20年代らしいセンス抜群の提げバッグ
1920年代のアンティークベークライトバッグ。
バッグ全体が黒いベークライトでできたとても贅沢なもの。
素材といい、ベークライトの黒い色、バッグ全体の幾何学的な形、すべてアールデコそのもの。
同色の紐で手に提げて持つ現在の提げバッグの前身で、当時のストンとした直線的なシルエットの洋服にぴったりです。
内側にはサプライズが蓋を開けてびっくり、オフホワイトのベークライトで縁取られた鏡がついています。
こうしたバッグと化粧ポーチが一体化したようなバッグも1920-30年代ならでは。
鏡近くに「XeXose AG」のような文字が彫られています。
メーカーの名前のようですが、判読不可です。
表面にラインストーンや金属などでお花の飾りを施していますが、これはどことなく当時一世風靡していたオリエンタリズムを感じさせる図柄です。
状態もよくものすごくカッコイイ、ベークライトのバッグです!
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ベークライトはベルギー生まれのアメリカ人、レオ・ヘンドリック・ベークランドによって1907年に発明されました。
当時はフェノール(石炭酸)とホルマリンで作っていましたが、現在では初期のものは製造されておらず、石油で作られています。
初期のころのベークライトは傷がつきにくいため、信じられないほどのコンディションを保ったものが多いです。
ベークライトは新しい素材を積極的に取り入れていたアールデコ時代にもてはやされ、数々の美しいアンティークアクセサリーのを生み出しました。
アールデコ時代のベークライトアクセサリーは、そのデザイン性もあいまって独特の風合いで世界中のコレクターを魅了しており、高値で取引されています。
下記は1920年代のベークライトのネックレスです。
高いファッション性と絶妙なベークライトの色が目を引きます。
下記もやはり同時代、1920年頃のハンドバッグで取って部分にベークライトが用いられています。
芸術性の高いベークライトアクセサリーが生み出されたのはアールデコ時代ですが、それ以降もアメリカなどで多くのベークライトアクセサリーが作られつづけます。
それだけに世の中に出回っているベークライトアクセサリーのクオリティーや価値はまちまちになります。
一般的には、初期ベークライト時代(1910-30)のものが、ベークライトがクオリティー的にも、またデザイン的にも優れていて、価値が高いと言われています。
ベークライトは樹脂を原料とする人口化合物なので、実にさまざまな色のベークライトが作られてきました。
よく見かけるのがべっこう色、象牙を思わすようなクリーム色、アールデコ時代に好まれた赤や黒などです。
下記はアールデコ期に作られたバッグで、黒いベークライトが独特の存在感です。
戦後も特にアメリカで、カラフルなベークライトのジュエリーが作られつづけますが、段々プラスチックっぽい色合いと質感になっていってしまいます。
深い色味としっとりとした質感のベークライトの最盛期は、1920-30年代といえるでしょう。
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