--- アンティークジュエリーについて ---アンティークジュエリーの刻印(ホールマーク)について

フランスの刻印(ホールマーク)制度 世界で最も長いジュエリーの歴史をもつ国のひとつフランス。
フランスの刻印制度はイギリスと並び世界で最も早く、制度が作られました。
フランスの刻印は金の刻印だけでもフランス国内用に作られたゴールド製品の押される刻印、輸出用ゴールド製品に押される刻印、輸入金製品に押される刻印等いくつもあります。
すべてを網羅するのはプロでも難しいですが、アンティークジュエリーで使われる刻印はある程度は決まっています。
(もちろん珍しい刻印も時々出てくるのですが・・・)

フランスの刻印は昔も今も国によって厳しく管理されていますので、「金位や貴金属の区分」に関しては、刻印を正確に読み取ればまがい品をつかむことはまずありません。
ただし刻印で読み取れるにはフランスのアンティークジュエリーの場合、貴金属の種類と金位、製造国が主で、必ずしもアンティークの真偽を保証するものではないことも多いです。
(イギリスの場合、製造年や具体的な地域までが刻印で読み取れる場合が多いです)

もちろんヒントになるところはあります。
分からない刻印を調べたいときは、分厚いフランスの専門書で調べるとほとんどすべてが明らかになります。
下記は当店で保有しているフランスの刻印の本です。

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刻印がないアンティークジュエリーというのもあります。
「刻印がない=必ずしもフェイク」と言うことではなく、アンティークジュエリーの真偽は色々な要素を複合的に観る必要があります。
しかしそのジュエリーの真偽や歴史をたどる大きな道しるべになることは確かです。

フランスのアンティークジュエリーに使われている代表的な刻印 
1)鷲(わし)の頭
フランスのアンティークジュエリーで一番多く見る刻印です。
フランスの18金の刻印の一つです。

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18金の刻印ですが、正確に言いますと「18金以上の金に押される刻印」です。
フランスの金の刻印には18金までしか存在しません。
フランスの刻印の法律は非常に厳しく、18金の刻印が押されたジュエリーが18金以下のことはないですが、18金以上のことはよくあります。
例えばその作品の意匠から20金近いゴールドが使われていた時も、18金の刻印が押されています。

この鷲の頭の刻印、フランスのアンティークジュエリーでもっともよく見られる刻印で、よく「鷲の頭=アンティークの証ですよ」と記載されたりしているのですが、それは正確ではありません。
鷲の頭の刻印は1838年から存在し、何と現在まで使われている刻印なのです。

長い年月の中で3回マイナーチェンジをしています。

1代目の鷲の頭(1838-1847年):非常に短い間しか使われていないのと、19世紀の前半はまだ刻印制度がそこまで浸透していなかったので、実際のマーケットでこの「初代鷲の頭の刻印」を見る機会は少ないです

2代目の鷲の頭(1847年-1919年)

3代目の鷲の頭(1919年から)

実寸はわずか2ミリほどの刻印の中で非常に類似しているので、大なり小なり磨耗の見られるアンティークジュエリーにおいて見分けは宝石顕微鏡でプロが精査しても現実的には不可能な場合も多いです。
3代目の鷲の頭は1919年から80年代までと非常に長い年月の間に用いられている刻印です。
アールデコのジュエリーに押される刻印も、80年代のジュエリーに押される刻印も、刻印はまったく同じと言うケースがありえます。
2種類の「鷲の頭」が併用されていた時代というのもあります。


またパリ地方で使われていた「鷲の頭」以外に地方だけで使われた「鷲の頭」もあります。
例えば下記ですが、非常に酷似していますので、やはり実寸では見分けは難しいことが多いです。

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この話だけでもう読むのが嫌になってしまいそうなぐらい複雑ですね(^^)
刻印だけで年代を特定するのがいかに難しく、不可能であることも多いことが分かっていただけたでしょう。

