アールデコの真髄を行くクールでスタイリッシュなバーブローチ
1920年頃のフランス製。
まさにアールデコといった、直線的で完成度の高いスタイリッシュなバーブローチです。
真珠とダイヤモンドが交互にセットされていますが、中心のダイヤモンドは直径4ミリ近く。
しかも内包物が一切なく素晴らしい煌きの美しいオールドヨーロピアンカットのダイヤモンドです。
横から見るとダイヤモンドがキューレットを含めて全体が見えるようになっています。
これは左右両端の一回り小さなダイヤモンドも同様です。
対照的に天然真珠は台座全体に、ぴったり据え付けられています。
一寸の隙もないこの真珠の独特のセッティングも、史上最高の宝飾技術を誇ったこの時代らしい、さり気なく高度な技術です。
オリジナルの箱に作家の署名、一流ジュエラーのジュエリー
何とオリジナルの箱がついていて、更に留め具のホワイトゴールドの部分に「SGDC」という署名が入れられています。
この時代の優れたジュエラーのジュエリーであることは間違いありません。
また6.5センチと横長のブローチの台座は、正面から見ると線のように細いです。
これはナイフエッジと呼ばれる、この時代に特に好まれた細工です。
ナイフエッジの効果で、まるで真珠とダイヤモンドが中空に浮いているように見える優雅な宝飾技術です。
留め具のところも凝っていて、まず針を留め具に入れて、それからキャッチャーでロックできて、更にそのキャッチャーの方向を変えることでキャッチャー自体をロックできる仕組みになっています。
地金は18Kゴールド。
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ナイフエッジとはナイフに例えた細工のことで、刃の面が鋭く細く、手を当てる側が太くなっていることからこう呼ばれます。
出来るだけ金属の部分を目立たなくした作りです。
ナイフの刃を上にして立てた状態の物で、正面からは細い線のようにしか見えないので、その上にセットされた宝石が宙に浮かんでいるように見えます。
下記は当店で販売済みのダイヤモンドのピアス。
正面から見たときはこのように線のように細いラインしか見えません。
同じピアスを横から見たとき。
横で幅を持たせて堅牢さを出しているのが分かります。
ヤスリで擦って表からは、細い線にしか見えないようにしています。
手作りだからこそ出来る技ですし、見た目より強度が高められているという高度な作りです。
アンティークジュエリーでもものすごく古い時代のジュエリーには見られず、19世紀末から20世紀初頭の「イギリスではエドワーディアン」、「フランスではベルエポック時代」のジュエリーに見られる宝飾技術です。
下記はイギリス、エドワーディアンのナイフエッジが用いられたネックレスです。
ナイフエッジの魅力は一言で言うと「繊細でシャープなライン」。
20世紀初頭のモダンエイジにふさわしい洗練されたジュエリーが生み出されました。
この時代の特にネグリジェネックレスのように「美しい縦ラインが決め手のジュエリー」では、特に効果的にナイフエッジが用いられました。
ゴールドに比べて粘り気があり破壊されずに引き伸ばされる性質を持つプラチナとの相性もよく(こうしたプラチナの特徴を「延性がある」と言います)、20世紀初頭のダイヤモンドxプラチナのジュエリーでもよく見られる宝飾技術です。
下記はベルエポック時代のダイヤモンドxプラチナのペンダントネックレス。
ゴールドにプラチナを張ったこの時代特有の貴金属の用い方xナイフエッジが見られます。
特に正面から見ら時にダイヤモンドへの遮りが最小限になり、ダイヤモンドの透き通った美しさを最大限に活かすことができます。
ベルエポック時代の後、アールデコのジュエリーの一部にも見られます。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。