大粒のムーンストーン
アンティークジュエリーでもお探しの方が多い宝石の一つがムーンストーンです。
現代のムーンストーンとは別の宝石と思うほど、クオリティーと美しさが異なります。
大粒のムーンストーン8石がセットされた、ムーンストーン尽くしのブレスレットです。
それぞれの石が大きく厚みがあります。
半透明で、光が当たると青いシラーを発します。
光の加減で、シラーの見える場所が刻々と変わるところも神秘的です。
ムーンストーンは艶があり、カボションカットにされています。
サイズ調整ができるようになっています
大きく厚みのあるムーンストーンを多用しておりますので、それを支えるブレスレット自体が重みがありしっかりとした作りになっています。
ムーンストーンの地金は銀を用いられることが多く、このブレスレットの地金も銀製です。
フランスで入手しましたが、おそらくイギリス製です。
ムーンストーンは1石ずつ、その形にあわせた台座にフクリン留めといって全周をぐるりと囲うようにセットされています。
19世紀後期の推定イギリス製。
ブレスレットの長さは21センチですが、通し棒を3つの輪のどこに通すかでサイズを調整できます。
一番近い輪っかに通せば18センチ程、一番遠い輪っかに通せば21センチ程になります。
通し棒を通す時に多少長さの余裕が必要ですので、手首の長さに加えて2.5センチはあった方が良さそうです。
動画も撮影しています。
ムーンストーンのアンティークブレスレット(銀製)
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女性性を司るムーンストーン
ムーンストーンは古くから重用された宝石で、古代インドで月の光が封印されている「聖なる石」として崇拝されたそうです。
「女性性」を司る石でもあり、古くから女性に愛されてきた宝石です。
月(ムーンストーン)は女性性を司どり、太陽(サンストーン)は男性性を司どるとされてます。
古代インドでは、月の光が封印されている「聖なる石」として崇拝され、愛情に関係した効果が高いといわれてきました。
また中世ヨーロッパにおいては、恋人への最高の贈り物とされました。
ムーンストーンは、月のエネルギーを宿した神秘的な宝石で、女性特有の月の満ち欠けによる不安感を和らげてくれると信じられています。
また満ち欠けする月のように、変化する感情をコントロールする力があるとも言われています。
古くから女性が持つとリラックスできる、理痛や出産の痛みを和らげると信じられてきました。
ムーンストーンのシラー効果
透き通った下地に美しい青色のシラー効果が拡がるムーンストーンは、見る角度によって幻想的なブルーの色合いが広がる非常に美しい宝石です。
ムーンストーンの最大の特徴は、シラーと呼ばれる青白い光の反射にあります。
ムーンストーンのシラーがどうやって生み出されるかと言いますと、以下の原理になります。
ムーンストーンは「カリウムを多く含む正長石の層」と「ナトリウムを多く含む曹長石の層」が交互に重なり合ってできています。
ムーンストーンに光が入ると、入った光は性質の異なるものが相互に重なる階層構造によって「干渉」を受けることになります。
この干渉によって光の散乱が起こり、ムーンストーンの表面下にふわりとした青白い光が浮かび上がります。
曹長石の層が薄いと青い光が強く、逆に層が厚いと白い色が強くなります。
ムーンストーンのアンティークジュエリー
ムーンストーンのジュエリーはイギリスのアンティークジュエリーにおいての方が比較的よく見つかりますが、フランスでも数は少ないですがムーンストーンのアンティークジュエリーが作られます。
下記は当店で販売済みの20世紀初頭のフランス製、ムーンストーンのドラップリーネックレス。
透き通った下地に美しい青色のシラー効果が拡がっているのを見て頂けるでしょう。
アンティークムーンストーンのジュエリーは1900年前後まではムーンストーンは大変に希少な石だったこともあり、1900-1920年の頃に作られたものが多いです。
下記は1910年頃のイギリス製のムーンストーンネックレスです(販売済み)。
下記も同時代のイギリス製ですが、こちらはリバティー社の手がけたムーンストーンのネックレスです。
ムーンストーンのアンティークジュエリーはネックレスが多いですが、指輪でもオリジナリティある作品が作られました。
下記はイギリス製、ムーンストーンに彫りが入っています。
こちらはムーンストーンを用いたジュエリーとしてはとても珍しい、ハットピンです。
現代のムーンストーンとアンティークのムーンストーン
最良のムーンストーンでは、青い光が按配よく入ります。
現代ではアンティークムーンストーンのような天然で半透明の美しいシラーのムーンストーンは見られません。
そのためアンティークムーンストーンを初めてご覧になられたお客様には必ず「この美しい石は何の宝石ですか?」と聞かれることが多いです。
これはなぜかと申しますとアンティークジュエリーで用いられているムーンストーンは当時、主にスリランカやインドで採れました。
これらの国の良質なブルームーンストーンはとっくに採掘しつくされてしまったのです。
現代、「ムーンストーン」として流通している宝石の大半は「ラブラドライト」あるいは「ペリステライト」です。
外観としてはムーンストーンに似ていますが、鉱物としては異なります。
同じ長石グループに属する石ですが、かつての本来のムーンストーンとは組成が異なるのです。
同じようなクオリティーや美しさが望めないのは当然です。
またペリステライトやラブラドライトですらも近年では、採掘つくされてきています。
そのままで宝石に出来るようなクオリティーのものは極めて少なくなってきているそうです。
いかに天然本来のムーンストーンが貴重なものか、アンティークのムーンストーンがどうしてこれだけ今のムーンストーン(と呼ばれているもの)と色合いが異なるのか、お分かりいただけることでしょう。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。