天然真珠アンティーク指輪(オールドマインカットダイヤモンド、20世紀初頭)

最大級の天然真珠、そのいびつな形もまた自然の神秘です 美しい天然真珠のアンティークリング。
この指輪の真ん中の天然真珠は何と6ミリx7ミリ。
天然真珠の場合直径5ミリを超えるものは少なく、天然真珠としては最大級の大きさになります。
この大きさになると真円であることは珍しく、このように多少いびつな形になりますが、それがまた自然のなせる神秘で味わいがあります。
特に中心の天然真珠は横から見るとかなりいびつな形になっていますが、正面から見るとほぼ真円に見えるのが、セッティングの妙です。
アンティークの天然真珠を使ったジュエリー、特に指輪ではこのようなことがよく見られます。
一つずつ異なる天然の真珠の良さが存分に活かされているのです。
裏面、天然真珠の高度なセッティング、ダイヤモンド1石ずつ綺麗に開けられた窓を見ますと、いかにレベルの高い仕事がされているか一目瞭然です。
真珠はゴールドの針で後ろから突き刺すようにセットしていて、真珠の周りに爪や台座などの遮りがない美しいセッティングです。
一見繊細なセッティングに見えるかもしれませんが、それぞれの真珠の形にあわせた台座で真珠全体をしっかり囲んでいて堅牢です。 素晴らしい質のオールドマインカット(クッションシェイプ)ダイヤモンド 周囲を加工12粒の大きなダイヤモンドはクッションシェイプダイヤモンド(オールドマインカットダイヤモンド)になります。
「座布団(クッション)」のようなスクエアを帯びた形で、長いアンティークの歴史の中でも特に19世紀後期から1930年代までのハイクラスのダイヤモンドジュエリーの一部に見ることが出来ます。
クラウンに厚みがあるために、光を当てた時にダイナミックなシンチレーションを楽しむことが出来ます。
脇石のダイヤモンドをしかもこの数だじけ、オールドマインカットにしてるのは、珍しいです。
この時代、良質なダイヤモンドはローズカットではなくオールドマインにカットにするのが通例で、数を要す脇石はむしろローズカットダイヤモンドを用いることが多かったのです。
実際にいずれのダイヤモンドも直径3ミリ以上と大粒で、通常であれば1石だけでメイン石を飾れるダイヤモンドです。
1900-1910年頃のフランス製。
18金ゴールド。
指輪サイズは12号(サイズ直しは有料で可能)。

  • 幅:12mm 
    高さ:23mm 
    重量:7.1g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

天然真珠アンティーク指輪(オールドマインカットダイヤモンド、20世紀初頭)

  • 厚みのあるぷっくりとした天然真珠。見飽きることのない自然の産物です
  • ダイヤモンドも真珠も「白い宝石」。グレードの高い高貴な印象を与えます
  • 外周の大粒のダイヤモンドだけでなく、その内側や真珠の間にダイヤモンド!
  • 石の形にピッタリ合った緻密なセッティングは裏から見るとよく分かります
  • フランス18カラットゴールドの刻印あり
  • 天然真珠アンティーク指輪(オールドマインカットダイヤモンド、20世紀初頭)
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アンティークエピソード

「ダイヤモンドと天然真珠」の組み合わせのアンティークジュエリー

真珠とダイヤモンドの組み合わせのジュエリーはヨーロッパでは古くから存在し常に女性の心を魅了してきました。
フランスアンティークジュエリーでは特に、1900年前後に製作されたアンティークジュエリーに、「ダイヤモンドx天然真珠」のハイレベルなジュエリーで見られます。
この時代は、天然真珠がダイヤモンドよりも人気が高く高価でした。
下記は当店で販売済みのクロスオーバーリング。
1900年頃に製作されています。

アンティーク天然パールリング(クロスオーバー、ローズカットダイヤモンド)

天然パールとローズカットダイヤモンド 二連リング

清楚な「ダイヤモンドx天然真珠のジュエリー」は、1900年前後に最も愛された宝石の組み合わせであり、供給面でもそれが可能な時代でした。
この時代は宝飾史上でもほぼ唯一、「最高品質のダイヤモンドと最高品質の天然真珠」が共存した時代です。


下記は天然パールとダイヤモンドづくしのバーブローチ。

天然パールとオールドヨーロピアンカットダイヤモンド バーブローチ

天然真珠とダイヤモンドの両方が上質なものを使えた時代
天然真珠とダイヤモンドの両方が上質なものを使えた時代というのは、長い宝飾史の中でも他に存在しません。
真珠は概して、古い時代のほうが良いものが存在した宝石です。
古ければ古いほど・・・と言ってしまうと極端ですが、例えばフランスのアンティークジュエリーで良質な天然真珠がセットされたジュエリーが見られるのは主に19世紀初頭から1930年代までです。
養殖真珠が市場に一般的に流通しはじめる1920-30年以降は、天然真珠は段々に少なくなってしまうのです。

一方ダイヤモンドはアンティークジュエリー史上、古くから重用されてきた宝石ですが、新大陸(南アフリカ)の鉱山が発見されるのは1860年代になってからです。
19世紀後期になるとこの新鉱山の発見を受けて、ダイヤモンドの流通量はそれ以前に比べて格段に増えます。
19世紀後期-20世紀初頭は「ダイヤモンドと真珠」と言うアンティークジュエリーで最も愛された2つの宝石が共に豊かに使えた、宝石史上、稀に見る貴重な時代だったのです。

下記は1908年にカルティエの製作した「ココシュニックティアラ(ロシア風ティアラ)」 。
それは美しい、天然真珠とオールドカットダイヤモンドのティアラです。

カルティエティアラ

ダイヤモンドのカッティングもちょうど過渡期にあたるため、この時代のダイヤモンドにはローズカット及びオールドカットダイヤモンド、両方がありえます。
20世紀に入り年月が経ていきますと、脇石以外ではローズカットダイヤモンドはあまり見られなくなっていきます。
この時代はジュエリー製作は数年に渡り、カッティングは19世紀中に行われているケースもありましたので正確に何年からとは言い切れないところですが、大きなジュエリーの流れ(トレンド)としては上記のようになります。

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