アメリカのアンティークバングルブレスレット
金細工の美しいアンティークバングルブレスレット。
見たところフランスあたりのヨーロピアンジュエリーに見えますが、こちらは休暇中にアメリカで入手しましたアメリカのアンティークジュエリーです。
製作されたのは1920年頃だと思われます。
アメリカでも20世紀初頭以降は美しいジュエリーの数々が作られていますが、これらのほとんどは当時ヨーロッパからアメリカに渡った職人らによって作られています。
そうした事情でデザイン的にもヨーロッパのジュエリーと似たものも多く、刻印がないと識別も難しいことも多いです。
ヨーロッパのジュエリーとの大きな違いの一つは、アメリカのアンティークジュエリーはほぼ9割、14金ゴールドで作られているという点です。
ヨーロッパでもオーストリアやドイツ、オランダなどはスタンダードの金位が14金でしたので、アメリカのジュエリーだけの特徴でもないですが、一つの目安ではあります。
このバングルブレスレットは良い意味でヨーロピアンテイストのジュエリーです。
ヨーロッパの伝統的な金細工技術を受け継ぎ、葉っぱのようなハートのようなモチーフが連なります。
この葉っぱのモチーフの部分も端の枠の部分も表面部分にはミルグレインが打たれていて、触れると心地よいギザギザとした触感があります。
重量もあり堅牢に作られたバングルですので、日常生活に取り入れていただくのにぴったりです。
矢車草色のモンタナサファイヤ
このバングルを仕入れる決め手になったのが3石のブルーサファイヤです。
いわゆるサファイヤ色に比べて明るい色調のコーンフラワー(矢車草)色です。
これは当時、アメリカのモンタナ州だけで採れたモンタナサファイヤの典型的な色です。
モンタナサファイヤは1879年にモンタナ州の鉱山で見つかり、ティファニー社の副社長でもあったクンツ博士によって絶賛されます。
世界中の人々を虜にしましたが、鉱山はすでに枯渇し閉山されてしまっています。
まさに一時期のアンティークジュエリーでしか見ることの出来ない幻の宝石ですし、アンティークジュエリーでも滅多に見ることがありません。
当時も相当流通量が少なかったはずです。
バングルの内側が5.6センチx6.5センチです。
外側が6.2センチx7センチです。
アンティークジュエリーのバングルは大きすぎることも多いのですが、このバングルは日本女性によく合うサイズ感です。
14カラットゴールド。
20世紀初頭のアメリカ製。
内寸は18.5センチになります。
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バングル(bangle)とは本来、金、銀、ガラスなどで作られた飾り輪、腕輪のこと(足首飾りも含む)を指していました。
そこからブレスレットのように手首にはめるジュエリー(=バングルブレスレット)を指すようになりました。
バングルは西欧では、古くから好まれてきたジュエリーのひとつです。
古くから銀製やゴールド製のバングルが多く作られました。
下記は当店で販売済みのでフランスのアンティークバングルです。
王政復古時代(19世紀初頭)の作品です。
アンティークバングルで特によく見る宝石はガーネットです。
全周にガーネットが敷き詰められたものもありますし、表から見える約半分に敷き詰められたものがあります。
下記は当店で販売済みの全周にガーネットが施されたバングルです。
アンティークバングルで特に王道なのがフランスのアールヌーボー期に作られた金細工が施されたゴールドバングルです。
太さも細身のものや幅の広いもの、金細工の模様も様々です。
ヨーロッパのディーラーさんなどは一見似たこのようなゴールドバングルを好んで重ねづけされていることが多いです。
また特に王政復古時代の頃、一見線のように見える非常に細身なバングルも作られました。
側面で幅を持たせて堅牢さを出しています。
アンティークバングルはイギリス、フランスを始めロシアやアメリカなどでも作られました。
下記はロシア製のアンティークバングルです。
下記はアメリカ製のアンティークバングルです。
バングルは構造上どうしても留め具の部分に負荷がかかりますから、「耐久性」の面からも特にアンティークジュエリーでお探しになることをお薦めいたします。
ハンドメイドで作りこまれているため、現代ジュエリーでは壊れがちな留め具部分も100年以上たってもパチンときっちり閉まることが多いです。
また万が一修理が必要な場合にも、アンティークバングルの場合には可能なことがほとんどです。
一方の現代のジュエリーは鋳型で作っているため、部分的に修理を施すと言うことが難しいです。
大事に使っていただけたら何年も何十年も使い続けることができます。
ところで腕時計やバングルの長さについて、手首の長さに対してどれぐらいの尺のものが良いかお悩みになる方も多いようです。
時計の場合、手首の寸法プラス1-1.5センチに調整することが多いです。
この場合は余裕はそれほど出ない状態でわりとピッタリとした装着感になります。
少し大きめに着けられたいときはプラス2センチ程などでも良いです。
またブレスやバングルの場合は、一般的に腕時計よりもう少し遊びが出たほうが綺麗ですので、もう少し大きめが良いです。
模様や素材等にもよりますが、バングルをカットして短くすることも可能な場合もございます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。