天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)

ナポレオン三世時代(1870年頃)のペンダントトップ こうした大ぶりで宝石豊富に用いられたオープンワークのペンダントトップないしブローチ)は、1900年頃に作られたものが多いです。
当店でも過去にダイヤモンドや真珠のハイクラスなオープンワークのペンダントをご紹介してきましたが、その大半は1900-1920年に製作されたものです。
しかしこちらはその一世代前、1870年頃の時代としてはぎりぎりナポレオン三世時代に終わりに入るかはいらないかぐらいに製作されたものです。
そのスタイルの違いは慣れてこないと見分けずらいかもしれませんが、20世紀初頭の優美な曲線を多用したラインに比べて剛健で、騎士的な雰囲気がするとお伝えすると分かりやすいかもしれません。
一つにはデザイン的な要素、そして素材からも年代が判別できます。
こうしたダイヤモンドや真珠のペンダントトップはホワイトの地金を用いられ、後年に製作されたものはホワイトゴールドないしプラチナで裏面をイエローゴールドにしていますが、このペンダントでは「銀製」で裏面がローズゴールド(イエローゴールドより少し色合いがピンクゴールドに近い色)になっています。
銀ではあるのですが、この時代のハイジュエリーで用いられる銀はまったく黒ずみが出ないものが多いです。
これは破壊検査で金属検査をしてみないと申し上げられませんが、銀をベースにゴールドを含んでいる可能性があります。
ホワイトゴールドの実用がフランスで始まるのは1875年ぐらいからですが、ゴールドそのものは数世紀前から存在します。
この時代は貴金属の調合は工房で、そのジュエリーにあわせてふさわしい貴金属を作るということをができたのです。
ピンクグレー、イエロー、僅かに色のついた天然カラー真珠 そして圧巻なのが真珠です。
これほど美しい真珠は見たことがないと思うほど美しい。
いずれももちろん天然真珠なのですが、それにしても状態も色も艶も超一流です。
中心の真珠は(直径約7ミリ)は自然光の下ではほぼオフホワイトに見えますが、手で少し影を作ってあげますと実はピンクグレーの色調を持っていることが分かります。
こうした真珠のわずかな色調のことをよく「hue」と表現します。
「color」のようにははっきりしない色のトーンのようなもの(色合)を挿す言葉で、真珠はhueとしか言葉がしっくりくる微細な自然の色合いが存在します。
下部の真珠と左右の下側の真珠2石はこちらはイエローの色が自然光でもはっきり見えます。
特に下部の実に魅力的な卵形の一粒真珠は、これほど美しいイエロー真珠を私は見たことがありません。
ダイヤモンドも本当に贅沢な使い方がされていて、そのほとんどはローズカットにされていますが一石のみメイン真珠の下の大粒のダイヤモンドがオールドマインカット(クッションシェイプ)にされています。
直径約4ミリの、透明で輝きの強い石です。
これも当時としては異例の希少なダイヤモンドです。
なぜなら南アフリカの巨大なダイヤモンド鉱床が発見されたのは1860年代に入ってから。
以降これまでのようないびつでインクルージョンをたぶんに含んだローズカットダイヤモンドと一線を画す、クリアで煌きの強いダイヤモンドがヨーロッパに入ってくるのですが、その非常に初期の頃だからです。
当時いかに希少なダイヤモンドであったか分かりますし、オールドマインのダイヤモンドが一石だけでそれ以外のダイヤモンドがいずれもローズカットにされていることも時代背景を考えますと頷けます。
ローズカットにされたダイヤモンドも当時のトップクラスの石です。
ローズカットダイヤモンドでありながらクリアなものが多く、粒も大きくそして意外なほど厚みのある石が多く用いられています。
この年代のハイクラスな大作のジュエリーでよい状態で残って手に入るものは、それほど多くはありません。
裏面を観察しますと、このペンダントはもともと胸飾りとしても用いられたものではないかと思う構造になっています。
オリジナルのチェーン(こちらも銀製)も健在で、希少なジュエリーです。
チェーンの長さが45.5センチ。

  • 幅:31mm 
    高さ:38mm 
    重量:10g
  • 販売価格:734,400円(税込み)

天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)

