珊瑚のオレンジ色が健康的なアンティークピアス
19世紀後期のフランス製。
地中海珊瑚を使って葡萄を表現した、とてもオリジナリティなピアス。
こうした濃い色の珊瑚は、地中海珊瑚の中でもとても品質の高いもの。
健康的な赤色は、顔周りに持ってくると顔色をグット明るくしてくれます。
葡萄は豊潤の祈り
葡萄はフランスにおいて大きな意味を持つ果物。
度々アンティークジュエリーのモチーフにもされてきました。
豊潤の祈りが込められています。
留め具のところは、ゴールドのように見えますがヴェルメイユといって、銀の上に金を塗っています。
葡萄の葉っぱ部分はゴールドです。
14K〜18K。
昔の珊瑚のジュエリーは糸を使っているものが多いのですが、このピアスはヴェルメイユの細い棒を駆使して、珊瑚をつなげています。
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パールとともに「海の二大宝石」と呼ばれるコーラル(珊瑚)。
コーラルを用いたジュエリーの歴史は、古代ローマに遡ります。
当時、珊瑚(コーラル)は悪魔から身を守ると信じられてきました。
ヨーロッパではコーラルは彫刻されてカメオとして使われたり、自然の形のままでネックレスやブレスレット、リング、ピアスにされ愛されました。
下記は販売済みですが、当時セットで見つけた珊瑚のピアスとブローチです。
しかし珊瑚が特に脚光を浴びるのは1920年代。
アールデコのジュエラーがジュエリーに「ビビットな色彩」を出すために用い始めたためです。
下記のコーラルとダイヤモンド、エナメルのバングルは1925年頃の製作です。
ササビーズに出展されています。
(c)sotherby's
珊瑚は、宝石の中でも珍しい有機物質の宝石です(大半の宝石は鉱物系)。
宝石として使われる珊瑚は、いわゆる「サンゴ礁」などと異なりずっと深海に生息する硬質のサンゴです。
ポリプ(サンゴ虫)の触手が8本に分かれていて(珊瑚礁は、触手の数が6本です。)、多くは太陽の光が届かない深く冷たい海の底でひっそりと生息しています。
数百ミクロン程度までの微小な浮遊物などを捕食して、ゆっくりと成長します。
わずか1cm成長するのに、50年近くかかる種類もあるのだとか。
磨くと美しい光沢を放ち、その赤い色が当時の女性の舞踏会用のドレスによく合い、女性の顔色を健康的に若々しく見せてくれると重用されました。
アンティークジュエリーで用いられる珊瑚としては、19世紀にイタリア、ナポリ湾で取れたもの。
フランス、ニースを中心とする地中海沿岸部でとれたものが有名です。
珊瑚は赤、オレンジ赤、ピンク、白色に大きく分けることができます。
ヨーロッパのコーラルの色もオレンジレッド、血赤色、ピンク色など様ざまです。
下記はくっきりとしたオレンジ色の珊瑚が鮮やかなピアスです。
ピンクがかったものやオレンジ色、濃いものから薄い色までと、実にさまざまな自然の色が存在する珊瑚ですが特に価値が高いといわれるのが、「ポーダンジュ(天使の肌) Peau d'ange (英語でangels skin) 」と呼ばれる色の珊瑚です。
ローズ(薔薇)の色を深くしたようなサーモンピンクで、特にアールヌーボー期に好まれます。
アンティーク珊瑚の大半はオレンジ色ー赤色の珊瑚ですので、「エンジェルスキン」のピンク色の珊瑚は少ないです。
下記はやはりアールヌーボーの頃のエンジェルスキンの珊瑚のネックレス。
粒も大きく色もくっきり、これだけ美しい珊瑚は当店としても初めてです。
また下記は2010年頃のフランスのジュエリーオークションに出品されていた、やはりエンジェルスキン珊瑚のネックレスです。
「peau d'ange」がフランス語でangel skinを意味します。
上記の当店扱いのネックレスとノットの部分の色合いまでが同じだったのでドキッとしました。
ピンク色は濃さがあるほど良いです。
下記はカルティエ製のヴィンテージの指輪ですが、珊瑚自体は上記のネックレスの方が上質です。
最上級のエンジェルスキンの珊瑚は今日、1グラム220-230ユーロ(2017年1月現在1グラム27,500円程)で取引をされることもあるのだとか。
つまりゴールドより高い価格がつけられることがあるのです。
日本でもこのようなピンク色の珊瑚が「桃さんご」と呼ばれ、高知近海で採れたようですが、今では採取されていないそうです。
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