歴史的な面白みがある、サヴォワ地域のアンティークジュエリー
サヴォワ(Savoie) 地域のアンティークフープピアス。
サヴォワはフランス南東部のスイスと隣接するアルプス山岳地域です。
私たちディーラーには一目でサヴォワ地域のジュエリーであることが分かります。
この地域でなぜ特有のジュエリーが生まれたかといえば、サヴォワ(サヴォイア)公は、18世紀にはサルデーニャ王も兼ね歴史的にイタリアと歩みを共にしたこともあり、この地域一帯を裕福なサヴォワ(サヴォイア)家が支配していたからです。
フランスに統治されるのは1860年と遅いです。
フランスの中で、歴史的に美しいジュエリーが作られた地であることで知られています。
「サヴォワのジュエリー」として特に有名なのが、「ジャネット十字(croix Jeannette)」そしてこのようなクレオールタイプのピアスです。
手作業で彫金された花模様
サヴォワのクレオールピアスには、必ずと言っていいほど花が彫金されています。
この彫金はもちろん手作業で行われており、その独特かつ伝統的な技法を楽しむことができます。
サヴォワのクレオールピアスはサイズは直径が1.2センチから大きいものは4センチに達したと言われています。
このピアスの横幅は1.9センチ。
針は後ろから前に通しますが、このピアスのように両面に模様が入っている場合には、フープタイプのピアスですので前から後ろに通してもデザイン的には違和感はありません。
「ゴールドの球体部分」に針を収めます。
この球体のパーツも全てではないものの、サヴォワのクレオールピアスによく見られる特有のデザインです。
19世紀後期のフランス製。
18カラットゴールド。
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クレオールとは元来、アンティル、ギニア、レユニオン諸島など、本国ではなく中南米やカリブ海の植民地生まれの植民地生まれのヨーロッパ人のことを指します。
フランスでは、特にマルチニックやレユニオン諸島で生まれた白人のことを「クレオール」と言いました。
例えばナポレオン一世の妻であった、ジョゼフィーヌ皇后などは、マルチニックで生まれたクレオールです。
クレオールはやがてもっと広く、その習慣や言語も指すようになります。
そこから転じて、「混じり合って劣化した、濁った、不純な、どっちつかずの、固有性を欠いたもの」とした意味合いとともに用いられることもあり、クレオール性とは「文化的諸要素の混在」のことを言うこともあります。
80年代に、マルティニク島出身のグリッサン、コンフィアン、シャモワゾーらの運動により、文化的な意味でクレオールが注目を集めるようになりました。
ジュエリー用語で「クレオール」と言うと単純に下記のようなデザインのピアスを指します。
下記はもう少しフープの大きなクレオールピアス。
こちらも当店にて販売済み。
クレオール人が身につけていたようなリング状のイヤリング・ピアスです。
これらのクレオールピアスは、自然の恵み豊かな大らかな印象を与えるようで、フランスでは特に夏の避暑地、バカンスのときにつけるジュエリーとして今も変わらぬ人気を誇っています。
元々こうしたフランス海外圏で伝統的に作られたちょっと耳輪のようなデザインのピアスが、フランス本国にもたらされ、このような垢抜けたデザインのクレオールピアスが作られました。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。