世界にひとつだけの一点もの

  • メイン真珠は銀の上にマザーオブパールの受け皿を作りその上にセット
  • ペンダントトップの大きさが3.1センチx3.8センチ、チェーンの長さも十分
  • モチーフはリース、リースの中心やトップ下などポイントになるところに真珠
  • ローズカットダイヤモンドは大粒名物で3ミリ程、透明で厚みがあります
  • 裏面はローズゴールド、ラインの複雑さが伝わってきますね
  • 天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)
  • 天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)
  • 天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)
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天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)

[通販価格:税込] 734,400円 (送料について)

アンティークエピソード[Antique episode]

アンティークジュエリーの様式とフランスの政治体制

余程フランス史に詳しい人でない限り、様々な時代を示す呼称や装飾様式の名前は混乱しがちだと思います。
紛らわしいのは必ずしも政治体制の変化が、装飾様式の変化を伴ったのではないということです。
例えばアールヌーボーやアールデコを「時代の名称」と思ってらっしゃる方もいますが、この2つは装飾様式の名称なので本来、「時代を示す用語」ではありません。
アンティークジュエリーが製作された主要な時代と政治体制をまとめていきますと、主に以下の通りになります。

1)ブルボン朝絶対王政(1589年 - 1792年)。
当店でご紹介しております18世紀までのジュエリーはこの時代に作られたことになります。
この時代の装飾様式を表す言葉に「ロココ、ロココ調」があります。
「ロココ時代」とも称されることがありますので紛らわしいですが、「ロココ」は政治的な意味で時代を示す言葉ではなく、18世紀にフランスで流行した装飾様式のこと。
繊細で複雑な飾りを多く用いた、華麗な曲線模様が特色です。
例えば下記は当店扱いの18世紀の指輪ですが、ロココではシャンパンカラーの石が好まれましたからその特徴が如実に出ています。

18世紀ダイヤモンドリング(シャンパンカラーダイヤモンド)

2)第一次共和制(1792-1804):フランス革命が起こり王政が廃止され、国の主体が国民にあるとされた、フランス最初の共和政体制。
フランスのジュエリー歴史にとってフランス革命とそれに続く数年はトラウマの時代です。
この時代、フランスのダイヤモンドは国外に流出しパリのジュエリー協会は廃止になります。
世界トップレベルであったフランスの熟練した職人たちは、国外へと亡命します。
それがようやく落ち着くのが1799年頃。
またダイヤモンドが手に入るようになり、再び少しずつジュエリーが作られるようになります。
しかしジュエリーデザインに関してはこの時代に確固としたスタイルは見られません。
ジュエリーが少し小ぶりになったりといくつか変化していったところもありますが、装飾スタイルとしてはそれ以前と大きく変わりません。

3)第一帝政期(1804-1815):ナポレオン一世が統領となって実権を握っていた時代。
ジュエリーや装飾様式の面ではこの時代に特有なスタイルは発展しません。
かつてのジュエリーを作り直して、より皇帝の栄光を示すようなジュエリーが作られました。
これらはナポレオンが憧れた古代ギリシャやローマ帝国の影響を受けたネオクラシックなスタイルで作り変えられました。
ジュエリーデザインは18世紀よりシンメトリーになります。
またこの時代は宝石に彫りを施すことが流行し、カメオが流行しはじめるのもこの頃です。
しかしフランスはイギリスに比べ作られたカメオのジュエリーは圧倒的に少ないです。

4)王政復古時代(1814-30):ブルボン王朝が復活した時代です。
短い期間ではありますがフランスの宝飾史において重要な時代で、現地でも「Restaurationのジュエリー」と時代の呼称を、その時代を表現するときにそのまま用います。
カンティーユなどの繊細な金細工や、宝石を平たく少しのっぺりとした形でセッティングする技法等、王政復古の時代には他の時代に見られない特徴的なジュエリーが作られます。
ちなみに王政復古の時代は隣国イギリスのジョージアンのジュエリーと共通するところがありますので「ジョージアンですか?」と聞かれることもございますが、答えはイエスであり、ノーです。
ジョージアンの時代は王政復古の時代より長いです。
その一部に共通する点が見られますが、この時代イギリスに比べましてフランスは頻繁に政治体制が変化し、ジュエリーのデザインもこの時代イギリスより変化が大きく、同一に括れることは少ないです。

