アンティークエナメルロングチェーン 19世紀初頭(シャルル10世)

とりわけ古い時代に作られた希少なアンティークロングチェーン(ソートワール) アンティークチェーンの多くは19世紀後期から1900年頃にかけて作られたものです。
日本ではとにかくフィリグリー線細工チェーンが知名度が高いですが、フィリグリーチェーンも1880-1900年頃に作られたものです。
このチェーンはそのずっと前、1820-1830年ころの作品です。
フランスの政治体制としては、王政復古時代にあたります(隣国イギリスではジョージアン後期です)。
王政復古時代の中でも、特徴的なジュエリーが生み出されたのがシャルル10世の時代で、その典型的なジュエリーを「シャルル10世スタイル」と呼びます。
通好みでプロフェッショナルな方にお好きな方の多い、希少性の高いアンティークジュエリーの中でもとりわけアンティークな作品です。
そしてこのチェーンは何と長さが115センチあります。
この時代のチェーンでこれだけの長さというのは、一層希少です。
モチーフ一つずつがとても小さいので、数えきれないほどのモチーフを編んで作り上げています。
平たく薄いパーツが、この時代のチェーンの特徴です。 故意に部分的に色が塗られたマーガレット 描かれているのはマーガレット。
フランスでは、マーガレットは恋占いに用いられる代表的な花です。
一枚ずつ花びらをちぎりながら、「愛している」→「愛していない」というように占っていきますので、それを描いています。
マーガレットの花の青エナメルが、1枚しか色が塗られていなったり、2枚しか色が塗られていないのはそのためです。
マーガレットは一枚ずつ彫金も素晴らしいです。
マーガレットの花が外枠の大きな花と、内側の一回り小さな花の二重の構造になっています。
その2つの花の間に、彫金で細かな線模様が放射線状に描かれています。
全体は艶のあるゴールドであるのに対して、この彫金の部分のみマットな質感です。
一つずつのモチーフすべてにその作業が施されていますので、膨大な手間がかけられています。
留め具はおそらく後付けですが、やはり古い時代の留め具です。
ここまで古い時代のチェーンはシェルシュミディとしてもこれまで数えるほどしか入荷できたことがありません。
極めて貴重なこちらのロングチェーンは、実は懇意にしているディーラーさんの長年の私物を特別譲り受けたものです。
18カラットゴールド。
こちらのチェーンは動画も撮影しています。
アンティークエナメルロングチェーン 19世紀初頭(シャルル10世)

  • 幅:1150mm 
    重量:13.6g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:627,000円(税込み)

アンティークエナメルロングチェーン 19世紀初頭(シャルル10世)

  • マーガレットのモチーフは直径5ミリ弱でとても小さいです
  • 二重にしても余裕のある長さ。大きさの割に重量がありストンと流れます
  • 花びらが全部塗られたもの、1枚、2枚色が塗られてないもの様々です
  • 裏面は無地です。マーガレットの愛らしい形がよく分かります
  • 留め具も後年のものとはいえアンティークでフランス18金の刻印あり
  • アンティークエナメルロングチェーン 19世紀初頭(シャルル10世)
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アンティークエナメルロングチェーン 19世紀初頭(シャルル10世)

627,000円  [通販価格:税込]
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アンティークエピソード

アンティークロングチェーンネックレス(ソートワール)

アンティークジュエリーの中でもいつもとても問い合わせを多くアイテムにロングチェーンネックレスがあります。
このような特に150センチを超えてくるようなロングネックレスは、フランス語ではよくソートワール(sautoir)と呼ばれます。

時代や様式によりあらゆるデザインで作られたソートワール。
南仏プロヴァンスでは、ソートワールの「連の多さ」は社会的ステータスを表すと考えられていました。

そしてチェーンに十字架やメダル(メダイヨン)、時には時計を通したのです。
時計を通すときはあらかじめ胸の辺りにそれ用の小さなポケットも作られました。
下記は1900年頃の絵葉書で描かれた「アルルの女性たち」。
当時のソートワールの装いが分かる一枚です。

arlesiennes_postal

アンティークソートワールは金銀やプラチナで作られ、豪華なものにはダイヤモンドや真珠、オパールなどが挟まれたものもあります。
下記は当店で販売済みの19世紀後期のソートワールですが、間にオパールが挟まれています。

アンティークオパールネックレス(ソートワール、ロングチェーン)

シェルシュミディでもこれまで金細工が秀逸な王政復古の時代のソートワール、1880-1990年頃のゴールドのフィリグリーのソートワール、1920年代のアールデコロングネックレスなど様々なロングチェーンをご紹介してきましたが、いつも出すたびにすぐに売り切れてしまいます。
現代の装いにも1重でロングで使ったり、2重、3重にしたり使い勝手がよく、しかもエレガントなジュエリーであるからでしょう。

下記は王政復古時代のソートワールで、留め具部分の手をモチーフにした金細工はセンチメンタルジュエリーでもあります。

ゴールド ソートワールロングチェーン(1840年頃)

下記はフィリグリー金細工のゴールドチェーンです。

フィリグリー金細工 アンティークロングチェーン(ソートワール)

またソートワールはゴールド製のものが多いですが、銀製でも下記のように秀逸な素晴らしい作りのアンティークソートワールがあります。
このように凝った留めに具メッセージが込められたものも存在します。

銀のソートワール(ロングネックレス)

珍しい素材では象牙(アイボリー)のソートワールも過去に数点扱いました。

アンティーク象牙(アイボリー)ロングネックレス(ソートワール)

いつも需要が供給に対して逼迫しているアンティークジュエリーでもっとご紹介したいのですが、ソートワールは相続の時に半分にされてしまったりとオリジナルの長さを保っているものが年々少なくなってきています。
例えば2人娘がいた場合に長いネックレスを半分にして、ブレスレットにしてしまうというようにです。

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