超ロングのアンティークゴールドチェーン
久しぶりに超ロングの、美しいモチーフのアンティークゴールドチェーンを入荷しました。
こちらのチェーン長いだけでなく、触れると分かりますが重みもたっぷりあります。
ひし形のパーツが2つ縦に並んだような模様です。
アンティークチェーンと言いますと皆様「フィリグリー細工(線細工)」を思い浮かべられる方が多いですが、このチェーンは線細工ではなく、すべて彫りだしによって仕上げられています。
実際、よく見てみますと1つずつ完全に手作業で仕上げられていることがはっきり分かります。
長いチェーンなだけにモチーフの数も膨大で、これらを1点ずつ手作業で仕上げて言ったとは、途方もない手間がかけられたチェーンです。
重みがあるのも、その削りだす作業に耐えうるゴールドの厚みが必要であったからです。
アンティークチェーンでも手作業の比率の多いものと少ないものがありますが、このチェーンは格別手がかけられています。
長さは圧巻の155センチ。
ロングチェーンの中でも150センチを超えるチェーンは極めて少なく、この長さは私が扱ったアンティークチェーンでも最長です。
馬の刻印が入っています
このような縦長のひし形のモチーフは1900年頃のフランスのアンティークチェーンによく見られますが、このチェーンはその独特な工法からももう少し前の19世紀中ー後期に製作されたチェーンだと思われます。
貴重なことに、このチェーンには「馬の頭の刻印」が押されています。
フランスのアンティークで18金の場合は、「鷲(わし)の頭の刻印」が押されていることが大半です。
両刻印とも使用されていた年月に幅がありますので一概にはいえないのですが、概して「馬の頭」は、より古い時代のジュエリーに打たれることが多い刻印で、私たちディーラーも馬の頭の刻印を見つけると嬉しいものです。
18カラットゴールド。
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アンティークジュエリーの中でもいつもとても問い合わせを多くアイテムにロングチェーンネックレスがあります。
このような特に150センチを超えてくるようなロングネックレスは、フランス語ではよくソートワール(sautoir)と呼ばれます。
時代や様式によりあらゆるデザインで作られたソートワール。
南仏プロヴァンスでは、ソートワールの「連の多さ」は社会的ステータスを表すと考えられていました。
そしてチェーンに十字架やメダル(メダイヨン)、時には時計を通したのです。
時計を通すときはあらかじめ胸の辺りにそれ用の小さなポケットも作られました。
下記は1900年頃の絵葉書で描かれた「アルルの女性たち」。
当時のソートワールの装いが分かる一枚です。
アンティークソートワールは金銀やプラチナで作られ、豪華なものにはダイヤモンドや真珠、オパールなどが挟まれたものもあります。
下記は当店で販売済みの19世紀後期のソートワールですが、間にオパールが挟まれています。
シェルシュミディでもこれまで金細工が秀逸な王政復古の時代のソートワール、1880-1990年頃のゴールドのフィリグリーのソートワール、1920年代のアールデコロングネックレスなど様々なロングチェーンをご紹介してきましたが、いつも出すたびにすぐに売り切れてしまいます。
現代の装いにも1重でロングで使ったり、2重、3重にしたり使い勝手がよく、しかもエレガントなジュエリーであるからでしょう。
下記は王政復古時代のソートワールで、留め具部分の手をモチーフにした金細工はセンチメンタルジュエリーでもあります。
下記はフィリグリー金細工のゴールドチェーンです。
またソートワールはゴールド製のものが多いですが、銀製でも下記のように秀逸な素晴らしい作りのアンティークソートワールがあります。
このように凝った留めに具メッセージが込められたものも存在します。
珍しい素材では象牙(アイボリー)のソートワールも過去に数点扱いました。
いつも需要が供給に対して逼迫しているアンティークジュエリーでもっとご紹介したいのですが、ソートワールは相続の時に半分にされてしまったりとオリジナルの長さを保っているものが年々少なくなってきています。
例えば2人娘がいた場合に長いネックレスを半分にして、ブレスレットにしてしまうというようにです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。