検討ください。
これだけ多くの真珠を用いながら「真珠xゴールド」だけで色彩的にはすっきりしているので、端正に上品に収まっているところも良いです。
実際に身に着けたときに、より着け映えのするジュエリーです。
耳元に長く垂れるロングピアスでありながらも、スタッドタイプの留め具で耳元はフィットします。
オリジナルのキャッチもとても良い状態で、キャッチは左右の凸部分を同時に押すことで開閉できます。
このピアスキャッチは、20世紀初頭のスタッドタイプのピアスの典型です。
キャッチ部分にはフランスの刻印の他、英語の表記も入っています。
これはアメリカの会社がこの独特の開閉をするキャッチの特許を持っていたからです。
20世紀初頭のフランス製。
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真珠には天然真珠、養殖真珠という区分け以外にも産地や組成などにより、たくさんの呼称があります。
アンティークジュエリーでよく出てくる代表的な真珠の呼称をまとめると以下のようになります。
バロック真珠
形成される段階で偶然に変形した歪んだパールのことです。
真珠が形成される初期段階で、核の周りに異物が付着し、そのまま形成されて変形が生じるためであるといわれています。
自然の中での偶然の結果なので、この世に二つと同じ形は存在しないという、魅力があります。
現在では、市場でまわる真珠のほとんどが養殖真珠であるため、皆無になってしまいました。
アンティークジュエリーでは、ルネッサンスの頃から好まれて使用されて、19世紀末頃までのジュエリーに見ることができます。
マベ真珠
母貝をマベ貝とする真珠のことです。
アンティークジュエリーにおいても珍しいですが、時々出てきます。
現代ではマベ真珠はほぼ全てが養殖で、天然のものは皆無ですが、当時はもちろんそんな技術はなく天然です。
養殖の技術は1970年代にTASAKIが開発しました。
貝殻の内側に人口の核や樹脂を貼り付けて、養殖します。
ですので現在ではマベパールは高いイメージがないかもしれませんが天然のマベ貝はまず母貝であるマベ貝の絶対量が少ないこと。
そして激しい潮流の中で生息しているため、小さな異物が入っても体外にすぐに出してしい、他の貝のよりもずっと真珠が出来にくいことで大変希少価値があります。
指輪のマベ真珠には色々な形があります。
そして半球体です。
何ともいえない美しい照りがあり、お探しのコレクターの方も多いです。
シードパール(芥子真珠)
アンティークジュエリーで見られる極小の真珠のことです。
アンティークジュエリーでは時には1ミリにも満たないようなシードパールをネックレスなどに用いていました。
もちろんアンティークジュエリーで使われているシードパールは全て天然真珠になります。
かつて天然真珠は、剥いた貝の身を桶に集めて炎天下に置き、腐敗してどろどろになった頃を見計らって海水で洗い流し、溜まった真珠を取るといったやり方で採集されていました。
そのため大粒の真珠はもとより、小粒のものも確実に集めることができたのです。
そのようにして採取されたシードパールがヨーロッパに渡り、細工を施されてさまざまなシードパールジュエリーが作られました。
シードパールジュエリーは、19世紀のヨーロッパで黄金期を迎えます。
ケシ真珠に穴を明けて細い糸を通し(真珠が小さいだけにきわめて難易度の高い作業です)、マザーオブパールの台座に縫いつけてネックレスにされたり、ゴールドの線を通してペンダントやブローチにされたりしました。
1つのネックレスを作るのに、時には1000粒以上のシードパールが使われれたこともあります。
真珠の価値としましては昔の天然真珠であってもこれほど小さな真珠は単体では、それほど大きな価値は持ちません。
しかしたくさんの芥子真珠をあしらったものはやはりとても希少で、また真珠の数が増えれば増えるほど膨大な手作業を要します。
その作品に対して高い価値が認められています。
淡水真珠
アンティークジュエリーでも淡水パールを使ったジュエリー(主に1920年代以降のコスチュームジュエリー)は時々見られます。
淡水真珠とは海で採れる真珠ではなく、湖や川で採れる真珠のことです。
天然真珠は人工的ではなく自然に異物が貝に入り込み、そこから時間をかけて真珠層が形成されるため石のほとんどすべてが真珠層でできているのですが、淡水真珠も100パーセント真珠層で作られています。
価格的には海の天然真珠にかないませんが、それでも昔の淡水真珠は真珠層が厚く光沢もよく、現代の淡水真珠と比べ物にならないほど美しいです。
時に海の天然真珠と見分けが困難なほどですが、淡水真珠のほうがフラットな輝きであることが多く、隣において見比べますと分かりやすいです。
コスチュームの淡水真珠のアンティークジュエリーは価値的には真珠そのものにあるというより、その時代を反映したデザインや細工の面白さなどが魅力です。
ミシシッピ真珠
淡水真珠の一つでアンティークジュエリーで知られた真珠に「ミシシッピ真珠」があります。
ミシシッピパールは、ミシシッピ川に生息する川真珠貝の二枚貝から偶然採れた天然真珠です。
その形が羽のようなので「フェザーパール」とも呼ばれます。
その独特の形状から多くのジュエラーを魅了し、素晴らしい品を後世に残しています。
下記は当店で扱いのミシシッピパールのピアス。
マザーオブパール
日本語では真珠母貝で、その名の通り真珠を産み出す貝のことです。
現在真珠の母貝として使用されているものは、白蝶貝・黒蝶貝・茶蝶貝・あこや貝・淡水真珠貝・コンク貝等。
マザーオブパールという名前そのものは、複数の貝を指しますが、アンティークジュエリーで出てくるのはほとんどが白蝶貝のマザーオブパールです。
フランスでも古くから重用されて、扇の骨部分やオペラグラス、ジュエリーケースなどに用いられてきました。
しかしジュエリーに用いられたのはほんの少しです。
南洋真珠
オフホワイトやクリーム色以外のブラックパールなどの色の付いた真珠は、1845年頃から出始めます。
この南洋真珠をスターダムに押し上げたのがフランス皇帝ナポレオン3世の妻ウジェニー・ド・モンティジョ(Eugenie de Montijo)です。
特に美しい黒色の南洋真珠は、クロチョウガイ(黒蝶真珠)と呼ばれます。
クロチョウガイはアコヤガイ、シロチョウガイと同じウグイスガイ科の二枚貝で、赤道を中心とする南北約30度以内の暖かい地域に生息します。
生息最適水温は24-29度ぐらいで、18度では成長がとまり、11-12度になると死んでしまうデリケートな真珠です。
クロチョウガイには多くの変種があり、その仲間はペルシャ湾、西インド洋、沖縄、ミクロネシア、ポリネシア、カリフォルニア湾へ分布しています。
フランスのアンティークジュエリーで度々目にするのが、フランス領ポリネシア地域のクロチョウガイです。
タヒチを中心にするエリアでもあることからよく「タヒチ真珠」とか「南洋真珠」とも呼ばれることがあります。
現在ではタヒチのクロチョウガイも養殖が多くなっており、他の真珠を染色処理し、黒真珠と呼んでいるものもあります。
黒色真珠の養殖は白色の真珠の養殖よりも更に後年になり、アンティークジュエリーで見られる南洋真珠は取り替えられていない限り天然真珠が使われています。
「ブラックパール」と言っても、黒、緑、グレーを帯びたものなどニュアンスはさまざまです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。