小ぶりで軽量、着用しているのを忘れるドルムーズピアス
「ドルムーズ」と呼ばれる、耳たぶの後ろから針を挿すタイプのアンティークピアス。
重量が左右ペアで1グラムも満たないほど軽量なのに、この細やかで緻密な作り。
こうした小さいながら手のかけられたジュエリーこそ、アンティークジュエリーならではの醍醐味です。
元々乳母が着けたピアスから派生したと言われるドルムーズ。
これだけ軽くそして小ぶりなピアスですと、着けていることを忘れそうなぐらい楽な着け心地です。
ピアスのフェイス部分の横幅が7ミリ程の小さなピアスです。
2カラーゴールドで様々な装いにあわせることができます
全体がイエローゴールドで、ピアスのひし形になったフェイス部分の一部にホワイトゴールドが用いられています。
イエローゴールドの部分は通常のイエローゴールドより明るめの「ローズゴールド」と呼ばれる発色の良いゴールドです。
明るいトーンのゴールドが顔色を明るく見せてくれます。
ひし形になったモチーフの中心に縦にラインが通り、その真ん中に粒金が施されています。
上部の針を収める部分にはゴールドの粒金が施されていて、デザイン上のアクセントにもなっています。
スクエアと円形を組み合わせた幾何学的で線対称の飽きの来ないデザイン、丁寧な細工。
アンティークジュエリーの良さの詰まったピアスです。
1900年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークピアスをその留め具の種類から分別すると、大きく5種類に分かれます。
ドルムーズ(英語では「スリーパーズ」)
針を耳たぶの後ろから前にとし、耳たぶに固着するタイプのピアスの呼称です。
「眠る=ドルミール」という意味のフランス語から派生しています。
かつて赤ちゃんを抱く必要のある乳母が着けたといいます。
慣れるまで少し装着が難しいと感じる人が多いようですが、一度着けてしまえば邪魔にならず眠ってしまっても痛くならない重宝なピアスです。
アンティークらしい愛らしい(小ぶりなことが多いです)シルエットやデザインも魅力的で、まさにアンティークピアスならではの愛らしいピアスです。
下記は当店で販売済みの「天然真珠アンティークドルムーズピアス」
装着がスムーズに行かないときは、ドルムーズは針を下に押して開閉するのですが、その部分が硬くて着けにくくなってしまっているケースが多いです。
これは長い年月使われている間に、歪みが出てしまい開けにくくなってしまっているのです。
当店では販売前に提携工房で、こうした部分の調整を行ってからお出ししています。
現代のピアスと同じよう、前に針を通して後ろで金具を留めるタイプのピアス
下記のようなアンティークピアスでも比較的よく見るタイプのピアスです。
アメリカンピアス
フープ状になった針を前から後ろへ突き刺して、そのまま突き刺しただけのピアス。
現代では「アメリカンピアス」とも呼びます。
下記のようなピアスです。
上記のドルムーズピアスなどが着けづらいといった理由で、直されて流通しているケースも多いです。
スタッドピアス
スクリュー式のピアスのことで、アンティークピアスでは留め具の左右のギザギザを、左右同時に押すことで開閉するタイプのものが多いです。
この留め具はかつて、アメリカのある会社が特許を持っていたそうです。
確かにアンティークのスタッドピアスはフランス製のものでも、いつも同じアメリカの会社の刻印が留め具部分に入っています。
クレオールピアス(フープピアス)
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純にこのようなピアスモデルを指します。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスのことを指します。
クレオールピアスについての詳しい説明はクレオールのアンティークピアス をご参照ください。
どのタイプのアンティークピアスが良いかはお好みによりますが、「ドルムーズピアス」は慣れるまで着けにくいですが、装着していて取れにくいと言う利点があります。
またいかにもアンティークと言った愛らしいデザインも魅力的です。
「フープピアス」は針が太すぎたり、ピアスのモチーフ部分の角度を調整したい時などに一番調整が楽に出来るタイプのピアスです。
例えばドルムーズタイプのピアスがどうしても着けにくいといった場合にも、フープタイプのピアスへの作り変えは比較的容易です。
ただし当店ではあらかじめお客様からの要望がない限り、あるいはおことわりなくピアスを加工して販売するといったことはないです。
業界でよく行われているのが、2つで1組のアンティークピアスを2つのペンダントに加工して、「元々ペンダントでした」と販売をしてしまうというもの。
私はアンティークピアスが大好きということもあり、こうしたことを見ると残念でなりません。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。