ペアシェイプ ローズカットダイヤモンドピアス(18世紀 ボックス付き)

18世紀と19世紀の合作 このピアスはダイヤモンドとその周りは、18世紀の典型的な作りで、ピアス金具の(ローズゴールドで出来た箇所)のみが19世紀です。
18世紀の針の太い旧式のピアスが、後年になって変更されたのでしょう。
ダイヤモンド周りは銀の台座でクローズドセッティングになっています。
この大粒のダイヤモンドを台座ごと、ゴールドで包み込むようにセットしてピアスになっています。
このゴールド部分は現代のイエローゴールドより少しピンクを帯びた当時ならではのローズゴールドです。
このセッティングも18世紀までは遡らずも、19世紀の前半とかなり古い時代のセッティングです。
このローズゴールドの台座部分はフルールドリスのモチーフになっており、横から見たときも装飾の美しいピアスです。 ダイヤモンドの形がペアシェイプ(洋ナシカット)になっています かなり大きなダイヤモンドで横幅が6ミリ、縦幅が8ミリ強。
この時代のダイヤモンドとしては相当な大きさです。
裏面はクローズドセッティングになっているので見えませんが、石の中を見る限り厚みもありそうです。
ダイヤモンドそのものはローズカットにされていますが、19世紀のローズカットに比べて扁平なカッティングにも18世紀のダイヤモンドの特徴が出ています。
「フォイルバック」といって宝石とクローズドセットされた台座との間に金属のフォイルを敷かれてるため、色が付いているように見えますがほぼ無色のダイヤモンドです。
フォイルバックは18世紀から19世紀前期に多く使用された技法です。
メインダイヤモンドの上には小さな円形のダイヤモンドがセットされていますが、こちらもローズカットにされています。
このローズカットもよくある破片のように薄いローズカットダイヤモンドではなく、コロンとした厚みが愛らしいです。
オリジナルかどうかは定かではございませんが(比較的ある形のボックスのため判断不可)ボックス付きで入手しましたのでそのままお付けいたします。
ご不要な場合には教えていただけましたら幸いです。
注:片側のダイヤモンドの右端に数ミリ程度の僅かなえぐれ傷があります。
欠けではなく浅いえぐれなのでルーペで見ても角度によっては相当分かりづらいですが、7番目の写真の左側のピアスの右上です。

  • 幅:7mm 
    高さ:1.6mm 
    重量:2.4g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

ペアシェイプ ローズカットダイヤモンドピアス(18世紀 ボックス付き)

  • 洋ナシの形で特別な存在感。ダイヤモンドの銀の縁にはギザギザが入ってます
  • 金具を含めて縦全体の長さが1.6センチ、長すぎずバランスも取りやすいです
  • フォイルバックで色が付いてるように見えますがほぼ無色、内包物はあります
  • 内包物はこの時代ですので当然ありますが透明度がある石です
  • フランスの18カラットの刻印あり
  • ペアシェイプ ローズカットダイヤモンドピアス(18世紀 ボックス付き)
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アンティークエピソード

18世紀のアンティークジュエリーについて

アンティークジュエリーの中でも現在市場に流通するアンティークジュエリーの多くは、19世紀後期以降のものです。
18世紀のアンティークジュエリーというのは、イギリスのアンティークジュエリーでもフランスのアンティークジュエリーであってもきわめて流通量が少ないもの。
どれくらい少ないかというと、現地のアンティークショップに行っても、ほとんどのお店にも一点もないのが普通です。
実際、当ショップでも18世紀のジュエリーは数えられるぐらいしか扱っていません。
出てくることは稀で、高いお金を払おうが払うまいが、滅多に見つけられないのが18世紀アンティークジュエリーなのです。

下記は当店で販売済みの1750年製作のパズルリング。

1750年パズルリング

フランスの18世紀ジュエリーはその大半がフランス革命(1789-1799)に入る前に作られていますから、まさに250年以上前に作られた歴史的遺産です。
ブルボン王家の最盛期から、フランス革命によって王政が滅びた激動のフランス18世紀。
歴史的に見てもとても面白い時代ですし、ご存知のとおり文化的に素晴らしく洗練されて成熟した文化が生まれて、そしてその多くがフランス革命によってフランス国外へ流出してしまいます。

「光の時代」
装飾芸術のフランス語の文献ではよく18世紀は「Siecle des lumieres(光の時代)」と表現されます。
18世紀はライトとライトネス。
蝋燭(ろうそく)が普及して蝋燭の明かりの下で過ごす時間が増えたことが、ジュエリーに大きな変化をもたらします。
この時代にイギリスやフランスでカントリーハウスも増えたこともあいまり(映画「マリーアントワネット」でも描かれていますね)、昼用のジュエリーと夜用のジュエリーがはっきり分かれるようになります。
このようにして17世紀までのヨーロッパで主流であったエナメルを多用したジュエリーから、ダイヤモンドを中心にする宝石のジュエリーへと大きな変革が訪れます。

ロココ様式ではダイヤモンドのみならず彩り豊かなジュエリー、そして大きめの宝石をセットすることが好まれました。
18世紀にエメラルドやサファイヤ、ルビーなど色のついた宝石がそれ以前の時代に比べて多くジュエリーのセットされるようになります。

下記は当店で販売済みの18世紀のエメラルドリング。
指輪はこの時代、裏がクローズドになっているのが一般的です。

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宝石以外では、良質な無色の鉛ガラスや色つきのガラスペーストが当時の貴族たちに好まれ、ガラスとは思えないほど美しくセットされたジュエリーが見られます。
こうしたジュエリーはガラスとは言え、非常に高額に取引されていますし気高く美しいジュエリーです。

18世紀ペーストガラスネックレス(銀とスティール)

こうした本物の18世紀のジュエリーは、数十年前ならともかく現在パリのアンティークショップを回っても見かけることがほとんどありません。
当店でもこれまで仕入れることのできた18世紀のジュエリーは多くは、懇意にしているディーラーの個人コレクションを売ってもらったものです。
今後、この時代のこうしたジュエリーはますます希少にご紹介しずらくなっていきそうです。

18世紀ジュエリーに関して更に詳しい情報は、18世紀アンティークジュエリーの特徴と魅力をご参照ください。

アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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