斬新で大胆なアールデコのブローチ
1930年頃のベルギーのアール・デコのブローチ。
フランスのアールデコより斬新でモダンなデザインに目を奪われることでしょう。
ベースはシルバーで、ところどころに金塗りを施したり、エナメルを施したりしています。
真ん中のアクアマリン色の石はガラス石で、ガラス石をダイヤモンドカットしている奇抜さが、当時らしいオリジナリティです。
幾何学性を使用した空間の作り方が味わい
このブローチはすべてが長方形、正方形、円形、半円形からできています。
幾何学的なモチーフを巧みに組み合わることによって、「不規則的な秩序」が生んでいます。
「ジュエリー」という枠を超えたひとつのアート作品のよう。
こうした独創的なジュエリーは、1930年代フランスアールデコの影響をうけた諸外国の一部の作品に見つけることができます。
これらの作家性の高いジュエリーは、署名の入ったものを中心に(このブローチには署名は入っていませんが、当時の一流作家の作品であることは確かです)、アールヌーボの作家ジュエリーを凌ぐ評価がつけられています。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークジュエリーと言いますとやはり英仏を初めとするヨーロッパのイメージが強いと思います。
「アメリカにアンティークジュエリーってあるのですか?」と言うご質問を受けることも度々です。
アメリカのアンティークジュエリーでも良いものは存在します。
ただアメリカで本格的にヨーロッパのようなジュエリーが製作されるのは、20世紀に入ってから。
特にアメリカが空前の好景気に沸いた、1920年頃には素晴らしいジュエリーの数々が作られています。
下記は当店で販売済みの、アメリカ製のゴールドバングルです。
刻印等がなければ、ヨーロッパのアンティークジュエリーとの違いを感じることもないでしょう。
実際、この時代多くのヨーロッパのジュエラーが海を渡り、実際に製作していたのはヨーロッパのジュエラーであることも多いです。
アメリカのジュエリーの特徴として、アメリカのジュエリーの多くが14ctゴールドで作られている点があります。
実際、アメリカのジュエリーの9割は14カラットゴールドであると言われています。
これは実は現在でもその傾向があり、例えば私の私的な友人でアメリカ人の旦那さんからもだった結婚指輪がやはり14カラットゴールドでした。
一方でアンティーク市場では、アメリカ製でも18カラットゴールドのものも存在します。
これは当時、主に輸出用に作られたり、国際的に展開するティファニーなどのブランドなどが18カラットゴールドを好んだためです。
また近年、非常に評価が増しているエステートジュエリーと呼ばれる類のヴィンテージジュエリーの本場はヨーロッパよりむしろアメリカです。
ちなみに「エステートジュエリー」は直訳しますと「資産になるジュエリー」と言う意味になります。
下記は面白い例でティファニーのドイツ社で作られたブローチです。
ご存知の通りティファニーはアメリカの会社ですが、当時世界の複数の都市(ロンドン、パリ、ミラノ等)で展開をしていました。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。