--- アンティーク・エピソード ---ベルエポック時代のジュエリーとアールヌーボーのジュエリー

アンティークジュエリーの説明書などを読んでいて分かりずらことの一つに、時としてその時代のジュエリーが時代名で表現されることもあれば、装飾様式名で表現されることだと思います。
フランスのジュエリーの中で特に有名な装飾様式を表す言葉に「アールヌーボー」、「アールデコ」がありますが、これらは装飾様式を示す言葉で時代を示す言葉ではありません。

理解が難しいことの一つに「アールヌーボーのジュエリー」と「ベルエポック時代のジュエリー」があると思います。
どちらもフランスのアンティークジュエリーに親しむ中でよく聞く言葉だと思います。
二つのジュエリーは、時代としては重なっています。

ベルエポックはフランス語でよき時代(Belle epoque)という意味です。
厳密には1910-1914年の5年間を指しますが、もっと広義に19世紀末から第一次世界大戦勃発(1914年)までのパリがもっとも繁栄した華やかな時代とその文化を回顧して使われることもあります。
一方、アールヌーヴォーはこの時代にカウンターカルチャーとして隆盛する芸術の運動です。
「ベルエポックのジュエリー」と「アールヌーボーのジュエリー」は同じ時代のフランスで製作されながらも、その源とするところが異なります。

ベルエポック時代のフランスは、伝統固守と革新志向が混沌と共存しています。
若く革新的なアーティストたちがナンシーを中心に「皆のための芸術」という新芸術運動(アールヌーボー)を起こしていたのに対し、当時のパリの貴族やブルジョワ層は、18世紀末のマリーアントワネットなどの貴族スタイルに憧れを抱いていたのです。

ジュエリーを持つ社会的階層としては従来からの貴族層に加えて、産業によって富を得たブルジョワ層が入ってきます。
ベルエポック時代のジュエリーには、こうしてパリを中心に洗練された都市文化を謳歌していたブルジョワジーたちの好みが反映されるようになります。
アールヌーボーを除けば、ベルエポック時代に作られたアンティークジュエリー、中世ルネサンススタイルとガーランドスタイルの貴族的な影響が残る、むしろ古典的なものでした。

下記は当店で販売済みのベルエポック時代のドラップリーネックレス。
貴族的でエレガントな美しいラインが特徴的です。
ベルエポック時代のアンティークジュエリーは、アンティークならではの細工の細やかさや素材の良さに、こうした都会的なセンスの良さが加わり、現代女性にもとても着けやすい垢抜けたジュエリーが多いです。
アールヌーボーの工房が現在のデザイナージュエリーブティックの先駆けで、グランメゾンが現在のブランドブティックの先駆けだったといえます。
デザイナーブティックが斬新で奇をてらったようなデザインを追及したのと対照的に、グランメゾンは、その正当性を活かした正統派の貴族的な大ぶりのジュエリーを得意としました。

アンティークムーンストーンネックレス(ガーネット、ピンクサファイヤ、ドラップリー)

一方のアールヌーボーのジュエリーは芸術性の高い、ある意味で実験的な装飾様式といえます。
有機的なラインやアンシメトリーなラインなど、時代としてはベルエポック時代に属しますがまるでその真逆をいくような先鋭的なデザインと職人を中心とした動きがその本質です。

下記はやはり当店で販売済みの時代としてはベルエポック時代に作られたピアスですが、アールヌーボーの特色がよく出た作品です。
アールヌーボーのジュエリーは、先鋭的で時にエギゾチックでもありました。

アールヌーボー葉っぱのピアス(フランス、天然真珠と18金)

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