--- アンティーク・エピソード ---天然真珠と養殖真珠の違い

天然真珠と養殖真珠、その違いは何でしょう?

退色
「真珠は退色する」と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
でもアンティークジュエリーで使われている真珠は100年以上経ても、美しいまま残っていますよね。
なぜでしょう?

真珠を留める時にはまず、真珠に穴を開けますよね。
養殖真珠はその穴から核と真珠層の間に大気中のいろいろな物質が浸透して、中から退色が発生するのです。

これに対して天然真珠は核が比べ物にならないほど小さく、そのため内部からの変色がほとんどないのです。
また天然真珠のほとんど全体が真珠層でできているのに対して、養殖真珠は外側の0.01-2ミリが真珠層でその内部(つまり大部分)が人工的な核できています。
当然この核の大きさの違いが、退色の差になります。

大きさ
現在ではマーケットに出ている真珠のほとんどが養殖真珠ですので、ある程度大粒の真珠に慣れている方が多いかもしれません。
しかし本来、天然真珠は大きい真珠が非常に稀な存在で、5ミリ以上ある真珠はかなり大粒になります。
5ミリ以上になりますと真珠そのものが宝石としての価値が増し、近年ますますその評価は上がってきています。
それほど価格や価値に大きな影響を及ぼす真珠の大きさですが、現在の養殖真珠では大粒でも小粒でもそれほど値段に開きはありませんね。
なぜでしょう?

養殖、特に現在の養殖真珠は真珠層が0.01mm以下ととても薄いのです。
なんと1ミリもないのですよ!
その内側はすべて人工の核。
それだけ本来の真珠層が薄いのですから、真珠が大きくても小さくてももちろんその価値はほとんど変わりません。
天然真珠ですと、1ミリ大きくなるのにものすごい年月を要し、それだけ数が少なくなります。
そのため昔の天然真珠の場合大きさにより、値段の差があるのです。

指輪やピアスのように1-2粒の真珠は比較的大きな天然真珠が使われていることが多いですが、下記のような真珠のネックレスでは大粒の真珠だけを集めたものは少なく、真珠の粒の大きさがグラデーションになっていることが多いです。
それもそのはず、大粒の天然真珠は非常に数が限られていたからです。

アンティーク天然真珠ネックレス(モープッサン MAUBOUSSIN ケース入り)


アンティークジュエリーで見る天然真珠は真円のものばかりではありませんね。
なぜでしょう?
天然真珠は大きくなればなるほど歪になりがちです。
そのほとんどが大きな丸い核でできている現在の「真珠」では、真円は当たり前のように作れますが、天然真珠は、中までそのほとんどが真珠層。
とてつもなく長い時間をかけて真珠層が作られるので、天然真珠は大きくなればなるほど歪になりがちです。
自然のものですからそれが当たり前なのです。

天然真珠を使ったアンティークジュエリーで特に指輪などをじっくり観察してみますと、一見真円に見えるけれどよく見ると真珠の形が扁平だったり少しいびつな形をしていることが多いです。
天然真珠では完璧な真円の真珠は、大きくなればなるほど少ないもの。
完全な真円の真珠と言うのが稀になっていきますのでそこでセッティングの妙で、正面からみたときに真円に見える見えるように、絶妙な位置に穴を開けて真珠をセットしているのです。
この絶妙な按配がさすが昔の職人ならではです。
大きめの天然真珠を使ったアンティークジュエリーに出会ったら、横から見てみるのも面白いです。

下記は当店扱いの真珠とダイヤモンドのクラスターリング。
正面から見たときはほぼ真円に見えますが、横から見ますとかなりいびつな形であることが分かります。

ナチュラルパールクラスターリング(マーガレット、オールドマインカットダイヤモンド)

簡単に言えば天然真珠は養殖真珠と比べ物にならないほど長い年月を経てできたものだということです。
養殖真珠が数ヶ月で膨らむのに対して、天然真珠は何十年何百年という年月を経て(それも偶然の産物で)生成されるものなのです。
養殖真珠はそもそも人為的に核をいれているので、外側だけが真珠層。
内側はどんどん人工的な力で大きく膨らんでいくので、生成のために要するのは3ヶ月ほどです。
それから2年間ほど乾燥して(最近ではこの過程をもっと縮小した養殖真珠も多いよう)、2-3年後には商品として並んでいるのです。

一方の天然真珠は、あこや貝などの真珠層に偶然入った小さな異物を核にして、長い年月を経て真珠層が形成されます。
これは何十年以上要するものなのです。

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