素晴らししいペルピニャンガーネットのブレスレット
久しぶりに文句なく美しいペルピニャンガーネットのブレスレットを入荷しました。
「ペルピニャンガーネット」は、かつて南フランスのペルピニャン地方で採れた鮮やかな明るい赤色の美しいガーネットです。
ブローチやピアスで比較的見つかりやすいのですが、粒の揃った宝石が数多く必要になるネックレスやブレスレットは一層少ないです。
ペルピニャンガーネットを日本で早々にご紹介したのは当店であったと自負していますが、最近はかなり微妙な色合いのガーネットも「ペルピニャンガーネット」トして売られているようです。
ご参考までにペルピニャンガーネットは鉱物的には他のガーネットと区別ができるわけではなく、基本的には色による(ジュエリーのセッティングも特徴的で参考にはなりますが)判別以外は難しいです。
当店では明らかにそうと言えるものだけを「ペルピニャンガーネット」として販売してます。
このブレスレットのガーネットはいずれの石も文句なく美しい、まさにペルピニャンガーネットの王道を行く色です。
写真では、端の少し粒の小さいガーネットは少しピンクを帯びた色に映りますが、これは光の加減によります。
肉眼ですと他の石とほぼ変わらない色彩ですが、よく見ますと少しピンクを帯びていてそれが光の当たり具合でピンクの色を発します。
中央のガーネットも、この石底からピンクを発する両脇のガーネットも、いずれも色彩が明るくとても良い色です。
手の凝ったゴールドチェーン部分
チェーン部分の華やかさも見応えがあります。
波打ったようなうねりのあるゴールドの輪をつなげたチェーンは、もちろんハンドメイドです。
フランスアンティークらしい正統派の、美しい太めのチェーンです。
このブレスレットは手にすると、見た目より軽量であることに気づきます。
チェーン部分が空洞になっており、太さのわりに軽いです。
ブレスレットとして着けているときも重みをあまり感じることなく楽です。
ペルピニャンガーネットはカットの面数も多くカットされて、裏面はぽっちゃりしたようなお椀状のクローズドセッティングで、ペルピニャンガーネットであるか否かを判断する材料の一つになります。
側面に施された2つの直線が広がったような彫金も、ペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーに特有のものです。
ペルピニャンガーネットは当時、地場産業的意味合いが強く、そのためデザインやセッティングはどのペルピニャンガーネットのジュエリーも似ています。
18カラットゴールド。
19世紀後期のフランス製。
ブレスレットの長さは18センチ(カットは可能ですが、長くすることは出来ません)。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
イギリスのでもフランスでもアンティークジュエリーでもに使われているガーネットの大半がボヘミア産。
ボヘミアンガーネットはちょっと黒っぽい赤色をしており、アンティークガーネットと言うとそのイメージを強くお持ちの方も多いのはないでしょか?
しかしペルピニャンガーネットの用いられたアンティークジュエリーを見れば、そのイメージは払拭されるはずです。
ペルピニャンガーネットとは、フランス南西部ペルピニャン地方で産出されていた希少な美しいガーネットのことです。
カタランの文化歴史を象徴する宝石で、その歴史は1750年に遡ります。
ペルピニャンガーネットが採掘されたのは、18世紀半ばから1920年代にかけてです。
鉱山からガーネットが採掘されることはもうありません。
ペルピニャンガーネットは、深いピンクがかった赤ワイン色をしており、同じサイズのルビー以上の価値があると言われるずば抜けた宝石です。
昔から数は少なく、フランスアンティークジュエリーにしか(しかもそのほんのごく一部)存在しません。
フランス現地でもやはりアンティークでしか手に入らないペルピニャンガーネットは、まさに幻の石です。
まさにフランスのアンティークジュエリーに限定された美しいアンティークガーネットです。
下記は当店で数年前に販売済みのペルピニャンガーネットのピアスですが、いまだに多くお問い合わせを頂きます。
ペルピニャンガーネットのセッティングは、この地方独自のもので、「ペルピニャンセッティング」と呼んだりします。
石の下をゴールドで閉じます。
ガーネットそのもののカッティングも独特で、石が閉じられているので見にくいですが下は平らで、上にたくさんのファセットをつけています。
パピヨンと呼ばれるヴェルメイユの破片をガーネットとゴールドの間にいれて、美しい反射を起こすこともあります。
ペルピニャンガーネットは、真っ赤のものから、ピンク帯びた赤、ワイン色がかった赤と複数の色があります。
いずれの色もボヘミアンガーネットよりずっと明るい色調の赤が特徴的です。
下記のリングでは、真っ赤なペルピニャンガーネットとピンクを帯びたガーネットの両方が用いられていますが、どちらもボヘミアンがーネットにはない明るい色調です。
ペルピニャンガーネットが生まれたペルピニャンという街はフランス南西部の都市です。
ペルピニャンの歴史は極めて古く、ローマ時代から人が定住していたといわれています。
中世になってペルピニャンの街の建設が始まり、1276年から1344年までは、マヨルカ王国の王国の首都として栄えます。
時代の中でマヨルカ王国に組み込まれたりバルセロナ伯領となったり、過酷な歴史を生きつつも、いつの時代もペルピニャンは複数の文化が入り乱れる工芸品の中心地でした。
ジュエリーもパリを中心としたジュエリーとはまた異なる味わいのジュエリーが作られました。
一つにはこの地域は鉱物的に非常に豊かな地域であったからです。
古くは銀、ゴールド(共に閉山しています)、そして宝石ではガーネットが産出され、この地域においてジュエリーは一大産業でした。
そしてその主役がガーネットでした。
ペルピニャンガーネットの一部はスペインに運ばれかの地でジュエリーにされたものもありました。
これはやはりスペイン国境の約20キロに位置する地理的要因も大きかったことでしょう。
「ペルピニャンガーネット」と言う呼称は産地による呼称であり、いわゆる鉱物名ではありません。
産地を取って「カシミールサファイヤ」と呼ぶのと同じロジックです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。