アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)

巻き物を想わせるアールヌーヴォー指輪 1890年頃、アールヌーボー絶頂の頃のフランス製。
全周に草花が彫り巡らされた指輪です。
前側は太めで後ろ側に行くほど細くなっていますが、そのカーブラインは有機的な草花と同様、真っ直ぐではありません。
アールヌーヴォーは日本美術に大きな影響を受けた装飾文化です。
モチーフが寸断されずに草花模様がずっと連なっている様は、まさに日本の「巻き物」を想わせます。
2色のゴールド、艶消し、優れた金細工 宝石が一切入っておらず、同系色でまとまっているため一見シンプルに見えますが、ゴールドに凹凸をつけながら、無数のお花を描くという気が遠くなりそうな手間がかけられています。
お花の部分はピンク帯びたイエローゴールドで凸状になっています。
ベース部分は、より黄色がしっかり出たイエローゴールドで、この部分は艶消しが施されています。
艶やかなお花部分の質感と変えているところが面白いです。
お花以外のところを彫り込んで仕上げているようですが、どう作ったのだろうかと不思議になるほど、難しい作りです。
「さりげなくカッコ良い」を作るために、神業のような細かい作業を連続して行っている、アールヌーボー期ならではの職人(ここまで行くともう芸術家と呼ぶべきですが)の精魂が込められた指輪です。
指輪サイズは9.5号(サイズ直しは不可)。

  • 高さ:9mm 
    重量:6.8g
  • 販売価格:売り切れました。

アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)

世界にひとつだけの一点もの

  • 写真は拡大していますが、幅9ミリの指輪でこれだけの細かさはまさに神業
  • 高低によるシルエットで、陰影を出しているところなどは日本の影絵を想わせます
  • 指輪の上下も直線的ではなく、草花のモチーフにふさわしく波状です
  • 2ミリほどと厚みもあり、しっかりとした重量感があります
  • お花部分は艶やかなゴールドで、それ以外をマットに。触感も面白いです
  • アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)
  • アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)
  • アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)
  • アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)
  • アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)

上の写真をクリックするとアールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)の大きな写真が切り替わります。

アールヌーヴォーゴールド指輪(金彫り、ツーカラーゴールド)

[通販価格:税込]:売り切れました。

アンティークエピソード[Antique episode]

アールヌーボー(アールヌーヴォー)のアンティークジュエリー

しなやかな曲線と自然への感性。
日本でも人気の高いアールヌーヴォー様式ですが、その「本質」は意外に知られていません。
アールヌーヴォーは19世紀末(1900年前後)、あらゆる芸術領域を席捲した装飾様式です。
ジュエリーの世界でアールヌーボーは、「貴石をシンメトリーにセッティングした従来のジュエリー作り」から「宝石的価値ではなく色によって選別した石を、美しく彫金されたゴールドにニュアンスカラーのエナメルと共にセットしたジュエリー」への脱皮をもたしました。

アールヌーボーと言うと柔らかな曲線から「ロマンチックな自然主義」と言うイメージが強いことでしょう。
しかしその根底には世紀末ならではの「デカダンス」があります。
溢れんばかりに花をつけた枝や、豊かに広がりうねる長い髪といったアールヌーボーの典型的な図柄の裏には、自然の残酷さや死が念頭にありました。

ジュエリー界でもっとも早く「アールヌーボー」の言葉を使い出したのは、ルネ・ラリック(Rene Lalique)。
下記は1902年にイギリスで発行された「Magazine of Art」に掲載されたルネラリックのジュエリーデッサンです。
女性の顔と睡蓮が描かれたペンダントのデッサンですが、この頃はまだルネラリックはロンドンでは広くは知られていませんでした。

アールヌーボールネラリック

ルネラリックは蝶やパンジー、スイートピーと言った一般的なジュエリーモチーフのみならず、イチジク、キリギリス、蛇、スズメバチといったこれまでにないモチーフも好んで描きました。

