--- アンティーク・エピソード ---動物をモチーフにしたアンティークジュエリー(猿 犬 馬 猫 うさぎ 鳥)

アンティークジュエリーでは時々、そのモチーフとして動物が登場します。
こうした動物をモチーフにしたジュエリーは、センチメンタルジュエリーの一つです。
ヨーロッパでは愛する人、親しい人を「私の可愛い子猫ちゃん」「私のおてんばなお猿くん」等、動物にちなんだ呼び方をすることが昔から多くあります。
動物のジュエリーが19世紀の後期以降作られたのも、ヨーロッパでセンチメンタルジュエリーが流行した時期と重なります。
造形的に愛くるしい動物のシルエットを持つジュエリーは、ノベルティのように、愛する人への(特に男性から女性へ)プレゼント、記念品にされました。

よくモチーフとされたのは、犬、馬、猿、鹿、虎、狼,猫あたりです。
身近な動物たちが、贅沢で愛らしいジュエリーに仕上げられました。
下記は当店で販売済みの「狼」のペンダントトップ。

狼(オオカミ)の顔のアンティークペンダントトップ

下記は当店扱いの「猿(モンキー)」のペンダントトップ。

猿(モンキー)アンティークゴールドペンダントトップ (19世紀後期 ダイヤモンド)

猿(モンキー)」は東洋では「神聖な動物」とされており、ルネサンス時代以降にインドやエジプトからヨーロッパへ連れてこられ、当時の宮廷で珍重されていました。
イギリスやフランスで特に19世紀後期以降、猿をモチーフにした指輪やブローチ、ペンダントなどが度々作られました。
猿のボディをダイヤモンドで埋め尽くしたものなど、贅を尽くした作りのものも多いです。

下記は数年前にクリスティーズに出展された猿のブローチ。
ローズカットダイヤモンドとオールドヨーロピアンカットがパヴェセッティングされ、目にはピンクサファイヤが入っています。
1890年頃のフランス製。

猿のアンティークジュエリー

(c) CHRISTIE'S 2017

下記はウサギをモチーフにしたチャームです。

うさぎのチャームペンダント

下記は猫をモチーフにしたブローチです。

ヴィンテージ猫ブローチ(1950年代 ルビー バロック真珠)

1950年前後は、肉厚のゴールドを用いた、旧来のアンティークジュエリーで描かれた動物とは一線を画す、とても明るいテイストのジュエリーが特にグランメゾンを中心に製作されました。
その中でもアイコン的な存在なのが、ヴァンクリーフアーペル社による猫やパンテールのジュエリーです。
下記は1950年代に製作されたヴァンクリーフアーペル社の猫のブローチで数年前にササビーズに出展されたジュエリーです。
目にはエメラルド、鼻にルビー、腹部にカボションカットされたオニキス。
この時代のこうした小動物のジュエリーは、鮮やかなイエローゴールドと宝石がしっかり使われているところがポイントです。

猫ヴァンクリーフアーペル

(c) Sotherby's

下記はまた鴨(かも)をモチーフにした指輪です。
一見蛇のように見えるのですが、鴨であるあたりがまた面白くフランスらしいです。

鴨(かも)のアンティークリング

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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。

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