アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
当店のお客様でもピンク色の宝石をお探しになられている方は多いです。
アンティークジュエリーで使われたピンク色の宝石と言うと、ピンクトパーズ、ピンクトルマリン、ローズクォーツ(紅水晶、薄いピンク色に色づいた水晶のこと)、そしてピンク色のガラスペーストであることが多いです。
ピンク色の宝石は「鑑別泣かせ」の一面を持ちます。
なぜならアンティークジュエリーのピンク系の宝石のジュエリーは特に19世紀までのものは、ほぼ例外なくクローズドセッティングになっているからです。
そして多くの場合その裏面に、高カラットのイエローゴールドが映りこむセッティングになっています。
場合によっては後ろの台座と宝石の間に金箔(フォイルバック)を挟み、よりビビットなピンク色に見せていることも多いため、その石本来の色が分かりにくいのです。
なぜこのようなことをしたかと言いますと、天然のままで「濃い色のピンク色」の宝石が少ないためです。
ピンク色の宝石のブームはフランスのアンティークジュエリーでは2回流行が来ます。
まずロココの時代。
18世紀から王政復古の時代にかけてピンクトパーズやローズクォーツ(水晶)、あるいは時にはピンクガラスペーストで美しいピンク色のジュエリーが作られました。
下記は18世紀のピンクガラスペーストのイヤリングです。
下記は当店にて販売済みの王政復古の時代のピンクトパーズの襟飾りです。
下記も同時代のピンクトパーズを使ったジュエリー(当店にて販売済み)。
裏面に明るいイエローゴールドの色が映りこみ、本来の石より明るいピンクの色が出ています。
そして二度目の流行はアールヌーボーが流行した19世紀末です。
この時代にはクォーツの中でこのような淡いやさしいピンクカラーのクォーツ(ローズクォーツ)が比較的よく用いられました。
天然のローズクォーツは当時であっても産出量が少なく、貴重なものでした。
下記はこの時代に製作されたローズクォーツのネックレスです(当店にて販売済み)。
天然のローズクォーツの中で内部に微細な金紅石(ルチル)の針状結晶をインクルージョンとして持つものを「ルチル(クォーツ)」を用いたものを見つけることがあります。
アンティークジュエリーにおいて非常に希少で、高価に取引されます。
ルチルクォーツはピンクのほか、黄色や黒など様々な色の水晶で存在しますが、アンティークジュエリーで特に高く評価されたのがピンク色のルチルになります。
以前にパリで一度、ピンクルチルクォーツの素晴らしいアンティーク指輪を見たことがありましたが、高価すぎて手が出せませんでした。
写真を撮っておらずご紹介できず恐縮ですが、下記は2001年製作のカルティエのルチルクォーツのリングです。
アンティークではありませんが、ルチルクォーツのイメージを掴んでいただけると思います。
その他、アンティークジュエリーで出会うピンク色の宝石はピンクサファイヤ、ピンクトルマリンあたりが考えられます。
下記は当店にて販売済みのピンクサファイヤのネックレス。
ピンクサファイアは、ピンク色をしたコランダムのことです。
コランダムで赤色のものをルビーと呼んでいますので、ルビーにとても近い宝石です。
ピンクサファイアの発色原理はルビーと同じです。
コランダムは本来は無色の鉱物ですが、結晶を構成しているアルミニウム原子の一部がクロム原子と入れ替わっていることによって赤みを帯びてきます。
一般的なルビーの場合、アルミニウム原子が数百個に一個の割合でクロム原子と入れ替わっています。
これに対し、ピンクサファイアは約千個に一個の割合で入れ替わっています。
つまりとても珍しい宝石なのです。
現在流通しているピンクサファイアは人工的に色の調整を行っているものがほとんどですので注意が必要ですが、昔のピンクサファイアはもちろんそうした人口処理がなされていません。
下記のピンク石はトルマリン。
1920年頃、カルティエ製作のピンクトルマリンとダイヤモンドのペンダント時計です。
トルマリンはそれほど高価なイメージが現代ではないかもしれませんが、無処理のピンク色のトルマリンは希少でアンティークジュエリーでも時々見ることがありますがかなり高価です。
下記も当店で販売済みのピンクトルマリンのネックレスです。
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