鮮やかなロイヤルブルーのエナメル
シャルル10世時代のフランス製。
とても古い時代の希少なエナメルブローチ。
「ロイヤルブルー」という言葉が相応しい、鮮やかな青エナメルが施されています。
青を背景に、真珠の白が映えます。
エナメルの「ブルー」に真珠の「白」、「ゴールド」の華やかな色のコントラストが目に麗しいです。
フランスらしい抜群の色彩センスが楽しめるブローチ。
ドロップラインの流れるようなシルエット
中心のゴールドとエナメルのバーの左右両端には美しい天然真珠が留められてて、そこから7本のドロップラインが伸びています。
中心の5本のドロップラインは青エナメルと真珠のチェーンが、そして左右両端は真珠だけのチェーンが垂れています。
更に左端の真珠から右端の真珠へと、ゴールドのチェーンがしなやかなラインを描いています。
とても珍しい、この時代ならではのユニークな意匠です。
真珠はもちろんこの時代ですので天然真珠で、真円ではなく、それぞれの形や大きさが微妙に異なるところも味わいです。
鮮やかなイエローゴールドは18金。
中心のバーを正面からではなく、上から気をつけて見るとエナメルの色が少しだけ異なるところが2箇所ありますが、これは過去にエナメルが修復された跡です。
光を当ててじっくり見てようやく分かる程度で、えぐれや凹凸などは最小限の処理でしっかりとした修理が成されています。
ブローチとしてはもちろんおこと、バーにチェーンを通してペンダントのようにして着けていただいても素敵です。
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アンティークジュエリーで時々登場するエナメル。
その柔らかな質感は、どんな高価な宝石を使用したジュエリーにもかえがたい魅力があります。
エナメル(七宝焼き)とはさて一体どのようにして作るのでしょう?
エナメルはゴールドや銀などの金属製の下地の上に釉薬(ガラス質、鉱物質の微粉末を水と糊でペースト状にしたもの)を乗せ、摂氏800度前後の高温で焼くことによって作られます。
融けた釉薬によるガラス質の美しい彩色を施す技術です。
クロワゾネエナメルとは
アンティークジュエリーで見られるエナメル(エマイユ)技法のひとつで、エナメルの中でも高度な技術を要するエナメルにクロワゾネエナメルがあります。
クロワゾネエナメルとはいわゆる有線七宝のことです。
土台となる金属の上に1mmにも満たない金線を貼り付けて輪郭線を描き、できた枠内をエナメルで埋める装飾技術です。
フランスのアンティークジュエリーにおいて、クロワゾネエナメルによく用いられた色は赤や青、黒、白、緑などです。
「クロワゾネ(cloisonne )」はフランス語で「仕切られた」という意味からきています。
クロワゾネエナメルは基本的に金属の上に施されますが、下記では何とクリスタルの上にクロワゾネエナメルが施されています。
宝飾史に名を刻む19世紀後半に活躍したジュリアーノ一族が得意としたのも、クロワゾエエナメルです。
ジュリアーノは、19世紀後半にルネッサンス様式に着想を得たエナメルの重ね塗りで、一世を風靡。
白・黒、ブルー・白の点描などが有名です。
カルロジュリアーノの二人の息子、カルロとアーサーが父の跡を継ぎ、ジュリアーノ一族のエナメルワークは更なる発展を見せます。
アールヌーボー時代には、透明なエナメルも好んで用いられました。
アールヌーヴォーの時代に日本の有線七宝の影響を受けて、それがフランスで進化し、鮮やかな発色のエナメルがアンティークジュエリーが生まれました。
スイスジュネーブのスイスエナメル、フランスリモージュ地方のリモージュエナメルも人気です。
リモージュエナメルもクロワゾネエナメルの作品を主としています。
下記は当店扱いのリモージュエナメルのペンダント。
多色使いが見事です。
エナメルは指輪のショルダーなど、ジュエリーに部分的に用いられることも多くありました。
下記のケースでは、ショルダーのところに黒いエナメルが入っています。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。