--- アンティーク・エピソード ---カステラーニ(Castellani)のイタリア考古学風ジュエリー

「カステラーニ」と言う名前はアンティークジュエリーを愛好している方でしたら、一度は耳にされた方が多いことでしょう。
カステラーニはイタリア出身のジュエラーで、19世紀半ばにヨーロッパで「イタリア考古学風ジュエリー」を流行させました。

遺跡との出会いと考古学風ジュエリー
創始者はピオ フォルトゥナ カステラーニで、1814年にローマで店を開きます。
1826年に生涯の友人であり協力者であるミケランジェロ カエターニに出会います。
宝飾史の研究家らによると、カステラーニに古代のジュエリーを復元するインスピレーションを与えたのは、このミケランジェロ カエターニであったと言われています。

カステラーニは1830年代前半に既に「考古学風ジュエリー(archaeological style jewellery)を製作しはじめました。
この時代、ヨーロッパで古代文明の発掘が盛んになりますが、カステラーニは遺跡で見つかったジュエリーの調査に招聘されます。
ピオ フォルトゥナ カステラーニとその息子のアウグストとアレッサンドロは、この時代に収集された壮大な遺跡コレクションに触れることができました。
そして古代のジュエリーの造形は、「金属を曲げたりカットしたりといったことではなく、金属にディテールを付け足していくことで作られていた」ことを知ります。
カステラーニは特に特に古代エトルリア時代の金細工グラニュレーション(特に粒金細工)の復元に魂を注ぎます。

下記は1860年頃に製作されたカステラーニの王冠で、現在はヴィクトリアアルバート美術館所蔵されています。

カステラーニ
(c) Victoria & Albert Museum, London

カステラーニの海外展開
1860年代になるとカステラーニは、政治的な理由でイタリアから亡命しまずはパリにお店を開き、1862年にはロンドンに店を開き、パリを後にします。
海外展開に注力したのは、特にアレッサンドロです。
カステラーニの考古学風ジュエリーについての講演会には、ナポレオン三世までもが同席し、カステラーニはナポレオン三世にカステラーニ一族のジュエリーのコレクションを披露しています。
その後、カステラーニのジュエリーの栄華は、1870年代に絶頂を向かえます。

カステラーニのミクロモザイクのジュエリー
ミクロモザイクを考古学風ジュエリーに最初に取り入れたのも、カステラーニであったと言われています。
カステラーニのミクロモザイクのジュエリーはキリスト教、ビザンチン、エジプトのモチーフを考古学的なフレームの中に展開したものが多いです。

下記はカステラーニによる、マイクロモザイクのよるキリスト教モチーフのブレスレットです。

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下記もやはりカステラーニのマイクロモザイクのジュエリーです。
カステラーニのジュエリーで時々みられる「XP」の文字が描かれてます。
XPはギリシャ語でXPISTOS、キリストの最初の二文字を表しています。
ちなみにAとΩは、A(アルファ)、最後の文字がΩ(オメガ)。
AΩは万物の最初と最後を意味し、やはりイエス・キリストを指す言葉です。

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カステラーニの刻印
カステラーニの刻印(サイン)は3つあります。
[ 一番よく見られるのが、2つの「C」字が鏡向かいになった刻印です。

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これ以外に下記のように真ん中にA字の入ったもの。

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その他、2つのC字がモノグラム調に入ったものがあります。

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