--- アンティーク・エピソード ---アンティーククラダリング(claddagh ring)

この「手」「ハート」「王冠」をモチーフにした指輪は、17世紀以来アイルランドに伝わる「クラダリング(claddagh ring)」と呼ばれる指輪です。
クラダリングの名称は、アイルランドのアイルランド西部の小さな港町「クラダ村」の人々がつけていたことに由来していると言われていますが、その起源は謎も残されています。

アイルランドで発祥し、その後はアイルランド人の移住に伴い、ヨーロッパそして北米にも拡がっていきます。
(19世紀、アイルランドは人口が半分になったと言われるほど多くの人がアメリカないし他のヨーロッパ諸国に移住します)

アンティーククラダリング
ブリティッシュミュージアム所蔵の1784年製作のゴールドのクラダリング
(c)The Trustees of the British Museum

クラダリングを愛した代表的な人物にイギリスのヴィクトリア王女、モナコ大公妃のグレース・ケリー大公妃(アイルランド系)などが挙げられます。
イギリスでは特にジョージアンの時代に人気を博しましたが、アイルランド、イギリスの他も多くの世界中のセレブリティに愛された指輪です。

オリジナルのクラダリングは石が入っておらず、銀製あるいはゴールドでもゴールドのカラットは14金までが多いです。
今回当店でご紹介しておりますクラダリングは、他国(フランス)でアイリッシュ系の高貴な方が祖国を想いオーダーメイドで作らせたものでしょう。

クラダリングのハートは「愛」を王冠は「忠誠」を、手は「友情」を表現していると言われています。

王冠ではなく、王冠より一回り小さな「宝冠」が描かれる場合もあります。
また手の大きさや王冠の縦横比などは様々で、王冠の山のギザギザの装飾も、2つ山のもの3つ山のもの、あるいはこの指輪のように7つ山など様々なバリエーションが存在します。

クラダリングに込められた想い
クラダリングを身に着けることで、愛と友情、そして幸せが得られると信じられてきました。

クラダリングは婚約指輪にも結婚指輪にもされてきた指輪ですが、この指輪を贈る相手は恋人に限らないそうです。
男性から女性に贈ることが多いようですが、父親から娘へ贈ることは珍しくないようです。
クラダリングが大切な娘を守ってくれますようにという庇護の想いが込められていたのでしょう。

またクラダリングは母から娘へと受け継がれることも多く、アイルランドの誇りであり心のよりどころにされてきました。

クラダリングを着ける指
クラダリングは指輪の着ける向きやどの指に着けるかによって、「意味」が異なります。
諸説あるようですが、代表的な説は下記のようです。

指輪を右手の薬指(あるいは右手に)に逆さまにつけると「恋人を募集している」

左手の薬指に逆さまにつけると(あるいは右手に正方向につけると)「婚約中である」

左手の薬指に正方向につけると(あるいは左手に正方向につけると)、「既婚者」を表します。


クラダリングは今でもアイルランドを中心に作られ続けている指輪ですが、近年では中国製の量産品も多く、あまりクオリティーの高くないものも作られているようです。
アンティークのクラダリングはもちろん滅多に出てくるものではありませんから希少です。

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