フランスアンティークジュエリーの王道を行くダイヤモンドゴールドピアス
皆様から多くのご要望を頂く、このようなダイヤモンドのピアス。
特にこのピアスのように比較的コンパクトで耳にフィットする「ダイヤモンドピアス」は、フランスアンティークジュエリーの定番です。
少しずつデザインは違うもののいずれも19世紀後期-20世紀初頭に作られた、金細工の美しいこのタイプのピアスは、フランスのアンティークジュエリーの十八番です。
基本的にはフランスで作られたものがほとんどです。
私がこの仕事を始めた15年以上前にはアンティーク市場で頻繁に見つけることができたのですが、年々年を追うごとに少なくなってきています。
ダイヤモンドはローズカットにされています。
ダイヤモンドは直径3ミリ弱。
台座に深く埋め込まれるようにセットされていますので大きい!といった感じはしないと思いますが、小さくはない大きさです。
星と三つ葉の台座、フルールドリスの台座
凝縮したように狭い面積にぎっしりと施された細工が愛らしいピアスです。
全体は18カラットイエローゴールドでダイヤモンドの周りのみがホワイトゴールドになっています。
ダイヤモンドの台座はお花のような星のような形になっています。
埋め込まれたダイヤモンドがキラキラと光る星のようです。
台座は透かしが細やかに多く入っています。
そして透かしの部分のモチーフはフルールドリス(百合の紋章)です。
更には上部の留め具へとつながる部分は三つ葉の形になっています。
そして3つの葉の一つずつにダイヤモンドがセットされています。
このようなタイプのピアスであってもこの部分は1つ石ですので、三つ葉であるところが特徴的で愛らしさが倍増しています。
どこを見ても愛らしい、フランスアンティークジュエリーの王道を行くピアスです。
19世紀後期-1900年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
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ローズカットダイヤモンドとは
ローズカットダイヤモンドは、ブリリアンカットが主流となっている現在においては珍しい存在で、「アンティークジュエリー」ならではの味わいのあるものとして人気があります。
ローズカットとは、底辺が平らでドーム上にもりあがった上部に三角形のファセットカットが施されたカッティングのことです。
表面に細かなファセットが入っていて、ダイヤモンドの上部にテーブル(平らな面)がなく、バラのつぼみが開いたように見えます。
ローズカットダイヤモンドの歴史
フランスでローズカットのダイヤモンドジュエリーは特に18世紀から19世紀半ばのジュエリーに見られますが、ブリリアンカットが19世紀半ばに登場してからも完全になくなるわけではなく、特に小さなダイヤモンドでは度々用いられ続けます。
ダイヤモンドのカッティングは大まかに言いますと
「ポイントカット→テーブルカット→ローズカット→ブリリアンカット」と変遷していきます。
ところでローズカットダイヤモンドはアンティークジュエリーの代名詞のように語られることが多いですが、現代でもカッティングそのものは可能です。
「ローズカットダイヤモンドだから必ずしもアンティークジュエリー」とは限らないということぜひ気に留めておかれてください。
ローズカットダイヤモンドは煌めかない?
またローズカットダイヤモンドはブリリアンカットのように「どこから見ても輝くよう計算されたカッティング技法」ではありませんので「ローズカットダイヤモンドは光らない」とおっしゃる方もいます。
しかし良質なローズカットダイヤモンドは控えめな輝きながらも、綺麗に煌きます。
下記は当店で販売済みの大粒のローズカットダイヤモンドのピアスですが、燦々と煌めくダイヤモンドが印象的です。
2種類のローズカット
また驚かれるかもしれませんが、一言で「アンティークダイヤモンドのローズカット」と言っても、実はローズカットも何種類かありそれぞれ異なります。
例えば下記は「ダッチローズカット(Holland cutting)」と呼ばれるものです。
ダッチローズカットは普通のローズカットよりカット面数が多く、ダッチローズカット・ダイヤモンドは、優れたカットの石が使われていることが多いです。
ちなみにその名前からも分るようにダッチローズカットはオランダで生まれましたが、オランダに限らずフランスなどのアンティークジュエリーでも見られます。
ダッチローズカットはよくローズカットの見本のように示されていますが、実際のアンティークジュエリーではもっとファセット面が少なく簡略化されたローズカット(「シンプルローズカット」と呼ばれることもあります)の方がむしろ多く見られます。
シンプルローズカット
他にも底がちょっと厚みがあるものとか、上部がドーム状にふくらんでいるもの等々、ローズカットも色々違いがあります。
ローズカットダイヤモンドの年代
ローズカットは主に17世紀半ばから19世紀半ばにかけてジュエリーに用いられます。
17世紀半ば以前はダイヤモンドはテーブルカットや原石に近いダイヤモンドが用いられており、1850年以降はオールドヨーロピアンカット(ブリリアンカットの一種)が登場します。
しかしながらその後も特に脇石などの小さめのダイヤモンドにはローズカットが施されることも多く、「ローズカット」と言うカッティングだけからそのジュエリー(あるいはダイヤモンド)の年代を特定することは難しいです。
下記は比較的後年の20世紀に入ってからのローズカットダイヤモンドのリングです。
ダイヤモンドのカッティングは年代を特定する大事な要素の一つには違いありません。
18世紀のローズカットと19世紀のローズカットには違いも見られます。
一般的に18世紀のローズカットのカッティングは19世紀のそれよりずっと平坦で、またダイヤモンドももっと中に黒い内包物の見られるものが多いです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。