人気のクレオールアンティークピアス
フランスのアンティークジュエリーで時々出てくる「クレオール」と呼ばれる、フープ状のピアス。
フープ状なので今の時代にも場所を選ばず着けていただきやすいピアスです。
使いやすく一つあると重宝するデザインであるからか、当店でもご要望を多く頂戴します。
ピアスは2つで1組であるためなかなか作りと状態の良いアンティークピアスは数がとても少なくなってきています。
基本的には針を耳たぶの後ろから挿し前でとめて頂くドルムーズタイプですが、表裏のないデザインですから、針を前から後ろに挿していただいても問題ないです。
ジオメトリックな凹凸が魅力的なクレオール
クレオールの中でも、デザインや細工は様々です。
このクレオールピアスでは、フープ部分にゴールドの凹凸が豊かについています。
隆起部分があるために、立体感のあるピアスです。
またフープの内側と外側に細かくミルグレインが打たれています。
ミルグレインは、凸にゴールドのプリーツで凸になったところにもステッチのように入れられています。
サイズとしては比較的小ぶりなクレオールですが、上記のような理由で造形美に優れています。
珍しくイタリアの18カラットゴールドの刻印と、不思議なことにフランスの工房印が入っています。
おそらくフランスで作られたものがイタリアで金位の刻印が押されたのだと思います。
1900年頃のフランスないしはイタリア製。
18カラットゴールド。
動画も撮影しています。
アンティーククレオールピアス(18カラットゴールド)
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
クレオールとは元来、アンティル、ギニア、レユニオン諸島など、本国ではなく中南米やカリブ海の植民地生まれの植民地生まれのヨーロッパ人のことを指します。
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
クレオールはやがてもっと広く、その習慣や言語も指すようになります。
そこから転じて、「混じり合って劣化した、濁った、不純な、どっちつかずの、固有性を欠いたもの」とした意味合いとともに用いられることもあり、クレオール性とは「文化的諸要素の混在」のことを言うこともあります。
80年代に、マルティニク島出身のグリッサン、コンフィアン、シャモワゾーらの運動により、文化的な意味でクレオールが注目を集めるようになりました。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純に下記のようなデザインのピアスを指します。
下記はもう少しフープの大きなクレオールピアス。
こちらも当店にて販売済み。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスです。
これらのクレオールピアスは、自然の恵み豊かな大らかな印象を与えるようで、フランスでは特に夏の避暑地、バカンスのときにつけるジュエリーとして今も変わらぬ人気を誇っています。
元々こうしたフランス海外圏で伝統的に作られたちょっと耳輪のようなデザインのピアスが、フランス本国にもたらされ、このような垢抜けたデザインのクレオールピアスが作られました。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。