極めて珍しい18世紀の地方ジュエリー
18世紀のフランス西部のVendee(ヴァンデ)という地域の地方ジュエリー。
アンティークジュエリーとして大変希少価値のあるジュエリーです。
ヴァンデ地方は、こうしたハート型のジュエリーがレジョナルジュエリー(地方ジュエリー)が発展したことで有名です。
この地方では18-19世紀にかけて、忠誠や信仰、愛情に敬意を表したリングがハート型で作られました。
1900年前後にフランス全土で流行する、ファッションとしてのハート型のジュエリーとまた異なり、地方性豊かな独特のハートジュエリーを見えることができます。
ハート部分だけがゴールドでできています
全体の地金は銀なのですが、中心の2つのハートの部分だけ色が違うことにお気づきでしょうか?
実はこれもこの時代のこの地方独特のものなのですが、何とハートの部分だけがゴールドでできているのです!
赤い石はすべてガーネットで、最も良いとされる明るい濃い赤色。
小ぶりながらこの時代に手に入る最高のガーネットを使っています。
フランス西部ではかつて、少量ではありますがガーネットが採れる地域でもありまいた。
このガーネットは色味から判断しても地元のものを使っています。
いろいろな意味で、とても貴重なアンティークジュエリーです。
指輪サイズは11.5号(有料でサイズ直し可)。
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フランスは料理、言語、建築、文化等々、地方性の豊かな国。
ジュエリーは特に20世紀初頭以降は基本的にはパリを中心に発展したため、断然パリで作られたアンティークジュエリーが多いです。
しかしそれでも19世紀のジュエリーには、まだまだ地方性豊かなジュエリーを見つけることができます。
特に有名なのが「南仏プロヴァンス」。
プロヴァンス地方(現在のエクサンプロヴァンス、カマルグあたり)で作られたジュエリー(ビジュー)を「ビジュードプロヴァンス」と呼んでいます。
またサヴォワ地方などはクレオール型を変形したようなピアスが昔から作られている他、ノルマンディー地方もこの地方独特の特徴あるジュエリーが作られました。
それ以外のフランスの地方ジュエリーにヴァンデ地方のジュエリー、フランドル地方のジュエリーがあります。
ヴァンデ県(Vendee)は、フランスのペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の県にあります。
中世、アキテーヌの北部を占めた現在のヴァンデは、やがてバ=ポワトゥー部に含まれるようになります。
人口の約半数がユグノーであったバポワトゥーは、16世紀と17世紀に起きたユグノー戦争の対立が激しかった地域です。
ユグノーに対する強力な抑圧は、彼らにカトリックへの再改宗、または国外亡命を強いるものでした。
ヴァンデという小さな年で、こうした独特な地方ジュエリーが生まれた理由のひとつは、こうした歴史的経緯のためです。
フランスでは隠れて信仰を守らなくてはならなかった住民の多い地域で、独特な地方ジュエリーが生み出されているのです。
ヴァンデは小さい地方都市ですし、言うまでもなくヴァンデの地方ジュエリーは、歴史的にとても希少なものです。
下記は当店で販売済みのやはりヴァンデ地方特有のリング。
この地方独特の、昔のジュエリーはよく、フランスで発行ジュエリーを集めたカタログなどでその代表的存在として紹介されています。
フランス現地のディーラーさんでも、地方ジュエリーに特化した人はとても少ないですが(物がまず少ないのでとても難しいです)、この指輪はそうした非常に数少ない精鋭のディーラーさんから手に入れた一品です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。