2)馬の頭
馬の頭の刻印は、フランスの刻印としては珍しく年代を特定できる刻印になります。
なぜならこの馬の刻印は1838年から1919年までの間にしか用いられなかった刻印だからです。



3)犬の頭
プラチナのジュエリーに押される刻印です。
1912年から存在します。



4)「サンジャック貝」
フランスで製造された14K(14金)ゴールドに、入れられることが最も多い刻印です。
他の刻印が動物の頭が多いので、年月を経てすれてくると時々見分けが難しくなってくるのですが、サンジャック貝のありがたいところは見分けが比較的容易ということです。

5)「クローバー(三つ葉)」
フランスのゴールドは18Kが標準なので9Kや14Kが使われるのは稀ですが、稀に9K(9金)ゴールドも使われます。
フランスの9K(9金)ゴールドの刻印として最も一般的なのは三つ葉のクローバーです。

6)「梟(ふくろう)」
「鷲の頭」の刻印と同じく、18Kゴールド以上であることを意味します。
梟の刻印は、他国からフランスに輸入されたジュエリーをフランスでコントロールした時に押されます。
例えばイギリスで作られたアンティークジュエリーが、フランスでチェックを受けてフランスで刻印が打たれるときに用いられます。



しかしフクロウの刻印だからといって必ずしもフランスで作られたものではない(輸入品)であると100%言い切れるわけではありません。
実際に当店でも明らかにフランスのアンティークジュエリーと推定されるジュエリーに、フクロウの刻印が押されていたと言うケースに何度も直面しています。

例えば元々フランスで作られてその時に刻印を押されずに輸出されて、そして再びフランスに戻ってきたものは、元々がフランスで作られたジュエリーであってもフクロウの刻印が押されます。
可能性としては少なそうに感じるかもしれませんが、例えば当初オーダーメイドで作られたジュエリー(刻印が押されないことが多いです)や19世紀初期までのジュエリーですと製作時に刻印が押されずに後でコントロールを受けるケースは非常に多いです。

またフクロウの刻印は、「輸入品」にだけでなく、「出自がはっきりしないジュエリー」にも押される刻印です。
後に記載しておりますようにアンティークジュエリーでは、オリジナルの刻印がないというケースが多くありますが、現代フランスの法律で貴金属のジュエリー(特にゴールド)に関しては、法律に基づいて再コントロールをすることが求められています。

明らかにフランスで作られたアンティークジュエリーであっても、そのジュエリーを再コントロールに持ち込んだディーラーがあまり詳しくない、あるいは資料等も用意できなかった場合は「鷲の頭」ではなく「梟の頭」が押されることもしばしばです。
再コントロールの事務所で働く方のほとんどはいわゆるお役人でジュエリーのプロではありません。
博学のディーラーの方が明らかにフランスのアンティークジュエリーであることを様々に説明しても、再コントロールでフクロウの刻印を押されてしまうことは、残念ながら多いそうです。

また当店で実際にあった事例でアンティーク時計の場合、時計の機械は当時スイスで多く作られましたので、ケースがフランスで作られたと想定される場合もフクロウの刻印が押されていることがありました。
これは時計製造の工程にもよるのでしょう(機械内部を先に作ったのか、機械を先に作ってフランス国内で仕上げたのか等によって押される刻印が変わってしまうこともあります)。

7)猪(いのしし)の頭
銀のジュエリーにもっともよく押される刻印です。

8)ミネルヴァ
銀でもジュエリーではなく、銀ケースやカトラリーなどの銀製品にはミネルヴァの刻印が押されることが多いです。

9)ET
こちらは滅多に見ることのない珍しい刻印です。
フランスでもイギリスでも刻印は、「そのジュエリーが14Kゴールドである」とか「18Kゴールドである」といったように、素材やカラットを明らかにするものが普通です。
しかし例外がありその代表的なものが、このピアスに入っている「ET」という刻印です。
この刻印はアンティークの中でもかなり古いものに時々見かける刻印ですが、何と金にも銀にも押される刻印なのです。
1749年から用いられていた、フランスの刻印の中でも最も歴史が古い刻印の一つです。
「ET」の刻印の入ったアンティークジュエリーの場合、詳しいカラット等は刻印からは分からないので別の方法で調べることになります。
つまり「金位を示す」と言う意味では用を足していない刻印ですが、そのジュエリーが古い時代のものであるという証明になっている刻印です。
多くのフランスアンティークジュエリーの刻印(例えば鷲の頭)で証明できるのは金位だけですかが、この刻印は逆のケースです。
希少で面白い刻印です。

