清楚で美しい天然真珠のアンティークブレスレット
素晴らしい艶の天然真珠を用いたブレスレットです。
ブレスレット自体が細身で、さらりと上品に着けていただくことができます。
以前にこのブレスレットによく似た、やはり天然真珠とゴールドチェーンをつないだ短めのネックレスを見つけたことがあったのですが、驚くほど高価で価格的にまったく手が出なかったことを覚えています。
このような良質の天然真珠を用いた、しかもこのように多くの真珠がセットされた作品は、世界中で人気がありますし、日本女性にもっとも似合うタイプの作品です。
今回はもともとのブレスレットのサイズが15センチ弱と非常に小さなサイズであったということもあり、とてもリーズナブルに譲っていただきました。
18カラットホワイトゴールドのアジャスターのチェーンを2センチほど足しまして、合計で17センチのブレスレットにさせていただきました。
もちろんチェーンは不要でしたら簡単に工房で取ることも可能できますが、やはりこの程度の長さがありますと色々便利だと思います。
しなやかなハンドメイドのゴールドチェーン
この作品の主役はもちろん天然真珠ですが、その美しさを引き立てているのはしなやかに動くハンドメイドのチェーンです。
このブレスレットが製作されたのは1910年頃と推定できますが、この時代に特長的な細身のチェーンです。
天然真珠は縦長で横幅が2.5ミリ程です。
その細身の真珠の美しさを引き立てるには、細い可憐なチェーンでなくてはなりません。
また真珠は、当時の職人技で一粒ずつ内側に穴を開けてチェーンを通しています。
デリケートで、いかに神経を使う作業であったか分かります。
真珠は僅かにグレイを帯びたような神秘的なオフホワイトで、これだけ小粒な真珠には珍しいほど内側から湧き出るような艶があります。
それぞれ大体、横が2.5ミリx縦が3ミリ強の縦長の楕円形をしていますが、よく見ますと色合いは統一されていますが形はかなりバラバラで、そんなところにも天然真珠ならではの味わいがあります。
6番目のお写真で赤く囲ったところを見ていただくと、全体がホワイトゴールドのチェーンなのに、ツマミ部分だけイエローゴールドになっているのが分かるかと思います。
これはアンティークジュエリーで用いられた旧式の引き輪です。
引き輪はチェーンの中で最も負荷のかかる部分、年月を経て磨耗してきたときにこの部分だけ手を入れればいいようにできているのです。
イエローゴールドのチェーンでも同じ仕組みのものは多くみられますが、色が異なるホワイトゴールドは、分かり易いですね。
ちょっとしたディテールからも、古い時代のジュエリーが分かるところが嬉しいですね。
フランス製。
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アンティークジュエリーに詳しい方でしたら「昔は養殖の技術がなかったのだから、アンティークジュエリーで使われている真珠は全て天然真珠ですよ」といったことを聞かれたことがあるでしょう。
これはアンティークジュエリーの業界のセール文句になっているようですが必ずしも正しくはありません。
アンティークジュエリーに使われている真珠の多くが天然真珠です。
しかし全てが天然真珠ではありません。
上記の「アンティーク真珠=全て天然」説はヨーロッパで養殖真珠が本格的に市場に出始めるのは、一般的に1920年代頃からと言われていますからそれに基づいた論拠ということになります。
しかし養殖真珠はそれ以前にヨーロッパに存在し、一説には1880年頃から存在していたと言われています。
実際に1900年頃のヨーロッパのアンティークジュエリーから一部に使われています。
例えば下記をご覧ください。
こちらはフランスの有名なジュエリー専門のオークション会社のカタログからの抜粋です。
クリスティーズをはじめ世界の著名なオークション会社の競売では、真珠に関して天然か養殖か明記します。
この「真珠とダイヤモンドの指輪」は「1900年頃に製作されたと」推定されていますが、ジュエリーの説明文のところに「Perles de culture(養殖真珠)」と言う記載があります。
同じカタログから別の事例をご紹介いたしましょう。
こちらは花綱模様の美しい典型的なベルエポック時代のダイヤモンドと真珠のペンダントです。
こちらは1910年頃の推定と先ほどの作品より僅かに後年になりますが、こちらは「une perle en pampille(天然真珠の房飾り)」と記載があります。
天然真珠になります。
天然真珠の評価がもっとも高かったのは、20世紀の初頭です。
1900-1920年頃は非常に美しい天然真珠のジュエリーが作られた時代であるのと同時に、初期の頃の養殖真珠がジュエリーに使われはじめた時代でもあります。
この時代に天然真珠として最大に近い大きさの最高級の天然真珠を使ったロングネックレスは、現在の貨幣価値に換算して約10億円で取引されたと言う記録が残っています。
養殖真珠が多く市場に出回るようになったのは、1920年頃からです。
1940年代にはもう養殖真珠が凌駕していき戦後は言うに及びませんので、美しい天然真珠が用いられたアンティークジュエリーを探すのであればやはり1930年代頃までというべきでしょう。
「養殖真珠」といっても本当の初期の頃(20世紀初頭)の養殖真珠は真珠層が厚くとても出来がいいです。
例えば下記は、1920年前後に英国で製作された養殖真珠のネックレス。
真珠の粒は0.8センチ程です。
現代の養殖真珠とは雲泥のレベルの差があり、それはそれで近年では高額に取引をされています。
天然真珠への評価が高まる昨今では、初期の頃の養殖真珠はヨーロッパのオークション等で非常に高価な値段がついてきています。
養殖真珠へのイメージが大きく変わるのではないでしょうか?
アンティーク真珠に関して更に詳しい情報は、アンティーク真珠についてをご参考ください。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。