ジョージアンアメジストの指輪(英国ジョージ王朝時代 15ct)

謎に包まれたイギリス、ジョージアンのリング イギリスであれフランスであれ近年、18世紀のジュエリーはもちろんの19世紀初頭までに製作されたアンティークジュエリーを手に入れることは年々厳しくなっています。
フランスなら王政復古の時代、イギリスならジョージアン後期にあたる19世紀初頭のジュエリーは両国とも非常に良いジュエリーが作られた時代。
この時代の確かなジュエリーが手に入るのであれば、迷わずに手に入れることをお薦めいたします!
地金は刻印(625)にもあるとおり24分の15(0.625)で、15ctゴールド。
ジョージアンのジュエリーはハイカラットのゴールド(15ct以上)が用いられることが多く、その実に8-9割は15ctゴールドで作られれています。
この指輪は調べれば調べるほど、謎の多い指輪です。
15ctゴールドはジョージ王朝時代に多く使われいた金位ですが、その刻印制度が整うのはそれより後の、1854年以降になります。
つまりジョージアンの15カラットの指輪に「15カラットの刻印」が入っているというのは、整合性が取れないのです。
しかしイギリスの専門家にもチェックしてもらいましたが、この指輪は確かにどう見てもジョージアンのクオリティーの良いジュエリー。
1820-1830年頃、どんなに遅くとも1840年頃に製作されたと推定するのがプロの間でも妥当なのです。
刻印と言うのは時にミステリアスです。
これは私も実に興味を引かれイギリスでも詳しい方に相当調べてもらったのは、もっとも想定されるのは「製作されたのが1820-1830年頃(遅くとも1840年頃)で、刻印が後に押されたケース。
特にこの時代は刻印制度がまだ未発達でしたので、そうしたケースは多くあるようです。 ロココ様式の再流行が見られる希少なジュエリーです 指輪を細かく見ていきましょう。
ジョージアンの特徴がよく出ています。
緻密な高カラットの絢爛豪華な細工と宝石の上下に入れられた美しいらせん形の装飾には、18世紀中頃に流行したロココ様式の再流行が見られます。
19世紀の後期以降のジュエリーには見られない中世的なデザインです。
宝石のセッティングはこの時代、コレットを薄く広げてセットするのが流行していました。
この指輪でもアメジストでもコレットがぎりぎりまで広がり宝石の表面積を可能な限り広く取り、全体としては宝石が少しのっぺりとして見えるように取られているのが分かります。
アメジストは濃い紫色で光沢もあり、5石とも一目で良い質の石が使われているのが分かります。
アメジストはこの時代、イギリスでもフランスでも好まれた宝石の一つで、この頃に初めてこうした半貴石の流通量が格段に増えることも関係しています。
指輪サイズは14号(有料でサイズ直し可)。

  • 高さ:7mm 
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

ジョージアンアメジストの指輪(英国ジョージ王朝時代 15ct)

  • センター石が5ミリx5.5ミリ 見るからに良い質の石が使われてるのが分かります
  • 5石のアメジストで指全体が覆われます
  • 華麗な金細工とアメジスト、この組み合わせはこの時代の一つの典型です
  • アメジストはコレットセットの上、4-5箇所で爪どめ、外枠にミルグレーヴィング
  • 刻印から「15カラット、バーミンガム製作」であることが分かります
  • ジョージアンアメジストの指輪(英国ジョージ王朝時代 15ct)
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アンティークエピソード

王政復古時代(ジョージアン後期)、1820-1830年代のアンティークジュエリー

アンティークジュエリーでよく聞く言葉に「ジョージアンのジュエリー、ジョージ王朝時代のジュエリー」があります。
イギリスとフランスはこの時代、政治体制も装飾様式も異なる発展を見せますので、フランスのアンティークジュエリーを語るときに「ジョージアン」という言葉を使うのは適切ではありません。
しかしながらイギリスのアンティークジュエリーを基礎に話されることが多い日本のアンティークジュエリー界ではどうしても「ジョージアン、ヴィクトリアン、エドワーディアン」という時代認識を基に考えられる方が多いようです。
無理やりあてはめるのであれば、フランスの1820-1830年代に作られたジュエリーは、レイト・ジョージアン(ジョージ王朝時代後期)になります。

下記は当店扱いの同時代のイギリスの指輪。
似ているようで同時代のフランスのジュエリーに比べて少し大きめです。
ネックレスなどではもっと顕著です。

19世紀初頭アメジストの指輪(ジョージアン後期)
フランスではこの時代のジュエリーは「Restauratino(王政復古時代)のジュエリー」と呼びます。
1792年のフランス革命後のフランスは王族を死守しようとする保守派と革命派、帝政派、交互に異なる体制が生まれては倒された、激動の時代に入ります。
革命は世界史にとっては大事ですが、ジュエリーにとっては良いことはありません。
王族・貴族文化の方が良いジュエリーが作られます。
ですからフランスのジュエリー史で、18世紀以降に良いものが作られた時代は「王政復古の時代(1814-1830年まで)」になります。
1814年にナポレオンがナポレオン戦争に敗れて退位し、フランス革命時にドイツに亡命していたルイ16世の弟、ルイ18世(1814年-1815年と、1815年から1824年在位)が即位してブルボン朝が復活した時代です。
ルイ18世は16世時代に追放された貴族の復帰を助け、18世紀の王政文化が息を吹き返して、優雅な宮廷文化の時代が再び復活します。
そしてルイ18世は1824年に死去し弟のアルトワ伯爵が継ぎ、シャルル10世(在位は1824-1830年)となります。
王政復古の時代は、1814-1830年頃までの非常に短い期間ですが、18世紀の宮廷文化を回想した素晴らしいゴールドジュエリーが作られました。

