人気のクレオールピアス
フランスのアンティークジュエリーで時々出てくる「クレオール」と呼ばれる、フープ状のピアス。
クレオールは元々フランスの海外領土(マルチニックやレユニオン諸島)が起源になったピアスです。
シェルシュミディではよく入荷していますので、「よくあるアイテムなのでは?」と思われるかもしれませんが、状態の良い古い時代にまで遡るクレオールピアスは現地でも希少です。
私も個人的にクレオールピアスが好きなので、かなり力を入れています。
一言でクレオールピアスと言いましても、大きさも太さも模様も2つとして同じものがないです。
このクレオールは幅(最大部分の直径)が1.7センチと少し大きめサイズです。
そして幅は狭めのほっそりとしたシルエットです。
基本的には針を耳たぶの後ろから挿し、前で留めて頂くドルムーズタイプですが、表裏のないデザインですから(現代ピアスと同様に)針を前から後ろに挿していただいても、問題ないです。
これほどの彫金が施されたクレオールは初めてです
ピアスの両面にぎっしりと彫金が施されています。
クレオールで彫金が施されたものは少なくないですが、もう少し彫金がワンパターンで浅く彫られたものが多いです。
このピアスは細身であるのに彫りが深く、存在感があります。
外側に粒金がぎっしりと打たれていて、内側に葉っぱのようなモチーフが連なって描かれています。
粒金も内側のモチーフも凸状になっているので、それ以外の部分を掘り出したように見えます。
左右のピアスの両面にこのようにぎっしりと、絵画のように彫金を施したピアスは初めて見ます。
クレオールピアスとしては珍しく工房印もしっかり入っていて、力のこもった作品であることが分かります。
19世紀後期のフランス製。
18カラットゴールド。
動画も撮影しています。
アンティーククレオールゴールドピアス(彫金)
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クレオールとは元来、アンティル、ギニア、レユニオン諸島など、本国ではなく中南米やカリブ海の植民地生まれの植民地生まれのヨーロッパ人のことを指します。
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
クレオールはやがてもっと広く、その習慣や言語も指すようになります。
そこから転じて、「混じり合って劣化した、濁った、不純な、どっちつかずの、固有性を欠いたもの」とした意味合いとともに用いられることもあり、クレオール性とは「文化的諸要素の混在」のことを言うこともあります。
80年代に、マルティニク島出身のグリッサン、コンフィアン、シャモワゾーらの運動により、文化的な意味でクレオールが注目を集めるようになりました。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純に下記のようなデザインのピアスを指します。
下記はもう少しフープの大きなクレオールピアス。
こちらも当店にて販売済み。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスです。
これらのクレオールピアスは、自然の恵み豊かな大らかな印象を与えるようで、フランスでは特に夏の避暑地、バカンスのときにつけるジュエリーとして今も変わらぬ人気を誇っています。
元々こうしたフランス海外圏で伝統的に作られたちょっと耳輪のようなデザインのピアスが、フランス本国にもたらされ、このような垢抜けたデザインのクレオールピアスが作られました。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。