下記は1895年にルネラリックが娘のために製作したエナメルの蝶のブローチ。
横幅9センチととても大きな作品です。
この作品は2014年9月に開催されたアンティークビエンナーレ(2年に一度パリで開催)に出展されています。

アールヌーボールネラリック

1900年のパリ万博では、ルネラリック、メゾン・ヴェヴェール(Maison Vever/ヴェヴェール工房)、ルシアン・ガリヤール(Lucien Gaillard)の3人がジュエリー部門でグランプリを獲得します。
下記は1900年頃に製作された、ルシアンガリヤールの青い鳥の髪飾り。
鼈甲とプリカジュールエナメル、目の部分にダイヤモンドが入れられています。
アールヌーボーは東洋の美意識、特に日本の芸術に強い影響を受けましたが、この作品は私たち日本人が見ても、日本的な美を感じる作品ですね。

ルシアンガリヤール

この万博では、ジョルジュ・フーケ(Georges Fouquet)とウジェーヌ・フィアートル(Eugene Feuillatre)が金賞を受賞しました。
ジョルジュ・フーケは1898年にランの花をモチーフにしたジュエリーでアールヌーボーの作品を初めて手がけます。
そしてポスターアーティストのアルフォンス・ミュシャと一緒に、いくつものプレートをチェーンでつなげたジュエリーを発表します。
下記は1900年にアルフォンスミュシャがジョルジュフーケの宝飾店の内装です。
ステンドグラスやモザイクタイルの装飾等、ミュシャがポスターの中で描いたアールヌーボーのテーマや曲線が再現されています。
今日、このインテリアショップの内装は、パリのカーナヴァル美術館で見ることが出来ます。

アールヌーボー、ミュシャ

また同年代のジュエラーの中でルネラリックと並び賞賛を浴びていたのが、ベルギーのジュエラーであるフィリップ・ウォルファー(Philippe Wolfers)です。

アールヌーボーは高価な宝石より、色によって宝石を選別したことは先にも述べましたが、それ以外の素材として愛されたのがエナメル。
特にプリカジュールエナメルでニュアンスカラーを出します。
そして忘れてならないのは、鼈甲やホーン(羊やヤギなどの動物の角を彫刻 して使いました)などの自然素材です。
例えば下記は当店で販売済みの、ホーン製のペンダントです。

ホーン製マーガレットペンダント(アールヌーボー、マーガレット)

花や昆虫などを、その生命を、ホーンを削り、染色し、彫刻を施すことで描いたアールヌーボーのジュエラーたち。
こうした自然素材は宝石のような素材そのものの希少性というより、当時のジュエラーのみなぎるような創造の力、そして技術を感じられるところに価値があります。

ところでアールヌーボーは19世紀末に栄えた芸術活動ということで、1890-1900年頃がその最盛期であったというのが定説ですが、近年ではジュエリーの世界では1860年頃からアールヌーボーの兆しがあったと解く専門家が出てきています。
もちろん1860年頃に作られたジュエリーが全てアールヌーボー様式かと言えばまったくそんなことはありません。
日本よりはもちろん充実しているものの、フランスでもジュエリー史の文献はそれほど十分ではありません。
最終的にはそのあたりは文学を初め、その他の分野の文献等で初めて明らかになっていくことが多いようです。
ということは更にいろいろなことが分かってくる可能性も秘めており、これからますます多くのことが分かっていくと楽しいですね。

アンティークエピソード集 のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

1回のご注文・配送地1ヶ所につき、送料を740円(税込み/全国一律)を申し受けます。
ただし、1回のご注文金額が21,600円以上(税抜20,000円)の場合には送料を無料とさせていただきます。

お名前(必須)
ご住所
お電話番号
メール(必須)

hotmailなどのフリーメールは、メールが届かない事例が増えています。できる限りプロバイダーのメールなどをご使用ください。
お問い合わせ内容(必須)

×