さて王政復古の時代のジュエリーの特徴を見ていきましょう。
まずこの時代を語る上で「秀逸な金細工」は欠かせません。
この時代のゴールドの処理は、ゴールドを箔のように薄く延ばして磨いたフォルムを取ることが多いです。
カンティーユ(cannetille)やグラニュレーション(グラニュル、grainti、granulation 粒金細工)、またレポゼと呼ばれる打ち出し装飾も発達しました。
スパイラル(螺旋状)になった部分が金細工、粒の部分がグラニュレーションです。

金の刺繍カンティーユの金細工ブレスレット(1820年頃、カラーゴールド、ゴールドメッシュ)
このように金細工技術が発達した背景には、当時まだゴールドが大変希少であったために少ない量のゴールドでボリュームがあるように見えるジュエリーを作りたいという事情がありました。
この様な金細工は現代では再現が難しい、大変高度な技術と表現力を要します。
この時代のゴールドのジュエリーは、例えばその少し前の1800年頃に作られたネオクラシックスタイルのジュエリーより大きく重そうに見えますが、実際は異なります。
手にすると軽く、少量のゴールドでボリュームがあるように見せているのです。

宝石はカラフルで華やかな宝石が用いられるようになります。
前世紀に比べてこの時代にアメジスト、ガーネット、ぺリドット、クリソプレーズ、トパーズ、トルコ石などの宝石の流通量が急激に増えたためです。
シトリンもこの時代に好まれた宝石です。
下記は当店扱いのこの時代に製作されたアメジスト、トパーズ、ガーネット等、複数の色石が複数用いられた指輪です。

パンジーのアンティーク指輪(アメジスト、トパーズ、ガーネット、19世紀初頭)

宝石の組み合わせは、様々な色を一見ランダムに見えるようにセットされている場合と、同色の宝石を連ねている場合があります。

下記も当店で販売済みのトルコ石のリング。
セッティングは特に指輪の場合はほとんどのケースでイエローゴールドが用いられています。
宝石のセッティングにも特徴があります。
この時代の宝石は厚みのわりに面積が大きいこと、薄く面積を広く採ってある宝石をセッティングしてあるのをよく見かけます。

アンティークトルコ石の指輪(5石の指輪、王政復古) ネックレスは胸が広く開いたドレスが流行し、ウエストをウエストバンドで閉めるファッションになり、ボリュームのあるネックレスが好まれます。
ロングチェーンネックレスがもてはやされます。
下記は同時代の当店で販売済みのゴールドチェーンのネックレス。
荘厳な細工で重そうに見えますが、中が空洞になっていますので、手にすると意外なほど軽いです。

アンティーク金細工ネックレス(王政復古、9金ゴールド)
また下記のようなアメジストあるいはガーネットを全周に連ねたネックレスがこの時代に作られました。
この手の同じ宝石を全周にあしらったネックレスは、ゴールドでセッティングされたものの他、ヴェルメイユ(銀の上に金で上塗り)、あるいは銀製で裏面をゴールドで塗ったものが存在します。

アンティークガーネットネックレス(紫ピンクガーネット、王政復古時代)
また袖の膨らんだドレスのために、ブレスレットは大ぶりのものが好まれました。
下記は当店で販売済みの同時代のブレスレット。
大ぶりですが、見た目よりは軽量です。
こうした大ぶりのブレスレットを手首から時には肘までいくつも、腕のラインが隠れるほどブレスレットを重ねて着けることが流行します。
これは指輪も同じで一つの指に、いくつもの指輪を身に着けることが流行するのです。

アンティークガーネットネックレス(紫ピンクガーネット、王政復古時代)
1820-1830年代のファッションは胸を広く開けたドレスに髪を結い上げたスタイルが主流でしたので、ピアスは長めのドロップ型のものが好まれました。
そしてピアス穴を開けるというデリケートな作業は、当時ジュエラーが行っていたそうです。

ところでこの「王政復古時代のジュエリー」時々「シャルル10世の時代」と言われることもあり、分かりにくいと思います。
王政復古の時代は正確に言いますと、1814-1830年になります。
シャルル10世はルイ16世の弟で、ナポレオン帝政終焉後の、王政復古の時代にわずか数年即位についた最後のブルボン家直径の王です。
ルイ16世治世下、マリーアントワネットの寵臣であったシャルル10世は、フランス革命(1789年)下はイギリスに亡命。
反革命派とともに各地を転戦し、1814年にナポレオンが失脚し再び王政に戻ったフランスへ帰国。
1824年に兄ルイ18世の死国後、王として即位します。
在位は1824-30年と非常に短命で政治的には芳しい功績はありませんでしたが、この数年間は、ジュエリーにおいては18世紀の王族文化への一時的な回帰により、指輪やブレスの座金の組み方などが独特なスタイルが生まれました。
シャルル10世の治世はわずか数年ですが、その前後の王政復古の10数年に作られたジュエリーを「王政復古時代のジュエリー」と呼ぶのが通例です。
ただシェルシュミディのお付き合いしているフランス人ディーラーの中にひとり「王政復古のジュエリー」を専門にしているディーラーさんがいるのですが、彼女などは「王政復古のジュエリー」と呼ぶべきもの、「シャルル10世ジュエリー」と呼ぶべきものに分けています。
下記は典型的なシャルル10世時代のペンダント、当店にて販売済み。

アンティークアメジストペンダント(黒エナメル、金細工、シャルル10世)
しかしそれは専門中の専門で、フランス現地のディーラーでもよほどその時代に特化した人でない限りは、この数十年のジュエリーを総称して「王政復古の時代のジュエリー」と呼びます。
短命で数が少ない時代のジュエリーですので、この時代のジュエリーの特徴がよく出たものは現地でも非常に高い価値が認められています。

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