アンティークブルーエナメルバングルブレスレット(ダイヤモンド、王政復古時代))

またこの王政復古の時代に王位についた王の一人にシャルル10世(在位が1824-30年)がいます。
王政復古の時代の中でも特に特徴のあるジュエリーが作られましたので、「シャルル10世時代のジュエリー」と称されるアンティークジュエリーが存在します。
簡単に言ってしまいますとシャルル10世時代のジュエリーは、王政復古の時代のジュエリーの一つです。
一般的には王政復古の時代のジュエリーと呼びますが、特にシャルル10世の時代と特定できるような特徴を持つジュエリーを「シャルル10世のジュエリー」と呼びます。

シャルル10世時代アンティークバングル(シトリン、カルセドニー)

5) 7月王政(1830-1848):七月革命によって成立した立憲君主政の政体。
装飾様式に関しては、それほどはっきりとした特徴は少ないため、アンティークの世界では19世紀中盤といった言葉で表現されることも多いですが、この時代に作られた一部のトレンドのジュエリーを指して「ロマンチックジュエリー」「ロマンチック時代」と呼ぶこともあります。

カンティーユ金細工のブローチ兼ペンダント(カメリア、天然真珠)
6)第二共和政(1848-1852):再び共和制に戻ります。
短命ですしジュエリーに関してもこの時代に固有のものはなく「19世紀のジュエリー、19世紀中盤のジュエリー」と区分されます。

7)第二帝政(1852-1870):ナポレオン3世の時代でエンピールスタイルが生まれた時代です。
叔父のナポレオン一世と比べると政治的功績は劣りますが、現代のパリの都市国家としての基礎を築き、装飾様式に関しても独特のスタイルが生まれます。
この時代に特有の特徴を持ったアンティークジュエリーは「Nepoleon V」と表現されます。

天然カラー真珠とダイヤモンドの19世紀ペンダント(1870年頃、銀、オリジナルチェーン)
8)第三共和制(1870-1940):1870年第二帝政をしいたナポレオン3世を追放してから、1940年代のナチスドイツ占領にいたるまでの間。
実に70年間にも及ぶ政体です。
第三共和制の前半、第一次世界大戦が勃発されるまでを特に「ベルエポック時代」と呼びます。
産業革命によって台頭した新興ブルジョワジーと、王こそいなくなったもののしぶとく生き残った貴族たちが、パリを中心として華やかな生活を繰り広げた時代。
ジュエリーに関しても貴族的な伝統に、都会的な好みも加わり洗練されたフランスらしい上質なジュエリーが作られた時代。
この時代の特徴が出たジュエリーは「ベルエポックのジュエリー」と呼ばれることが多いです。
代表的なジュエリーモチーフにガーランド(花綱模様)があります。

花綱ダイヤモンドネックレス(ガーランド、ベルエポック、プラチナ、オリジナルチェーン付き)

時代としては第三共和制の間に、アールヌーボーもアールデコも生まれます。
アールヌーボーはベルエポック時代の大部分と重なり1890-1900年頃。
ここで忘れてならないのは時代の主流はベルエポックジュエリーと呼ばれるフランスの伝統を汲む貴族的なデザインのジュエリーにあり、アールヌーボーは当時はあくまでもカンターカルチャー的な装飾様式として存在したという点です。

アールヌーボー三つ葉クローバーのブローチ(ローズカットダイヤモンド、天然真珠)

アールデコは1920-1930年代、第一次世界大戦後の社会の変化の中でダイナミックに生まれる装飾様式一般を指す言葉です。

アールデコオニキス指輪(天然真珠、ダイヤモンド、1920年頃のフランス))

「アールヌーヴォー期のジュエリー」「アールデコ期のジュエリー」と称されますが、紛らわしいですがそれは時代を示す言葉ではありません。
以降はアンティークジュエリーが作られた時代ではありませんが、ご参考までに。

9)第四共和制(1946-1958):第二次世界大戦後の政治体制。
この時代にフランスは過去の植民地を喪失していきます。 そして最後にアルジェリア戦争が起きます。

10)第五共和制(1958年から):ドゴール将軍より現在に至るまでが第五共和制です。

アンティークエピソード集 のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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