刻印(ホールマーク)が打たれる場所
刻印はアイテムによって打たれるところが大体決まっています。
-フランスのアンティーク指輪の場合は、フレームの外側部分(イギリスは内側部分なので反対になります)の時計の針の4時か8時の場所に2ミリほどで打たれていることが多いです。

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-ネックレスの場合、必ずと言って良いほどクラスプの挿入するパーツ側の表面に打たれています。
-クラスプがないタイプのネックレスの場合、留め具の割りかんのところに打たれていることが多いです。

-バングルは下記のようにフレームの側面、あるいはクラスプの内側に打たれていることが多いです。

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「刻印が打たれているもの=アンティークジュエリーの証」ではありません  よく「刻印の押されているアンティークジュエリーを買いましょう」とか「ここに刻印があるので本物のアンティークですよ」等々日本のアンティークジュエリーの業界は刻印が絶好のセールストークの材料になっているようです。
しかしこれはいつでも正しいわけではありません。
(回避できるリスクもありますが、これは後ほどご説明します。)

まずアンティークジュエリーに刻印は絶対に打たれているものなのでしょうか?
答えはNOです。
イギリスやフランスでは古くから刻印制度が発達していますので確かに打たれているものが多いですが、例外も多いです。
イギリスとフランスでも事情が大きく異なります。
フランスは、イギリスと比べてそれ程「刻印の歴史」はしっかりしていません。
刻印が押されていないアンティークジュエリーは実はかなりたくさんあります。

以下がフランスのアンティークジュエリーにおいて刻印が押されていない主な事例です。
1)19世紀前半以前の作品。
刻印は19世紀の中で発達していきますので、19世紀前半以前のアンティークジュエリーではホールマークがないことが多いです。
ただし18世紀や19世紀初期の頃の作品でオリジナルでは刻印がなかったアンティークジュエリーは、後年になって「再コントロール」を受けることが多いです。
これは現在のフランスの法律で(主にゴールド製品の場合)は、刻印のない2グラム以上のジュエリーを売ってはならないと言うれっきとした法律があるからです。
再コントロールされた場合は、残念ながら現在のフランスの刻印が打たれてしまいます。

2)指輪のサイズ直し。これが一番多いケースです。

3)バングル等の場合クラスプの取替えで刻印がなくなってしまっている。

4)ネックレス等の場合、引き輪部分の取替えで刻印がなくなってしまっている。
よりによってフランスではチェーンやネックレスは引き輪にホールマークが打たれることがほとんどなのです。
ただ幸いネックレスやチェーンは金位が重要になるアイテムですので、比較的気をつけてオリジナルの部分をとらない方法が取られていることが多いです。

5)刻印を打つことで壊れてしまうほど繊細なジュエリー、あるいは2ミリ以下のジュエリー。
2ミリ以下のジュエリーには打たなくてよいという法の例外があるからです。

現代フランスの刻印制度が意味するところ フランスの刻印から正確に読み取れる情報は金位と製造国がほどんになり、刻印だけでそのジュエリーが作られた年代を特定できるケースは少ないです。
「ETの刻印」や「馬の頭の刻印」はそれだけでアンティークジュエリーであることが確定できる刻印ですが例外的なケースです。
これはホールマークだけで製造年や製造場所を紐解くことが出来ることが多いイギリスの刻印と大きく異なるところです。

