ペルピニャンガーネットが何と立て続けに入荷しました!
19世紀後期のフランス製。
フランス南西部ペルピニャンでかつて採れた非常に明度の高い、明るい色のガーネットを使ったブローチ。
もはや「幻のアンティークジュエリー」と化していた、フランスペルピニャンガーネットのジュエリーを先日ご紹介したブローチに続けて入荷しました。
この数年探し回っていて、何と今回の買付でペルピニャンガーネットを複数見つけることが出来たのですから、運命って信じるものですね。
形もこちらも三日月で似ていますが、先端のデザインが少し異なります。
またブローチ自体、若干こちらの方が小さめです。
ペルピニャンガーネットの特徴として、蛍光色の下ではピンクの色がやや強く出ます。
色合いも前回ご紹介しましたブローチとほぼ同じですが、こちらの方がややピンクが控えめで、より純粋な赤色です。
どちらが良いかはもう好みの問題ですので、早い内に(選べる内に)選んでください。
あるいは滅多に手に入れられるものではございませんので、2つ入手して母娘、姉妹で手に入れられるのも素晴らしい思い出になるでしょう。
ペンダントへの作り変えも可能です
デザインは三日月、フランスではクロワッサン(croissant)と呼ぶデザインです。
そう、あのパンのクロワッサンのデザインでもあります。
このデザインは縦横斜め、色々な方向に着けることができます。
地金は18金ゴールドで、現代のイエローゴールドより少しピンクを帯びたローズゴールド。
ガーネットの赤色との色調が鮮やかです。
色の美しいブローチで、大きさは横幅が2.7センチ程とそれ程は大きくございませんので、薄手のインナーなどに着けられると映えます。
特にやはり白を背景にしますと、その艶やかな色が引き立ちます。
ブローチはあまり着けられないと言う方には、ペンダントへの仕様の変更が可能です。
工房で既に相談いたしましたところ、例えば針と蝶番(ちょうつがい)をの部分を削り取り。
現行のゴールドの留め具の受け部分を加工することで(今ある材料を活かす形で)比較的容易にペンダントへの加工が可能だそうです。
(加工賃8,000円程が別途かかります)。
ペンダントフックをあえて1つにすることで、胸元で三日月に動きが出せるの揺れて粋です。
ご希望がございましたら是非あらかじめご相談ください。
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イギリスのでもフランスでもアンティークジュエリーでもに使われているガーネットの大半がボヘミア産。
ボヘミアンガーネットはちょっと黒っぽい赤色をしており、アンティークガーネットと言うとそのイメージを強くお持ちの方も多いのはないでしょか?
しかしペルピニャンガーネットの用いられたアンティークジュエリーを見れば、そのイメージは払拭されるはずです。
ペルピニャンガーネットとは、フランス南西部ペルピニャン地方で産出されていた希少な美しいガーネットのことです。
カタランの文化歴史を象徴する宝石で、その歴史は1750年に遡ります。
ペルピニャンガーネットが採掘されたのは、18世紀半ばから1920年代にかけてです。
鉱山からガーネットが採掘されることはもうありません。
ペルピニャンガーネットは、深いピンクがかった赤ワイン色をしており、同じサイズのルビー以上の価値があると言われるずば抜けた宝石です。
昔から数は少なく、フランスアンティークジュエリーにしか(しかもそのほんのごく一部)存在しません。
フランス現地でもやはりアンティークでしか手に入らないペルピニャンガーネットは、まさに幻の石です。
まさにフランスのアンティークジュエリーに限定された美しいアンティークガーネットです。
下記は当店で数年前に販売済みのペルピニャンガーネットのピアスですが、いまだに多くお問い合わせを頂きます。
ペルピニャンガーネットのセッティングは、この地方独自のもので、「ペルピニャンセッティング」と呼んだりします。
石の下をゴールドで閉じます。
ガーネットそのもののカッティングも独特で、石が閉じられているので見にくいですが下は平らで、上にたくさんのファセットをつけています。
パピヨンと呼ばれるヴェルメイユの破片をガーネットとゴールドの間にいれて、美しい反射を起こすこともあります。
ペルピニャンガーネットは、真っ赤のものから、ピンク帯びた赤、ワイン色がかった赤と複数の色があります。
いずれの色もボヘミアンガーネットよりずっと明るい色調の赤が特徴的です。
下記のリングでは、真っ赤なペルピニャンガーネットとピンクを帯びたガーネットの両方が用いられていますが、どちらもボヘミアンがーネットにはない明るい色調です。
ペルピニャンガーネットが生まれたペルピニャンという街はフランス南西部の都市です。
ペルピニャンの歴史は極めて古く、ローマ時代から人が定住していたといわれています。
中世になってペルピニャンの街の建設が始まり、1276年から1344年までは、マヨルカ王国の王国の首都として栄えます。
時代の中でマヨルカ王国に組み込まれたりバルセロナ伯領となったり、過酷な歴史を生きつつも、いつの時代もペルピニャンは複数の文化が入り乱れる工芸品の中心地でした。
ジュエリーもパリを中心としたジュエリーとはまた異なる味わいのジュエリーが作られました。
一つにはこの地域は鉱物的に非常に豊かな地域であったからです。
古くは銀、ゴールド(共に閉山しています)、そして宝石ではガーネットが産出され、この地域においてジュエリーは一大産業でした。
そしてその主役がガーネットでした。
ペルピニャンガーネットの一部はスペインに運ばれかの地でジュエリーにされたものもありました。
これはやはりスペイン国境の約20キロに位置する地理的要因も大きかったことでしょう。
「ペルピニャンガーネット」と言う呼称は産地による呼称であり、いわゆる鉱物名ではありません。
産地を取って「カシミールサファイヤ」と呼ぶのと同じロジックです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。