アールヌーボーとアーツアンドクラフツ、ユーゲント・シュティール

19世紀末にありとあらゆる芸術領域でフランスを席捲していたアールヌーボー。
当時同じような職人芸術がイギリス(アーツアンドクラフツ)やドイツ(ユーゲント・シュティール)で起こります。

アーツアンドクラフツは、イギリスのウイリアム・モリスが提唱した芸術運動で、アールヌーボーの理論的先駆けでもあります。
機械作りの低品質の物が氾濫している現状から、中世のように手作りの物を作ろうとしたのです。
モリスがモリス商会を設立し、職人の手作業を重視して作られた商品(ジュエリー以外も家具、インテリア装飾品が作られました)を販売しますが、手作業ということもあって自分の理想を実現するには理想を求めれば求めるほどコストがかかり、うまくいかなくなります。

そして台頭してくるのが、リバティー商会(リバティ百貨店)です。
1875年、東洋に強い憧れをもったアーサー・ラセンビィ・リバティはリバティ百貨店をオープン。
ウィリアム・モリスをはじめとする革新的で最高のデザイナーたちとの交流により、「アーツ・アンド・クラフツ運動」や「アール・ヌーヴォー」といった19世紀末のデザインムーブメントにおける中心的存在となりました。

ところで「リバティ=アーツアンドクラフト」のイメージが強いと思いますが、そうである部分とそうでない部分があります。
カボションカットされた宝石やエナメル技法、金属の表面をハンマーで叩いているところ、銀の多用などアーツアンドクラフツの代表的な特徴を備えていますが、実は初期の頃の作品以外は徹底して、可能な限りマシンメイドになっています。
アールヌーボー(アーツアンドクラフツ)が職人が理想を追い求めた芸術様式であるのに対して、その製作は商業的です。
またアールヌーボーが作家性を大事にしてサインドピースがもてはやされていたのに対し、リバティはその商品がリバティの商品として認知されることを好み、作家のサインは必要に迫られる限りは入れさせませんでした。
イギリスでもっとも商業的に成功をしたアーツアンドクラフツ運動は、アーツアンドクラフツの根本思想の間逆にあるマシンメイドによるジュエリーであったということは、なんとも皮肉な話です。
下記はアーチボルトノックスがデザインした、リバティ社のエナメルの櫛です。

リバティ社

お国は変わりドイツ語圏であるドイツやオランダでもこの時代にやはり「ユーゲント・シュティール(Jugendstil)」と言われる芸術活動が盛んになります。
ユーゲントシュティールも花、葉っぱなどやはり自然からその題材を得ます。
フランスのアールヌーボーとは趣が異なり、アールーボーよりも直線を取り入れたデザインでアールデコの要素を先取りしています。
ドイツではユーゲント・シュティールのオリジナルのジュエリーを模して大量生産品も作られると言ったことが起きました。
当時の中産階級のニーズに応えるためで、テオドールファーナーが得意とした技法です。
これらは必ず、オリジナルの銀や金より劣った金属(例えばアルパカや銅)で作られましたので、特にユーゲント・シュティールスタイルのジュエリーでは素材を確認することがより重要になります。

オランダではヨーゼフ・ホフマンがデザイン総指揮の下、Wiener Werkstaatte工房が美しいユーゲントシュティールのジュエリーを生み出しています。
ジュエリーをデザインする者、そして製作する者に分けて作り出す試みでした。

下記はヨーゼフ・ホフマンがデザインしたブローチ、1907年製作です。
フレンチアールヌーボーとは一線を画した、来たるアールデコの要素を感じさせる作品ですね。

ヨーゼフ・ホフマン

こちらはヨーゼフホフマンがデザイン、Karl PonocnyがWiener Werkstaatte工房のために製作したブローチ。1905年製作です。

ヨーゼフ・ホフマン



このようにフランスから発祥はアールヌーボーは、広くヨーロッパ各国へそして当時のアメリカにさえ影響を及ぼしました。
それぞれ作風に違いがあり面白いですが、実際にアンティーク市場で手にすることが出来るのはフレンチアールヌーボー、アーツアンドクラフツの作品は銀製のあまり品質のよくないものは比較的よく見られます。
ユーゲント・シュティールのジュエリーはそもそもの数が少なく、また前述しましたコピー品ではなく本当のユーゲント・シュティールのジュエリーはきわめて希少です。

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