「では一体フランスのアンティークジュエリーの刻印って何の意味があるの?」と思ってしまいますよね。
それを理解するためには、「フランスの刻印制度、特に現代フランスにおいて刻印が何のためにあるか?」ということを考えてみるのが有効です。
「フランスの刻印=アンティークを証明するために作られたもの」だけではないというところを理解しておかないといけないです。
アンティークジュエリーが作られた当初はそのジュエリーの出自を残すために作られた刻印ですが、現代フランスでは刻印は盗難防止が大きな目的になっており、そのために刻印が活用されています。
アンティークジュエリーだけでなく、現代ジュエリーを含むいわゆる「ゴールド商品」が、その対象になっています。

フランスの税金やこのあたりの法律は実はとても細かく、例えばフランスのセラーは一点一点、決められた台帳にそのジュエリーの重量等、そしてそれを誰から仕入れたかなどを記載しなくてはいけません。
1商品ずつ番号がついていて、売却する際は決められた領収書(日本のように色々な文具店が出しているものではなく政府の決めたもの)にそのあたりも含めて全部記載します。
ちなみにこの領収書も事業者登録を行っている業者が、事業者登録番号を持ってようやく入手できるものです。
そしてアンティークフェアなどで売る際は、必ずその台帳を持参すること、これは盗難品の販売を防ぐためです。

そして現代の法律において、刻印のないゴールド製品は(免責されないもの以外は)原則として、刻印を押さないといけないことになっています。
しかし実際にはもちろん、サイズ直しや修理といった経過の中で消えるものも含めて、刻印のないジュエリーがたくさんあるのです。


このあたりのことは日本で出版されている文献などにも通りいっぺんのことしか書いてありません。
例えば「18Kには鷲の頭の刻印があります。買う時は必ず刻印をチェックしましょう!」みたいなことしか書いていないのです。
しかし18-19世紀のアンティークジュエリーが後年になって刻印を押されるケースもあるのです。


アンティークジュエリーの真偽や良し悪しを見分けるには、多くの具体例と共に考えることが大切です。
「AだからB」と定義できるところは少なく、日本でそうした文言がセールストークなり、それが必ずしも事実を示していないことをとても残念に思っています。

私も長い年月の間に色々なジュエリーの刻印について実際に現地のディーラーから色々なことを教えてもらい、また事象に遭遇してきました。
この色々な事例に遭遇してそれがなぜだか教えてもらったり調べることが何よりも大事なのです。
アンティークジュエリーの知識は「これにはこんなことがあった!」とか「この前、こんなことがあった」といった話が沢山集積することで深まっていきます。

刻印の再コントロールとは 先ほどからも記載していますように、フランスのアンティークジュエリーには元々刻印の入っていなかたジュエリーはたくさんあります。
しかし特に「ゴールド」を使ったものに関して、特に近年は当局が強くそのジュエリーに刻印を押すことを求めてきています。

「昔のジュエリーでも今、刻印を押すことができるの?」 ↑
「はい、そうです。」
(フランスではそうです)

「押せる」、ではなくむしろそうすることが求められています。
これは先ほども書いたとおり、盗品の流通を防ぐ目的です。
これが「刻印がある=アンティークの証明には必ずしもならない」と私が申し上げている最大の理由です。

例えば明らかに18世紀に作られたフランスの18Kのゴールドジュエリーで、刻印のないものがあったとします。
現地のディーラーさんの取るべき(当局的に)正しい行動とは、それを当局(専門のところがあります)に持参し、書類などを持参し手数料を払い、新たに刻印を押してもらうことです。

18世紀のものであろうと19世紀のものであろうと、現代のフランスの18金の刻印である「鷲の頭」)が押されます。
あるいは明らかにフランス製のアンティークである場合も、担当官によっては他国で作られてフランスに輸入されたジュエリー(あるいは出自が不明のジュエリー)に押されるフクロウの刻印を押してしまうそうです。

これはとても残念なことですが、たとえば刻印を受ける人が揃えた資料の有無ですとか、担当官の知識不足(基本的に普通のお役人ですので貴金属のカラットをテストできる以外の能力は残念ながら備わってないそうです)が理由です。
彼らにとっては貴金属のカラットをコントロールすることが(現代では)目的だからです。
ちなみにフランスで再刻印を受ける場所は「Direction Nationale de la Garantie des Metaux Precieux」という名称の役所になります。
この役所はフランス各地にありパリでは北マレに事務所があります。

しかしもちろんとても面倒でかつお金もかかる作業で、実質的な価値として現地では刻印があるかないかはあまり重要ではなかったりしますので(そうしなくてもディーラー間の中では問題なく売れてしまうため)、実際の場合、ディーラーさんはアンティークの刻印のないジュエリーがあっても再コントロールを受けないことも多いです。

下記は当店で扱っている19世紀初頭のダイヤモンドの胸飾りです。

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チェーンの通し輪部分にフランスの18金であることを示すアンティークジュエリーでよく見る「鷲の頭」の刻印が入っていますが、これは再コントロールの際に入れられたものです。
こちらの刻印は作られた当時に押されたものではなく、近年になって押されたものです。
こちらのジュエリーは再コントロールを実際に受けたのが私が買い付けをしたディーラーさんご本人でして、買い付けの途中でそんな話が出ていたのです。

フランスの刻印が「年代、アンティークの証明」になるケース 「フランスの刻印=貴金属のカラットの証明にしかならなケースが多い」と言うお話をしてきたと思いますが、「刻印=年代、アンティークの証明」になるケースもあります。
フランスの刻印も非常に種類が多いです。
そしてある種の刻印は、ある時代にしか使われなかったものなのです。
その代表的なものが「馬の頭の刻印」や「ET」です。
つまりそうした昔しか使われなかった刻印を見つけることができれば、それはアンティークの証明になります。
しかし実質的には、数としてはとても少ないです。

また「鷲の頭」も、運がよければ旧式の鷲の頭の刻印が綺麗に見わけ出来る状態で残っていることでしょう。

その他、記念日のために作られたジュエリーなどでは、その日付や年号がジュエリーに刻まれているケースもあります。
下記は1890年の4月20日の記念日のために製作されたリングであることが分かる、希少な例です。

j01078-9.jpg(62352 byte) 工房の刻印について 貴金属に関する刻印以外に、工房印が押されるケースもあります。
フランスでは貴金属に関する刻印は上記の例外を除いて必須になりますが、工房に関する刻印は打たれているほうが稀です。

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工房は星の数ほど存在しそのほとんどは現在存在しないため、刻印だけでどこの工房のものかを見分けることは難しいですが、工房の刻印はどの工房のものであってもひし形をしています。
貴金属に関する刻印と、工房に関する刻印を見分ける事は容易にできます。


結論としてまとめますと・・・
刻印(ホールマーク)は貴金属の種類や金位、製造された時代の道しるべの一つではありますが、18-19世紀のアンティークジュエリーが後年になって刻印を押されるケースもあり、刻印だけではなくそのジュエリーの様式や細工、宝石のカッティング、素材等から総合的に年代を把握することが必要です。


イギリスの刻印について
イギリスのアンティークジュエリーはフランスのジュエリーに比べれば刻印の情報量が多いです。
しかしイギリスのアンティークジュエリーに必ずしも刻印が打たれているかと言うとそうでもなく、特に19世紀はジュエリーに関しては貴金属の刻印を免除する法律があったということもあり、全体量の中ではむしろきちんと打たれている方が稀です。

しかし例外は指輪です。
指輪は法律でジュエリーの刻印が免責されていたときもコントロールを受けて刻印が押されたものが多いです。
また中でも、上記の法律の適用外であったモーニングジュエリー(喪のジュエリー)として作られた指輪はほぼ必ずと言ってよいほど刻印が打たれています。
また後にモーニングリングと同様に免責の除外となったのが結婚指輪。
結婚指輪も刻印がしっかり押されているケースが、多いです。

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